発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第358回目は『AV-Runner』を紹介する。
本作はさまざまなパルクールアクションを駆使してステージを駆け抜けるスピードランタイプのアクションゲームだ。Unreal Engine 4で構築された無機質な世界を一人称視点で走るゲームプレイは、同じくパルクールを題材にした人気タイトル『Mirror’s Edge』を強く連想させる。
本作にはさまざまなゲームモードやチャレンジが収録される予定だが、公開されているゲームプレイ動画では「Pick Up Mode」というゲームモードが紹介されている。プレイヤーはステージ内に設置されたチェックポイントである光の柱を順に通過して走り、ゴール地点の光の柱を目指す。道中にはオレンジ色の「Virion」と呼ばれるアイテムがいくつも設置されており、この獲得数がスコアとなり、ゴールまでにかかったタイムとともに記録されるというものだ。 プレイヤーが駆け抜けるステージは空中に浮かぶブロックを組み合わせたような巨大な建造物だ。スタートからゴールまでのルートには大きなギャップがあったり金網のフェンスで塞がれていたりと入り組んでおり、見るからにチャレンジングな構成になっている。しかし上述のアイテム「Virion」の配置が良いガイド役を果たしており、少なくとも「Pick Up Mode」においてはベストなルートの発見にはあまり困らなさそうだ。 とはいえタイムアタックがメインとなる本作では、そのルートを見いだしてからが本当の攻略の始まりだろう。ギャップや段差を飛び越えるジャンプや、壁をつたうウォールランニング、低い隙間をすり抜けるスライディング、あるいはフェンスを乗り越えたりといったパルクールアクションをスムーズに繋げていくことによって、よりスピードに乗って走ることができる。そして自らのベストタイム/ハイスコアの更新を目指すのだ。何度も繰り返しチャレンジすることが見込まれるため、リスタートは素早くできるようになっている。ちなみにオンラインランキングなど、ほかのプレイヤーと競う要素は現時点では予定されていない。
ご覧のとおり本作の世界はかなり派手なネオンカラーで彩られている。率直に言って目が疲れそうな色使いだが、開発元はそういった意見が出ることを見越しているようだ。オプションメニューでステージの床面や側面、アイテムの「Virion」、ゴール地点の光の柱、フェンス、環状の太陽、ステージの周りにただよう霧、これらの色を個別に自由に変更することができるようになっている。これは色盲のプレイヤーへの配慮ということでもあるそうだ。また、光があふれ出すブルーム効果の強さも自由に設定でき、HUDの表示/非表示にも対応する。 冒頭で『Mirror’s Edge』を連想すると書いたが、開発元であるMohaggedによると同作を参考にはしたものの受けた影響はそれほど大きくはないそうだ。むしろ『Half-Life』や『Quake』での立ち回りからの影響の方が大きいとコメントしている。 『AV-Runner』はSteamでの販売を目指して現在Steam Greenlightに登録されている。十分な支持をあつめることができた場合、Windows/Mac/Linux向けに2017年前半に発売予定。開発元によると5ユーロ(約613円)程度の価格での販売を予定しているそうだ。