「魔法」に特化したアクションRPG『Fictorum』、シームレスに魔法を生み出し敵を倒し街を破壊する


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第355回目は『Fictorum』を紹介する。

『Fictorum』はファンタジーの世界を舞台としたアクションRPG。本作は細部まで描き込まれたグラフィックや広大なフィールドが用意されているわけではないが、「魔法」に特化したゲームデザインが特徴的だ。

主人公は、かつて世界を絶望に陥れた魔法使いの一族「Fictorum」の末裔。一族の操る魔法は非常に強大で、多くの人々が命を落としたが、最終的に人類が作り出した魔法陣によって力を封じ込められる。そうして一族は人類の審問官によって長らく厳しい監視を受け、かつての力を失ってしまった。主人公は一族の血を受け継いでいるものの、ごく普通の家庭に生まれ育った青年。心優しい人々に囲まれ平和に暮らしていたが、街にたびたび不穏な嵐が到来する。こうした災害が訪れるのは、Fictorumの血を継いでいるからだと審問官に非難され、かばった周囲の人々が処刑されてしまう。憎しみにより力に目覚めた主人公は、審問官への復讐を決意し旅へ出ることとなる。

主人公を襲うのは審問官の手先。主人公であるプレイヤーは「伝説の魔法」を使って傭兵や戦士を倒し、建物すらも破壊する。本作の魔法は、従来のRPGのような、セットした魔法を該当のボタン押して発動させるものとは少々異なっている。敵と対象を決め、三角形の魔法陣のゲージを調整することで、任意の魔法が発動する。三角形の頂点にはそれぞれの属性が設定されているので、球体と火を組み合わせることでファイアボールを繰り出し、爆発と氷を組み合わせることで氷の爆弾を生み出すことができる。三角形の頂点に設定されている属性は自由にセットすることが可能なので、幅広い魔法が作れるのだという。どの魔法も美しく派手なものが多く、画面切り替えなどがなくシームレスに魔法を生み出し、敵を攻撃しているだけでもかなりの爽快感が味わえそうだ。

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本作はフィールドをかけめぐることができるが、完全なオープンワールドではない。中規模のエリアが数多く設置されており、そうしたエリアにてミッションをこなして次のエリアへと進むという流れとなっている。敵を倒すと素材や武器、魔法のレシピを落とすほか、エリアでどのようにミッションをクリアするかによって「伝記」に記述される内容が変化するなどリプレイ性の高い要素が揃えられている。

『Fictorum』はすでにKickstarterでクラウドファンディングに成功している。もともとの発売は2016年7月が予定されており、開発が遅れていることは否めないが、現在は投資者に配布しているアルファ版の反応をうけてじっくりとゲームデザインを再調整しているようだ。

対応プラットフォームはPC。発売時期は2017年中とされている。