先史時代アフリカの部族となり巨像と戦うオープンワールド・サバイバル『Voodoo』が開発中

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第335回目は『Voodoo』を紹介する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第335回目は『Voodoo』を紹介する。

『Voodoo』は先史時代のアフリカを舞台としたオープンワールド型のサバイバルゲームである。オンラインマルチプレイタイトルとなっており、文明の誕生が迫りつつある母なる大地にて他のプレイヤーと共に部族を築き上げ、村落を拡大していく。

開発を担当しているのはイタリアのインディーデベロッパーであるBrain in the Box。本作は彼らのアフリカ文化、『DayZ』『Rust』といったサバイバルゲームジャンル、そして『ワンダと巨像』への関心から生まれたプロジェクトである。先史時代アフリカの雰囲気を掴むため、アフリカの文化、伝統、慣習、武器などを研究したという。また『ワンダと巨像』の巨像たちにマルチプレイで挑めたら楽しいのでは、というアイデアが存分に生かされている。

本作で描かれるアフリカの大地には、サバンナ、ジャングル、砂漠という3つのバイオームが広がっている。ゲームを開始するとプレイヤーは広大なマップ上に手ぶらの状態で放り出される。食料の確保、資源収集、狩猟、武器や建物のクラフトを重ねていき、同じ部族の仲間と共に村落を拡大していく。村落では住処となる小屋のほかに農場を設けたり、敵対部族から村落を守るためのトラップを設置したりと、やるべきことは多い。プレイヤーは勇敢な戦士として部族を守るのも良いし、働き者の農夫として皆の腹を満たすことに専念しても良い。さらにはシャーマンとして活躍することも可能だ。

アフリカの部族というと、プリミティブな仮面を被った姿を思い浮かべる方も多いだろう。本作では仮面を被ることで先祖の魂を呼び覚まし、特別な知識や能力を手にすることができる。そのほかにも、森の精霊とのコミュニケーションを可能にしたり、特別な能力を授けるオーラを身にまとわせてくれる。

こうして仲間と仮面の力を借りながら部族の拡大を続けていくわけだが、いざ一大帝国を築き上げるとなると、テクノロジーの進化が不可欠となる。そう、部族の繁栄を実現するためにも「Izimus」と呼ばれる巨像を倒す必要があるのだ。彼らは「進化の魔法」を宿しており、倒すことで特殊なトーテムを得られる。トーテムは部族の文明レベルを上げ、新しいテクノロジーをアンロックする。だが「Izimus」を倒すことは容易ではない。彼らは個体ごとにユニークな攻撃パターンを有しており、どう攻め込むべきか観察しつつ、弱点を攻撃することになる。

「Izimus」の一種である「Ibamba-Khulu」
「Izimus」の一種である「Ibamba-Khulu」
さまざまなボディペイントが用意される
さまざまなボディペイントが用意される

プレイヤーが戦うのは巨像に限らず、先史時代の動物たちや他の部族との戦闘が待ち受けている。プレイヤーに与えられた戦闘オプションは「強・弱の近接攻撃」「パリィ」「ドッジロール」。オープンワールドサバイバルゲームの中では「パリィ」と「ドッジロール」が揃っているタイトルは珍しいだろう。これに加えて弓矢による遠距離攻撃もある。戦闘に使う武器はクラフトアイテムを組み合わせることで作成でき、そのバリエーションは8000通り以上にも及ぶという。なお戦闘はスタミナ制となっており、無闇に攻撃しているとスタミナ切れとなる。

『Voodoo』は当初Unreal Engineにて開発をスタートしたが、現在はUnityエンジンで開発が進められている。Kickstarterキャンペーンにおける初期目標の資金額は3万ユーロ(約360万円)。ストレッチゴールとしては20万ユーロを達成することで薬物とポーションシステムを追加する予定となっている。そして45万ユーロに達すれば洞窟システム、50万ユーロでペットが導入されるとのこと。対象プラットフォームはPCとなり、2017年初旬にSteamでの早期アクセスを開始予定。Kickstarterキャンペーンで15ユーロ以上出資すれば今すぐプレアルファ版にアクセスできる。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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