『RFオンラインネクスト』は「古のMMORPGの良さ」と「SFロマン」が合体、“巨大メカ無双”もできる。本作のメカとSFの魅力を開発者にいろいろ訊いた

ネットマーブルが手掛ける宇宙MMORPG『RFオンラインネクスト』の魅力について、開発者インタビューにてさまざまうかがうことができた。

RFオンラインネクスト (RF ONLINE NEXT)』は、ネットマーブルが手掛ける宇宙MMORPGだ。発達した文明によって人類が地球以外の惑星に住むようになったというSF世界観が本作の最大の大きな特徴。プレイヤーは身体能力を強化する特殊なスーツを着用して超人的に戦うこともできれば、搭乗型の大型兵器に乗り込んで戦場を無双することもできる(関連記事)。

身体能力強化スーツや巨大メカで戦うというロマンがありながらも、MMORPGのギルド対ギルドによる大規模なオンライン対戦がフィーチャーされているのは、昨今のタイトルとしては珍しい。AUTOMATONは古のMMORPGの復活を期すような『RFオンラインネクスト』を開発した理由などについて、総括プロデューサーのホン・グァンミン氏とグローバルプロデューサーのキム・ドゥホン氏にインタビューを行う機会に恵まれた。興味深い数々の話を訊くことができたのでこの記事で紹介したい。

左からホン・グァンミン氏とキム・ドゥホン氏。

キャラ成長やアイテム収集のMMORPGならではの魅力を追求

――最初に、ホンさんとキムさんの自己紹介をお願いいたします。

ホン・グァンミン氏(以下、ホン氏):
『RFオンラインネクスト』総括プロデューサーのホン・グァンミンです。私は1997年にゲーム業界に入り、さまざまなタイトルに携わることでゲーム開発の経験と実力を培ってきました。『RFオンラインネクスト』の開発チームには2021年から参加しています。

キム・ドゥホン氏(以下、キム氏):
『RFオンラインネクスト』グローバルプロデューサーのキム・ドゥホンと申します。私は2002年にゲーム業界に入りました。2018年にリリースされたMMORPG『A3: Still Alive』では、ホンさんと一緒に開発に取り組みました。『RFオンラインネクスト』の開発チームには2025年から参加しています。

――『RFオンラインネクスト』で実現したいことを教えてください。

ホン氏:
MMORPGとして、『RFオンラインネクスト』は「途切れることのない成長と獲得の楽しさ」をプレイヤーに提供することが最大の目標です。というのも、MMORPGにおいてキャラクター育成やアイテム収集は単なる成長手段ではなく、長期的にゲームを楽しめるようにする重要な要素だと考えているからです。毎日ゲームを気軽にプレイするなかでも自分のキャラクターが絶えず変化していきます。プレイヤーの分身ともいえる主人公が成長していく過程を見守る達成感は、昔懐かしのMMORPGの伝統を受け継いでいるといっていいでしょう。

キャラクター成長やレアアイテム獲得を通じMMORPGの楽しさを実感できることが、健全なゲーム経済とエコシステムを形成すると考えています。そうした考えにもとづいて『RFオンラインネクスト』では、課金しなくてもキャラクターの成長に必要なアイテムを獲得できるように設計しました。強化用アイテムは序盤のフィールドでも入手することができるため、ゲームを始めたばかりでも取り組みやすいものになっていますね。

また、獲得した大半のアイテムは取引所だけでなく1対1の取引も可能です。ユーザー同士が交流することで知る伝統的なMMORPGの楽しさを、『RFオンラインネクスト』でもう一度体験していただければと考えています。

――『RFオンラインネクスト』の開発でもっとも重視した点は何でしょうか?

ホン氏:
ひとりのゲーム開発者として、私は「ゲームが与える楽しさとは何か」を常に自問自答してきました。『RFオンラインネクスト』の開発でもっとも重視したのは、ユーザーの努力に対してどれだけの報酬と成長が伴うか、についてですね。そうして考え続けたことが『RFオンラインネクスト』に反映されており、本作のゲームプレイの本質的な面白さにつながっていると確信しています。

重厚な世界観から紡がれる本作的なSFストーリー

――『RFオンラインネクスト』のストーリーはどのようなものになるのでしょうか?

ホン氏:
『RFオンラインネクスト』のストーリーは、「ノヴァス」と呼ばれる惑星に3つの国家が作られるところから始まります。水や空気の存在するノヴァスは地球と同じように人類の生存に適した惑星ですが、資源が無尽蔵に存在するわけではありません。3つの国はそれぞれの存亡をかけて激しい戦争を繰り広げていきます。

プレイヤーは「サイオン傭兵」と呼ばれる特別な存在です。サイオン傭兵は古代の宇宙を支配した種族「アーケイン」の血を引いており、身体能力を強化するバイオスーツを着用することで高い戦闘能力を発揮することができます。特別な能力を持ちながらも国家に所属しないサイオン傭兵として、プレイヤーは3つの国による戦争に身を投じることになります。

――主人公のカスタマイズについて教えてください。

キム氏:
主人公の性別を選択後に顔の輪郭、目鼻立ち、髪型などに至るまで細かく調整可能です。直感的にカスタマイズできるようにUIを作り込みました。キャラクターの細部までプレイヤーの理想像を反映できる高い自由度を備えています。

――ゲームシステムにおけるバイオスーツはどのようなものになるのでしょうか?

キム氏:
バイオスーツは、いわゆる「職業(クラス)」に相当すると考えていいでしょう。剣や斧などによる近距離戦闘を得意とするバイオスーツも存在すれば、銃やドローンなどによる遠距離攻撃を得意とするバイオスーツも存在します。種類によってバイオスーツの得意とする戦い方は異なり、回復能力を持つ「テクニシャン」や前線で味方の盾となる「エンフォーサー」なども特徴的ですね。バイオスーツは6種類が存在していますが、本作のグローバルサービス時には7番目のバイオスーツとして「アービター」が登場します。

ホン氏:
いわゆるクラスに相当するバイオスーツですが、『RFオンラインネクスト』ではプレイヤーは自由にバイオスーツを変更できます。バイオスーツの変更に伴う追加費用はかかりません。バイオスーツを切り替えることで、対応する戦闘機能やスキルが自動的に変化します。武器も都市の商人を通じて同じクラスのものに交換することができるので、新たなクラスが追加されても最初から育成し直す必要はありません。

――バイオスーツによってどのようなアクションが可能になるのでしょうか?

ホン氏:
バイオスーツには飛行機能があります。たとえば、空から敵の本拠地を奇襲するといった大胆な戦闘も可能になりますね。『RFオンラインネクスト』の一部のコンテンツでは、飛行を利用して侵入できる領域があります。通常のフィールドで敵勢力と交戦しつつ、開放された飛行ルートで背後から敵の本陣の背後を突いたり、主要建物を破壊したりといった戦術を取ることができます。

探索面でも高速で移動可能なバイオスーツは役に立ちます。飛行でしか到達できない場所も存在し、そこに宝箱が置かれていることもありますよ。戦闘でも探索でもバイオスーツによる飛行は欠かせない存在となるでしょう。

搭乗型兵器から自動戦闘兵器まで、メカのロマンたっぷり

――『RFオンラインネクスト』における「神機」はどのような存在なのでしょうか?

キム氏:
『RFオンラインネクスト』の神機は、作中に登場する3つの国家が保有する超強力な戦闘兵器です。搭乗者が直接操縦できる大型兵器「MAU」と自動戦闘型の「ランチャー」は、課金なしで序盤のストーリーで入手可能です。MAUとランチャーには成長要素もあり、最高ランクまで強化することができます。

「アニムス」と呼ばれる生体兵器も神機として登場します。こちらのアニムスは「ローヴァ」という生命体を育成することで召喚可能です。ローヴァは戦闘補助を担うさまざまな個性を持ち、プレイヤーと緊密な絆を築くことができます。ローヴァのなかには愛らしい外見や仕草でプレイヤーを魅了する個体もいますよ。

――『RFオンラインネクスト』のアートで核心となったコンセプトは何でしょうか?

ホン氏:
『RFオンラインネクスト』では「新次元メカニック」をキーワードに、国家ごとの歴史や哲学をデザインに反映しました。アクレシアの冷徹な軍国主義、ベラートの独創的な雰囲気、コラの幻想的な神秘性などをマップの細部にまで追求しています。

戦闘兵器である神機、バイオスーツ、ローヴァはメカニックのロマンを実現できるよう設計しています。神機は直接的な戦闘要素であるため、迫力あるメカビジュアルに注力しました。ランチャーは成長度に応じて火力と存在感が増すように表現し、MAUは操縦の楽しさを実感できるよう搭乗動作や機械的な動きを細部まで作り込みましたね。近距離型や遠距離型などの戦闘スタイルに応じて外観も変化します。アニムスは戦闘中の登場時に圧倒的な威容を示せるよう、華やかなエフェクトを取り入れました。

――『RFオンラインネクスト』のサウンドの特徴を教えてください。

ホン氏:
『RFオンラインネクスト』のサウンド制作でもSFの雰囲気を追求しました。メインBGMは古代と未来、ロマンと戦争がそれぞれ共存するようなSFの世界観を表現しています。原作となる『RFオンライン』のオリジナルサウンドトラックからは、楽曲「ONE」をリマスターして『RFオンラインネクスト』で聴けるようになっています。原作からのファンの方には、このリマスターした楽曲を懐かしく感じていただけると思います。

国内向けには満を持して9月30日にリリース

――『RFオンラインネクスト』のコンテンツはどのようなものが存在するのでしょうか?

キム氏:
『RFオンラインネクスト』には、プレイヤー同士が競い合うコンテンツが存在します。それらの代表的なコンテンツは、「クォーリー戦争」と「エデン争奪戦」ですね。

クォーリー戦争はクラグ鉱山の資源をめぐり、同一サーバー内で最強ギルドを決定するコンテンツです。予選「スカーミッシュ」を経て、本戦「国家戦」が行われます。勝利したギルドは名声や税収、鉱山の独占採掘権など強力な報酬を得られます。クォーリー戦争で勝利するには、神機や飛行といった戦略要素を活用することが重要になってきます。

エデン争奪戦は、ギルド間の競争をスポーツ形式で展開するコンテンツです。ギルド拠点から出発し、中間拠点を制圧してバフを獲得し、最終的に中央拠点を確保して得点を重ねることが目標となります。累積ポイントによって1〜4位が決まり、シーズン勝利ポイントを獲得して上位リーグへ昇格するリーグ制コンテンツです。

サーバーを超えて全ワールド基準で4つのギルドが1つの戦場にマッチングされます。1ギルドが最大50人の構成ですから、4つのギルドで最大200人がエデン争奪戦に参加することになりますね。

――『RFオンラインネクスト』のリリース時期はいつですか?

キム氏:
韓国で先行サービスを開始した『RFオンラインネクスト』ですが、いよいよグローバルで展開されます。日本では2025年9月30日にリリースされることが決定しました。このインタビューの解禁と合わせるような形でリリース日が発表されることになります。ありがたいことにユーザーから「リリース日が思ったより早くて楽しみ」との声もいただいており、開発チームはリリース日に向けて細部を調整しているところです。

グローバルでのサービス開始に伴って、日本、韓国、台湾のユーザーがマッチング可能なエデン争奪戦が開催されます。これは国や地域を問わずにプレイヤー同士が競い合ってほしいと考えたからです。なお、ゲームプレイ全体ですべての地域のプレイヤーがフィールドに結集するというわけではありません。それをしてしまうと、戦力が整っているユーザーによる、いわゆる初心者狩りが横行しかねないですからね。あくまでも、今回はエデン争奪戦において3つの地域のユーザーが戦えるようになるという形です。

『RFオンラインネクスト』の日本リリースまで残り数週間しかありませんが、開発チームは全力を尽くしますので楽しみにゲームのリリースを待っていてくださると幸いです。今後とも『RFオンラインネクスト』をよろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。

RFオンラインネクスト』は、日本では2025年9月30日にリリース予定だ。対応プラットフォームはPC(Netmarbleランチャー)/iOS/Androidストア事前登録による報酬獲得キャンペーンも開催されているので、そちらは公式サイトをチェックしてほしい。

Ryuichi Kataoka
Ryuichi Kataoka

「ドラゴンクエストIII」でゲームに魅了されました。それ以来ずっとRPGを好んでいますが、おもしろそうなタイトルはジャンルを問わずにプレイします。

記事本文: 70