『キングダムカム・デリバランス2』開発元スタッフに「本当に前作未プレイでもいいのか」訊いてみた。あと戦いのコツも
![](https://automaton-media.com/wp-content/uploads/2025/02/kingdom-come-deliverance-2-20250206-327509-header2.jpg)
パブリッシャーのPLAION/Deep Silverは、Warhorse Studiosが手がける『キングダムカム・デリバランス II』を日本時間2月5日にリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S。日本語表示および日本語音声にも対応している。
『キングダムカム・デリバランス II』は、一人称視点のオープンワールドアクションRPG『キングダムカム・デリバランス』の続編だ。舞台となるのは15世紀初頭の騒乱の地と化したボヘミア王国。プレイヤーは、故郷と家族を失った男ヘンリーとなり、復讐を果たすために騎士見習いとしてボヘミアを奔走する。本作ではボヘミアの大都市クッテンバークや自然溢れるボヘミアン・パラダイスを新たな舞台に、ヘンリーの新たな冒険が描かれる。
この度、AUTOMATONではWarhorse StudiosのPRマネージャーのTobias Stolz-Zwilling氏(以下、Tobias氏)にメールインタビューをする機会をいただいた。『キングダムカム・デリバランス II』を遊ぶ際には前作をプレイしていなくても大丈夫なのか、特に注目すべきポイントはどこか、いちプレイヤーとしても気になっているさまざまな質問に答えてもらった。
![](https://automaton-media.com/wp-content/uploads/2025/02/kingdom-come-deliverance-2-20250206-327509-001.jpg)
――さっそくですが、『キングダムカム・デリバランス II』は、前作から主人公やストーリーなど多くの要素を引き継いでいます。前作をプレイしたことがなくても大丈夫なのでしょうか?
Tobias氏:
ご安心ください。『キングダムカム・デリバランス II』は、前作をプレイしていなくても、また、ヨーロッパの歴史をまったく知らなくても楽しめるよう、しっかりと作り込んでいます。
前作は2018年に発売されたタイトルなので、当時のファンですらすべての出来事を覚えているとは限りません。だからこそ、オープニングでは最も重要な情報――「自分が何者で、どこにいて、何をすべきなのか」だけを提示し、その他の詳細は対話やカットシーン、回想を通じて徐々に明らかにしていきます。
ただ、中には手早く前作のストーリーを知りたい方もいるかもしれません。そんな方に向けた動画もありますよ。
――前作では、史実に基づく世界観、魅力的なストーリー、豊富なサイドクエストなどが高く評価されました。続編である『キングダムカム・デリバランス II』の最大の特徴はなんでしょうか。
Tobias氏:
『キングダムカム・デリバランス II』は“革命”ではなく“進化”です。私たちは劇的な変化を加えるのではなく、前作のコンセプトをさらに洗練し、あらゆる面で大きく向上させました。特に強調したいのは「没入感」と「世界がプレイヤーの行動にどう反応するか」です。
プレイヤーの行動には意味があり、何かをすれば人々は反応します。たとえば、プレイヤーが血まみれで歩いていると人々は恐れて避けますし、体が臭ければ衛兵に「臭い!」と指摘され、ステルス行動が難しくなります。また、夜間に松明を持たずに歩いていると、衛兵に「泥棒みたいにコソコソするな」と注意されることも。
こうした細かな反応が積み重なることで、プレイヤーは本当に中世の世界に入り込んだような感覚を味わえます。この没入感の向上こそが、本作の最大の特徴なのです。ちなみに多くのファンに愛されていたダイスゲームの「ファークル」も、“進化”して再登場します。
――今作では集団戦が重要な役割を果たすそうですね。ヘンリーの戦闘スタイルはどのように進化するのでしょうか?戦いで勝利するためのコツを教えてください。
Tobias氏:
現実世界と同じように、一番のコツは「集団戦に巻き込まれないこと」ですね。でも、どうしても避けられない場合は、賢く立ち回る必要があります。
ステルス攻撃や毒を使って一人ずつ倒す方法もありますし、非常に強力ですが、精度は低い新登場の火薬兵器を使うという方法もあります。あるいは……逃げるのも手ですね。
ただし、もしスキルと装備に自信があるなら、完璧なタイミングでマスター・ストライク(防御カウンター)を決めて、敵を数発で叩き潰すのもアリです。
![](https://automaton-media.com/wp-content/uploads/2025/02/kingdom-come-deliverance-2-20250206-327509-003.jpg)
――クロスボウや火薬兵器が登場すると聞きましたが、これらの新武器はゲーム開始時から使えるのでしょうか?
Tobias氏:
本作の世界には、すべての武器が存在しており、見つけたらすぐに使用可能です。ただし、多くの武器にはスキル要件があるため、未熟な状態では扱いが難しいでしょう。なお、今のところ新たな武器の追加予定はありません。
――ある動画で、松明を使ったコンボが紹介されました。これは新たな武器固有のコンボが追加されることを示唆しているのでしょうか?
Tobias氏:
ああ、あのシーンに気付いたのですね!実は松明は特定の新しい武器ではなく、オフハンド(メインの武器とは別の装備)を活用したテクニックやコンボの一環です。盾を使った攻撃も同じ仕組みで動作します。
興味深いのは、素手での戦闘が大幅に改善され、いくつかのクールなコンボが可能になったことです。敵を武装解除することさえできるようになっています。
――前作同様、本作も専門家や歴史学者の協力のもと開発が進められてきたのでしょうか。また、リアルな歴史とゲームとしての面白さをどのように両立させているのでしょうか?
Tobias氏:
苦労したところですね。どこまでリアルにするか、そしてどこでゲームとしての楽しさを優先するか……。
我々のチームには専任の歴史学者が在籍しており、大学、博物館、歴史家、その他のイベントなどを通じて、膨大な情報をリサーチしています。その上で、実現不可能なもの、現実的であっても楽しくなければ意味がないものなどを見極めながら、ゲームとして成立するようにバランスを調整しています。
最終的には、「これはただのゲーム」ですが、可能な限りリアルで説得力のある世界にしようと努力しています。
――前作の成功を受け、開発チームは大幅に拡大したと聞いています。
Tobias氏:
正直に言うと、私たちは基本的には変わっていません。昔ながらの「パンク」精神はそのままで、ただしより組織化されたパンクになっただけです (笑)
組織の上下関係は弱く非常にフラットなので、誰でも自由に意見を言い合い、アイデアを共有して最善の解決策を一緒に見つけています。ただ、今ではオフィスに250人以上が在籍しており、全員の名前を覚えるのは正直無理です……(笑)
――本作ではどのような技術的改善を行ったのか、詳しく教えていただけますか?
Tobias氏:
私たちは依然として同じゲームエンジン(CryENGINE)と技術を使用していますが、あらゆる面で拡張および改良を加えています。
これが特に顕著に現れているのがクッテンバーグのような大規模な都市ですね。何百人ものNPCがそれぞれ独自の生活リズムで暮らす様子を描いています。また、最適化やパフォーマンス面でも、前作を凌駕する仕上がりになっています。
![](https://automaton-media.com/wp-content/uploads/2025/02/kingdom-come-deliverance-2-20250206-327509-002.jpg)
── 読者へのメッセージをお願いします。
Tobias氏:
こんにちは、日本のみなさん!『キングダムカム・デリバランス II』では、前作をプレイしていなくても、ヨーロッパの歴史に興味がなくても問題ありません。騎士と城、そして圧倒的な没入感を誇る、とにかく“カッコいい”RPGに興味があるならぜひ『キングダムカム・デリバランス II』をプレイしてみてください。Audentes Fortuna Iuvat(幸運は勇者を好む)!
![](https://automaton-media.com/wp-content/uploads/2025/02/kingdom-come-deliverance-2-20250206-327509-004.jpg)
──ありがとうございました。
『キングダムカム・デリバランス II』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。ロードマップトレイラーも公開されており、無料アップデートやDLCの配信時期が告知されている。