iOSへ“ひっそり”移植された名作ゲーム5選 『カラテカ』・『Duke Nukem 2』など

数は少ないものの『Bastion』や『VVVVVV』、『FTL: Faster Than Light』などPCやコンシューマで人気を博したタイトルはiOSへと移植されている。しかし、すべてがモバイルでもヒットしたというわけではない。大々的に宣伝されることもなく、ひっそり配信されている作品もある。そのため「英語だから星1つです」の標的にはなっていないが、せめてコアゲーマーには知ってもらいたい。というわけで、本稿では5つの移植作品を紹介する。

 


Karateka Classic

 

見た目よりも操作のしやすさを重視したUI。
見た目よりも操作のしやすさを重視したUI。

1984年にApple II向けに発売された『Karateka』のiOS版が『Karateka Classic』だ。価格は100円。正確には移植やリメイクではなく、オリジナルをエミュレートしたものである。プレイヤーはカラテカとなって、アクマ将軍を倒して恋人のマリコ姫を救うことが目的だ。戦う前に"礼"をしなければ難度が上がるという特徴があり、なんとも礼儀にうるさいアクションゲームである。といっても敵との距離が近い状態で"礼"をするとハイキックをくらうので注意しなければならない。

思いのほか操作もしやすく、"死にゲー"としても愛されているためか、App Storeレビューの評価も悪くはない。リメイク版の『Karateka』も販売中。

 


Duke Nukem 2

 

ボタンの配置は変更できるがそれでも遊びにくい。
ボタンの配置は変更できるがそれでも遊びにくい。

生誕20周年を記念して発売されたiOS版『Duke Nukem 2』。価格は100円。1993年の原作とは違い、サングラスをかけたDuke Nukemが登場する。バーチャルパッドを使った操作は難しく、快適なゲームプレイを楽しむまでに心が折れてしまうかもしれない。そして、もともと難度の高いゲームであるため、iPhoneやiPadとの相性はイマイチというのが正直なところ。ただし、iCadeを所持しているのであれば話は別だ。

Duke Nukem: Manhattan Project』と『Duke Nukem 3D』も200円で販売中。こちらもタッチ操作との相性が良いとはいいがたいが、ネタとして購入するのもアリかもしれない。

 


Shadow Warrior

 

違法駐車は"罪"である。
違法駐車は"罪"である。

日本のような中国のような……とにかくオリエンタルな世界で刀を振り回す『Shadow Warrior』もiPhoneで遊べる。ゴア表現などもふくめて見事な移植であり、無料でダウンロードできる。ただし、完全版やDLCはアプリ内課金で購入して手に入れなければならない。一人称視点のため操作に慣れるまでは苦労するかもしれないが、God Modeなどのチートを使えるので初心者でもクリアできる……だろう……。

販売元のGennadiy Potapovは、『Doomsday: Hellraiser』や『HacX Classic』も配信している。『Doom』シリーズがApp Storeから消えてしまったいまでは貴重な作品である。

 


Alone in the Dark

 

前蹴りでスカートの中が見えるかもしれないと思った人は手をあげなさい。
前蹴りでスカートの中が見えるかもしれないと思った人は手をあげなさい。

とある屋敷で起きた殺人事件。プレイヤーは私立探偵となって事件の真相解明を目指す3Dアクションアドベンチャー『Alone in the Dark』もiOSへ移植された。トラップや動かせる物体だけポリゴンで描かれていたため「怪しい場所がバレバレ」な点も忠実に再現されている。オリジナルがMS-DOS向けだったため、メニューに「Return to DOS」が入っているのも面白い。残念なのは、近年のタッチデバイス向けアプリでは考えられない複雑な操作方法であること。このため、早い段階でゲームの目的なんてどうでもよくなってしまうかもしれない。

友達と『バイオハザード』の話になったとき、「ああ、俺は『Alone in the Dark』をプレイしていたからそこまでの衝撃はなかったよ」と言えば"通"っぽいので、一度は遊んでおきたい作品である。価格は100円。

 


Darkstone

 

状況に応じてキャラクターを変更して戦える。
状況に応じてキャラクターを変更して戦える。

1999年に発売され、3Dの『Diablo』とも呼ばれたアクションRPG『Darkstone』。iOS版は無料でダウンロードできる。マウスと同じ感覚で移動先や敵をタップする操作方法なので、タッチデバイスとの相性も良い。ユニークなのは、2人のキャラクターをリアルタイムで切り替えできること。AIはそれほど優秀ではないものの、シングルプレイでも仲間と共に冒険できる。古いゲームなので不便に感じる点もあるが、Free to Playであることが信じられないほどボリュームは多い。

Diablo II』について会話しているさなか、「僕は『Titan Quest』派だ」と言う人がいたら、「俺は『Darkstone』かな」と返せば一目おかれる。かもしれない。

 


2014年の夏後半、海底都市ラプチャーを舞台にした快作FPS『BioShock』がiOS向けに発売される。2K Gamesは『XCOM: Enemy Unknown』をモバイルでも販売しており、2000円と高めの価格設定でありながらもヒットした。おそらく「Little Sister」や「Big Daddy」もモバイルゲーマーに受け入れられるだろう。2K Games以外にも、すでにApp Storeでクローンが配信されている『Goat Simulator』や、Kingの商標登録問題でも話題になった『The Banner Saga』もiOSに移植される予定だ。もちろん『Shadowgate』も忘れてはいけないし、今後も増え続けていくだろう。

古い作品ならGoG.comで購入できるし、『Duke Nukem 2』などはSteamでも販売されている。それに、わざわざ操作しにくいiPhoneでゲームをプレイすることに魅力を感じないかもしれない。しかし、話のネタになるのは確実なので、まずは無料でダウンロードできる『Shadow Warrior』や『Darkstone』を遊んでみてはいかがだろうか。

Shinji Sawa
Shinji Sawa

ゲームはジャンルを問わず遊びますが、1回のプレイ時間が短いものが好きです。FPSやRTSは対戦モノを積極的にプレイします。しかし緊張するとマウスを持つ手が震えるタイプでもあります。

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