あなたが「ニンジン」を食べるとき、恐怖は始まる…。異色の野菜ホラーゲーム『Carrots and Cream』が描く生々しい怖さ

ゲームジャム「Asylum Jam」で、"野菜をテーマにしたホラーゲーム"という異色の作品『Carrots and Cream』がひっそりと登場している。

11月6日から9日にかけて、Game Jolt主催のイベント「Asylum Jam」が開催された。「Asylum Jam」はホラーゲーム(ネガティブなメンタルヘルスや医学的なステレオタイプを描写するものを除く)を48時間以内に作ろうというゲームジャムだ。イベントは無事終了し世界中のゲーム開発者から146本のゲームプロジェクトが提出されたが、このなかで”野菜をテーマにしたホラーゲーム”という異色の作品『Carrots and Cream』がひっそりと登場している。

野菜あるいは食べ物関連のホラー映画といえば、1978年に北米で公開された「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」がもっとも有名で、マニアックな人ならジンジャーブレッド人間が出てくる「The Gingerded Man」を知っているかもしれない。『Carrots and Cream』はタイトル通り”ニンジン”がテーマとなっているタイトルだが、前述した2作とは異なりコメディ要素は一切ない。5分程度で終わるちょっとしたクリック&ポイント式のアドベンチャーゲームだ。

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プレイヤーは分身である人間(?)を操作して、ニンジンを畑から収穫し、すり身のニンジンと牛乳を混ぜたニンジンクリームスープを作ることになる。ビデオテープを思わせるような荒々しい画質と、妙に生々しい音響効果が相まって、ただニンジンクリームスープを作るのに、ただならぬ雰囲気がただよっている。「ミザリー」や「黒い家」のような人間的ホラーなのか、「エクソシスト」のような悪魔・霊的ホラーなのか、いったいどこからどんな”ホラー”がやってくるのか検討もつかず、スープを作る物語は進んでゆく。

このゲームは小話としてよくできていて、インターネット上で出回っている怖い話をゲーム化したような感じの作品だ。5分間で小気味よく描かれる物語は、すこし馬鹿馬鹿しくも怖い。そして一部のプレイヤーは「うへっ」と思わず声を挙げてしまうだろう。

はたしてニンジンクリームスープ作りでなにが起きたのかは、プレイヤーとして確かめてみて欲しい。本作はWindows/Mac/LinuxおよびAndroid向けに無料で配信中だ

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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