悪の大企業に革命軍が殴りこむ”カチコミ”系FPS『Bunker Punks』が熱い、鉄砲玉たちの高速アクションで脳細胞が燃える

3月30日、Staemにて新作FPS『Bunker Punks』がリリースされた。同作はカナダのインディーデベロッパー「Ninja Robot Dinosaur」が開発・販売を担当しているタイトルだ。ローグライク要素を盛り込んだ一人称視点シューターとなっており、FPS部分はオールドクラシックな遊び方が楽しめるように調整されている。

3月30日、Steamにて新作FPS『Bunker Punks』がリリースされた。同作はカナダのインディーデベロッパー「Ninja Robot Dinosaur」が開発・販売を担当しているタイトルだ。ローグライク要素を盛り込んだ一人称視点シューターとなっており、FPS部分はオールドクラシックな遊び方が楽しめるように調整されている。とりあえずトレイラーを見れば、本作が初期の『Doom』から大きな影響を受けていることはよくわかるだろう。

参考記事: 地下潜伏する”革命グループ”を率いて戦う『Bunker Punks』明日Steamで配信へ、ピクセルなオールドスクールFPSと基地運営シミュが融合

擬似3Dで描かれている平面の敵グラフィック。各エリアの最後には『Doom』によく似たスイッチが設置されたゴールポイントがある

『Bunker Punks』の舞台となるのは、資源採掘によって荒廃が広がったらしき未来の地球だ。この世界は統合政府と巨大企業により支配されているようで、プレイヤーは地下に潜伏する革命軍をひきいて、この巨悪の打倒を目指さなければならない。ゲームは革命軍の構成員である”パンクス”たちの地下基地をカスタマイズする「基地構築パート」と、パンクスを操作して敵の拠点を攻め落とす「FPSパート」の2つに別れており、これを繰り返して敵の本丸を落とすというのが基本的なゲームの流れになる。

ゲームを開始すると、プレイヤーはまず革命軍の構成員である「パンクス(Punks)」を選ぶ。パンクスにはそれぞれ得意な武器や体力、移動スピードが設定されており、自分のプレイスタイルに合わせてチョイスするといいだろう。またパンクスたちは能力の異なる”残機”のような存在でもあり、一度死亡するとそのゲーム中では二度と使えなくなる。革命軍に所属するパンクスたちが全員死亡すれば、その時点で革命軍の敗北となりゲームは振り出しへ。パンクスが全滅する前に敵の本丸を攻め落とすことができれば、ゲームクリアというわけだ。

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ワールドマップ。攻め入る敵拠点を選択し、最終的に左側に見える敵の本丸を攻め落とすことを目指す。左へ行くほど拠点攻略の難易度は上昇してゆく
ゲーム開始時には2人のパンクスから1人を選ぶことしかできないが、ゲームオーバー後にプレイ中集められる「技術パーツ(Tech)」でアンロックすると、選べるパンクスの数(残機数)や種類が増えてくる
ゲーム開始時には2人のパンクスから1人を選ぶことしかできないが、ゲームオーバー後にプレイ中集められる「技術パーツ(Tech)」でアンロックすると、選べるパンクスの数(残機数)や種類が増えてくる
パンクスが全滅すると進行度はリセットされ、拡張した基地も最初の状態に戻る。唯一引き継がれるのどの要素をアンロックしたかという部分だけだ
パンクスが全滅すると進行度はリセットされ、拡張した基地も最初の状態に戻る。唯一引き継がれるのどの要素をアンロックしたかという部分だけだ

エリアが自動生成されたり、装備品を収集したり、基地運営でパンクスたちを強化するといったさまざまな要素はあるのだが、なんといっても本作は純粋に「FPS」として面白い。これに尽きる。端的に言い表すならば、『Bunker Punks』は”後退のネジを外して『Doom』をやる”ような作品で、古典的な避けて撃つのFPSでありながら、不快感を感じることなくよりスピーディーなアクションが楽しめるよう上手くデザインされている。

プレイヤーはワールドマップ上から選んだ拠点にエレベーターで乗り込み、さらに下の階へと進むため別のエレベーターを探すことになる。大量の警備ロボが配備されており、敵の猛攻をくぐり抜けなければならない。各階は小部屋がいくつも連なるような形状をしており、通路も狭く逃げ場はほぼなし。敵との戦いは常にインファイトだ。過密度の高い戦闘の連続が、次第にプレイヤーの脳細胞を熱くたぎらしてゆく。

そして『Bunker Punks』には、敵や箱からドロップされるヘルスパックや弾薬が、”すぐに消えてしまう”という最大の特徴がある。これが『Bunker Punks』のマジックだ。5秒から6秒ほどで消えてしまうこれらアイテムを取得するため、プレイヤーは否が応でも小部屋のなかを動きまわり、攻撃を回避しながら敵を倒しアイテムも集めるという、乱戦スタイルの戦いに挑まなければならない。もたもたと通路の奥から敵を狙撃していては、アイテムは回収する前に消え、弾薬や体力はジリジリと減らされてゆく。無謀なパンクスよろしく、プレイヤーはカチコミスタイルで電撃戦的な鉄砲玉プレイに興じることになるのだ。

地下基地を強化する「クレジット」や、パンクスや装備品をアンロックする「技術パーツ」を集めることも重要。これらもヘルスパックや弾薬と同様、すぐに消滅してしまう。ただし装備品はマップ上に残り続けるので、激しい戦いの合間にゆっくりと選ぶといいだろう
地下基地を強化する「クレジット」や、パンクスや装備品をアンロックする「技術パーツ」を集めることも重要。これらもヘルスパックや弾薬と同様、すぐに消滅してしまう。ただし装備品はマップ上に残り続けるので、激しい戦いの合間にゆっくりと選ぶといいだろう
パンクスたちの移動スピードはかなり早く、操作感も非常に締まりがいい。敵の弾丸速度は意外に遅いため、見てから避けることも可能だ。ただし立ち止まったり袋小路に追い詰められると、途端に四方八方から蜂の巣にされてしまう
パンクスたちの移動スピードはかなり早く、操作感も非常に締まりがいい。敵の弾丸速度は意外に遅いため、見てから避けることも可能だ。ただし立ち止まったり袋小路に追い詰められると、途端に四方八方から蜂の巣にされてしまう
ゲーム開始時の小休止させてくれるエリアすらなく、エレベーターの扉が開くと容赦なく敵が攻め込んでくる。後半のステージになると最初からモンスターハウス状態なんてことも
ゲーム開始時の小休止させてくれるエリアすらなく、エレベーターの扉が開くと容赦なく敵が攻め込んでくる。後半のステージになると最初からモンスターハウス状態なんてことも

『XCOM』風にも見える基地構築やアイテム収集など、ローグライク要素が面倒ではないかと考えるプレイヤーもいるかもしれない。ただ現時点のバージョンでは、これらは単純にパンクスたちを強化する程度の要素に留まっており、ある程度プレイすればどれを強化してどんなアイテムを拾えばいいのかわかってくるだろう。『Bunker Punks』の本質は、自身の腕前で困難なレベルをクリアしてゆく熱いFPSパートにある。

なお『Banker Punks』はサウンド関連にもかなり力が入っており、熱く麻薬的なBGMやハイクオリティなボイスアクトも本作の楽しさに拍車をかけている。

現在『Bunker Panks』はSteam早期アクセスを通じて販売されており、価格は1480円。ゲームの基本部分はすでにほぼ完成しており、2017年春まで各種コンテンツが追加されてゆく予定となっている。スピーディーで熱い戦いが続くFPSに目がないのなら、早期アクセスなど気にせず必ずチェックしておくべきだろう。

バットからショットガンまで武器はなんでもござれ

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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