ストレスが溜まったら町を壊せばいいじゃない!? VRゲーム『特撮体感VR大怪獣カプドン』レビュー

「VR元年」と言われる2016年。カプコンはプラサカプコン吉祥寺店で9月16日から、VRゲーム『特撮体感VR 大怪獣カプドン』を稼働させている。今回は店舗にお邪魔し、HTC Viveと4つのコントローラーを身に着け、大怪獣カプドンとなって暴れてきた。

2016年は「VR元年」と言われて久しい。その最大の要因となるPlayStation VR(以下、PSVR)が先週末についに発売された。すでに各所でそのレビューが上がっており、見る限り概ね好評だ。ただその中で、家庭環境の観点から、体を動かすようなコンテンツは現状スペースの確保や家族の目を気にするとプレイするのが中々難しいというコメントもあった。

「誰にも邪魔されず、スペースにも気兼ねすること無く、思いっきり体を動かしてゲームを楽しみたい!」誰しもが考えるそんな願いを、100%叶えてくれるVRゲーム『特撮体感VR 大怪獣カプドン』(以下『カプドン』)、今回はそのレビューをお届けする。

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プラサカプコン吉祥寺店で9月16日から稼働している『カプドン』。ゲームセンター内に展開され、そのスペースの大きさからカプコンのこのゲームへの強い意気込みが見て取れる。ゲーム会社がVRゲームをアミューズメント施設で展開する、ということ自体は昨今それほど珍しいことではなくなってきているが、『カプドン』がVRゲームとして非常に特徴的なのは、HTC Viveを使いつつも、コントローラーを4つ同時に使用するところだ。

『カプドン』の特徴とも言える足コントローラー。
『カプドン』の特徴とも言える足コントローラー。

通常は両手で持つコントローラー2つのみでゲームを行うが、怪獣には欠かせない「町中を踏みつけて壊す」操作を実現するためにコントローラーを両足にも装着する。

ゲームのコンセプト段階から足にもコントローラーを使うことは決まっていたが、機材の仕様の関係で、足コントローラーはワイヤレス、手のコントローラーは有線という形のプレイスタイルとなっていた。しかし当然のことながら有線接続はプレイ中の自由な動きを阻害してしまうため、特別にHTC社から技術提供を受けて、最終的にはワイヤレス4本でなんとかプレイできるようにしたというのだから、いかに違和感なくプレイヤーが怪獣体験を味わえるようにするか、という点への強いこだわりが感じられる。

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ゲームシステム自体は非常にシンプルで、プレイヤーは怪獣となりフィールドに存在するありとあらゆるものを壊しまくり、囚われた子ども怪獣を助け出す、というもの。ゲームは大きく3つのステージで構成されており、約3分の制限時間の中で全ミッションクリアを目指し、最終的には壊した物の被害総額がスコアとなる仕組みだ。筆者も実際に体験し、約3分間、全身を動かしてみたところ、なんとか無事3ステージを攻略できたものの、プレイ後は汗がじんわり。期待していたよりもはるかに怪獣になることは楽しく、想像以上に体を動かしてしまっていたようだ。

手足をバタバタするだけで、町中を壊して回れるので、いつのまにやら仕草が怪獣じみてくるのはVRならではの体験と言えるだろう。
手足をバタバタするだけで、町中を壊して回れるので、いつのまにやら仕草が怪獣じみてくるのはVRならではの体験と言えるだろう。
手で、足で、火の玉で町を破壊できる。特に踏みつけは、苦労してコントローラーを対応させただけあって、踏んだ地面に亀裂が入ったり、エリア周辺が一斉に衝撃で壊れたりと非常に気合が入った演出が見れる。
手で、足で、火の玉で町を破壊できる。特に踏みつけは、苦労してコントローラーを対応させただけあって、踏んだ地面に亀裂が入ったり、エリア周辺が一斉に衝撃で壊れたりと非常に気合が入った演出が見れる。

 

プレイ後にカプコンAM開発営業部・佐藤健次氏に話をうかがった。

――PSVRも発売され、今後VRゲームの需要も高まっていくと思います。『バイオハザード7』のPSVR対応も発表されていますが、『カプドン』も今後PSVRなどで配信されることはあり得るのでしょうか?

今回の『カプドン』は、バイオハザード7とは別のチームで開発しております。アミューズメントスポットで稼働することが前提のゲームですので、現状はゲーム単体として販売をするような展開は考えておりません。

――3分程度の体験とはいえ、500円という金額は大変リーズナブルに感じました。

ありがとうございます。ひとりでも多くの方にVRを体験してもらいたく思っております。価格につきましても、出来るだけ体験していただきやすいように500円と設定させていただいております。

――キービジュアルとは違い、ゲーム自体はかなりかわいい作りになっていますね。

はい、アミューズメント施設で稼働することもあり、不特定多数の方々、特に小さなお子様がご覧になられても良いようにあえてポップなデザインとさせていただいております。

――確かにお子様にも人気が出そうなタイトルですね。

ゲームのビジュアルもあってか、本当に幅広い方々に体験いただいています。場所柄から、学生もいらっしゃれば、カップルやご家族連れの方もいらっしゃいます。残念ながらHTC Viveの推奨年齢が13歳以上ということもあり、それ以下のお子様にはお試しいただけません。ただそういった場合でも、お父さんがプレイされる様子を、お子様がお母さんといっしょにご覧になられて、楽しまれるケースもございます。

――現状は吉祥寺店のみの展開ですが、今後他のエリアでの展開もありえますか?

まだ先のスケジュールについては決まっていない状況です。ただご好評をいただければ、他のエリアでの展開もあり得なくはないと思っています。

――ありがとうございました。

視界に入るほぼすべてのものを、殴り、つかみ、踏みつけ、火の玉で壊すことができる爽快感は、他では中々味わうことができないストレス発散体験だ。ドラマなどでヒステリーに陥ったキャラが食卓の上の食器を一斉に床にぶちまけるシーンなどを見て「あ、気持ちよさそうだな」と思ったとしたら、『カプドン』を最高に楽しめる素養があるといえるだろう。ぜひともトライしてみてほしい。

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Hideki Nakayama
Hideki Nakayama

仕事柄、イベントレポート記事を書かせていただくことが多いです。ゲームに限らず、エンタメ系イベント全般に顔を出させていただいております。

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