サイコロ街づくりサバイバル『Dice Legacy』先行紹介。ダイスの目がモノを言う短期決戦サバイバル

Ravenscourtは、9月9日に『Dice Legacy』を発売予定だ。対応プラットフォームはPC(Steam・Epic Gamesストア・GOG.com)/Nintendo Switchとなっている。Koch Mediaから提供いただいたPC版のベータバージョンをもとにゲームを紹介する。

Koch MediaのパブリッシングレーベルRavenscourtは、9月9日に『Dice Legacy』を発売予定だ。対応プラットフォームはPC(Steam・Epic Gamesストア・GOG.com)/Nintendo Switchとなっている。ゲーム内は日本語テキストに対応。本稿ではKoch Mediaから提供いただいたPC版のベータバージョンをもとにゲームを紹介する。


DESTINYbitが開発する『Dice Legacy』は、ダイス(サイコロ)を振って未知の大陸を開拓する、街づくりサバイバルゲームだ。文字どおりダイスの出た目に応じてサバイバルの命運が決まる。プレイヤーはリング状の謎の世界(以下、リングワールド)に漂着した統治者となり、民を率いて王国を築くのだ。

また街づくりといっても、半永久的に続くタイプの街づくりゲームではない。世界の奥に隠された秘密を解き明かすことで終了する、短期決戦なサバイバルゲームだ。AIを相手に戦うデジタルボードゲーム的な作品となっている。



ダイスは生きている

ダイスをロールして街を作るといっても、なかなかイメージがわかないだろう。そこで本作におけるダイスの仕組みを簡単に解説しておこう。ダイスをサバイバルゲームのキャラクターやユニットに相当するものだと思えば分かりやすいかもしれない。

プレイヤーは最大12個のダイスを使用できる。ダイスの6つの面には、それぞれ異なる役割が割り当てられている。ダイスは出た目に応じて役割が決まり、フィールド上の適切な場所に配置して資源を集めたり、畑を耕したりできるのだ。たとえばオレンジ色の農民ダイスなら、「労働」や「採集」、「建設」といった用途の目が割り振られている。青色の兵士のダイスなら「戦闘」や「略奪」の目が多い。

ダイスには耐久度が設定されており、ダイスをロールするごとに耐久度が1つ減少する。そして耐久度が0になったダイスは消滅してしまう仕組み。ダイスが全滅するとゲームオーバーだ。

通常、手持ちのダイス(フィールド未配置のダイス)は一度にまとめて振ることになる。だが、場合によっては「農民ダイスだけ振りたい」「耐久度が多く残っているダイスだけ振りたい」といったシチュエーションも発生し得る。そうした際には、ダイスをロックすることで、任意のダイスのみをロールすることも可能だ。ロックしたダイスは鎖がかかり、ダイスのロール対象外となり耐久度は減らず、出た目が固定されたままになる。

ダイスは一度使用すると疲労状態になり、再度ロールするまで使用できない。ダイスを使うには必ずロールする必要があり、耐久度もゲームの進行で必ず減少していくのだ。ただしダイスの耐久度を回復する方法も存在する。「調理場」でダイスに食べ物を与えると耐久度が回復するのだ。つまり、ダイスもご飯を食べないと死んでしまう。また「家」にダイスを2つ配置することで、新たなダイスを生み出すこともできる。住民が結婚して子どもができたという感じだ。



序盤は資源を集めてサバイバル

ここからはゲームの序盤から終盤までのゲームプレイを紹介する。ゲームを始めるにあたってはシナリオを選択。製品版では6つほどのシナリオが選択できるようだが、今回はベータ版用のシナリオ「漂着」をもとにゲームの流れを紹介する。難易度は5段階あり、一番やさしいパシフィストは刺激しないかぎり敵が攻撃してこない。


ゲーム開始後、リングワールドに漂着したらまずは資源を集めよう。フィールド上にはハンマーなどのアイコンが表示されているので、アイコンが一致するダイスを置けばいい。たとえば、木材を集めるには、斧とツルハシのアイコンの目が出たダイスを森へ配置する。またダイスの耐久値を回復する調理場といった施設を建設するには、ハンマーのアイコンの目が出たダイスを配置する。ダイスの作業にはしばらく時間がかかる。

また本作はダイスを振ってプレイするシステムであるが、ゲームはリアルタイムで進行する。ダイスをロールすると時間が進むわけではなく、常に時間が進み続ける点も本作の特徴だ。ゲーム速度は3段階から選ぶことができ、一時停止も可能だ。序盤は各種資源を採集したり、「小麦農場」で小麦を作ったりして時間を過ごそう。「調理場」でダイスを回復するのも忘れずに。


夏・冬という季節の概念があり、ゲーム開始から時間がたつと、じきに冬が訪れる。冬になると、作業に出たダイスが一定確率で凍り付いてしまう。凍り付いたダイスはリロールすることができず、使用不可になってしまうのだ。夏になると自然に解凍されるが、冬の間ずっとダイスが使えないとサバイバルに支障が出てくる。

ダイスの凍結を予防するには「蒸気発生機」を建設して、周囲を温めておくことだ。木材を「蒸気発生機」へ投下すると、一定時間だけ同設備の周りで作業するダイスが凍結しない効果が得られる。また、凍り付いてしまったダイスを解凍する方法も存在する。「醸造所」で夏の間に作った小麦からビールを作成できる。凍り付いたダイスに「酒場」でビールをふるまうと、体が温まって復活するのだ。


また夏と冬の季節の変わり目には評議会が開催される。農民や市民、商人、兵士など各クラスから政策が提案され、プレイヤーはどれか1つを選択する。ダイスを入手したり、資源集めにボーナスを付与したりするチャンスだ。しかし政策が却下されたクラスの満足度は低下する。たとえば農民の満足度が下がって憤慨状態になると、暴動が発生して施設に火を放ち始める。政策決定の場では各クラスの利害を調整するなど、ダイスたちの満足度にも気を配る必要がある。



中盤はダイスを強化

そして冬が終わり夏が訪れる時期になると、大陸の奥の霧の中から侵略者が現れる。彼らは施設に火を放ったり、物資を盗んだりするので見過ごすことはできない。これらの敵のユニットには、剣の目を持つダイスを配置することで対処する。ただし戦闘ではダイスも負傷する可能性があり、ダイスが2回負傷すると消滅してしまう。負傷したダイスは「薬局」で、薬草の資源を使用して治療してあげよう。

中盤以降のゲームを乗り切るためには、ダイスの強化が必須となる。そこで出番となるのが、「強化チャンバー」と「鍛冶場」である。強化チャンバーは、ダイスの出ている目を強化する施設。1回の採集でより多くの資源を集めることができるといった効果が得られる。

「鍛冶場」では「組立ダイス」を作成できる。2つのダイスを組み合わせて、強力なダイスを作る施設だ。組み合わせたダイスは、2つのダイスの目をランダムに受け継いだものになるようで、ユニークなダイスを生み出すことができる。たとえば兵士ダイスと農民ダイスを合成することもでき、組み合わせパターンもさまざま。

さらに「組立ダイス」には、特殊な効果が付与される。効果内容としては、バフとデバフのどちらかがランダムに付与されるようだ。「高地の民」という効果であれば、ダイスの耐久値が無限になる。都合のいい目が出るまで何度でもリロールできてしまう強力な効果だ。逆にデバフが付くこともあり、「柔和」という効果は、耐久値が半分になってしまう。「組立ダイス」によってどんなダイスができるか、前もって知ることはできない。ダイスに右往左往させられる点において本作らしいシステムだ。


次のゲームにダイスを持ち越せる「オベリスク」という施設も存在する。オベリスクにダイスを入れると、「昇華ダイス」となり、次回のゲーム開始時に最初から強力なダイスを使用できるのだ。使い方は簡単で、オベリスクに配置するだけだ。

中盤は霧の奥に向かって開拓を進めながら、商人ダイスで野営地と交易したり、遺跡で宝さがしをしたりして王国を拡大する。また修道士ダイスを作ってダイスに祝福を授けたりと、できることが一気に増える時期でもある。資源を蓄えながら、ダイスの強化を同時に進めていこう。


戦いへ備えよ

リングワールドの奥へ王国を開拓していくと霧が一気に晴れて、「異なる民」の港を発見する。シナリオ「漂着」のクリア条件は、この「異なる民」の拠点である港を破壊することである。港は街の一番奥にある屋敷のような建物だ。

ところが「異なる民」の街を見つけると、それ以降敵がひっきりなしに襲撃をかけてくる。悠長に王国を拡大したり、資源を集めたりする余裕はもはや存在しない。これまで集めた資材や育てたダイスを総動員して、「異なる民」の拠点を早急に破壊する必要がある。


この段階になると、リソースはほとんど軍事にまわすことになるだろう。「兵舎」や「士官学校」でダイスを兵士ダイスへ変更したり、「軍事分営地」を建てることで敵の家を略奪したり、カタパルトで家に火をつけたりと本格的に戦争を仕掛けていく。「異なる民」の塔や小屋を破壊して、最奥の屋敷へ前線を押してゆくのだ。

難易度スタンダードでは、敵の拠点を破壊するには剣の目のダイス18個分が必要になる。所持できるダイスは12個までなので、「強化チャンバー」などで目を強化したダイスが必要だ。たとえば、剣の目をレベル3まで強化した兵士ダイスを6個用意できれば、クリアに必要な条件は満たせる。

そして港を破壊したら、ゲームクリアである。一度ゲームをクリアすると、そのセーブデータはクリア扱いとなり再開できなくなる。オベリスクで昇華ダイスを忘れずに作っておこう。


1周のプレイにかかる時間は4時間ほどとなっている。何度もサバイバルを失敗しながら、ゲームを学ぶことが求められそうだ。またダイスロールにもマップにもランダム性があるため、そのたびに最適なプレイを選び取ることも重要。クリア後も別のシナリオや昇華ダイスを使用して、何度も遊べそうな作品となっている。

『Dice Legacy』はPC(Steam・Epic Gamesストア・GOG .com)/Nintendo Switch向けに、9月9日発売予定だ。

Kaisei Hanyu
Kaisei Hanyu

映画とゲームが大好き。オブリビオンからゲーム人生が始まりました。

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