タクティカルRPG『スターレネゲード』日本語版を先行プレイ。思考力を試すターン制バトルで宇宙帝国の侵略を阻止せよ


DMM GAMESは2021年4月28日に『スターレネゲード』の日本語版を発売する。対応プラットフォームはPC(DMM GAME PLAYER)/PlayStation 4/Nintendo Switch。価格は税込み3,300円の予定だ。本作は次元を超えて侵略をする帝国軍に立ち向かうべく、宇宙反乱軍として敵地に侵攻する、ローグライク要素を含むターン制RPGだ。プレイヤーは最大6体のチームを編成し、マップ上に存在する敵とターン制バトルを繰り広げる。本稿ではDMM GAMESより提供されたPC版でのプレイを基に、ゲームシステムや特徴について簡単に取り上げていく。


まさに「詰将棋」なバトルシステム

本作はマップの自動生成、キャラクターの全滅=ゲームオーバーのパーマデス制度、ターン制バトルシステムといった、ローグライクと定義されるゲーム要素の多くを取り入れており、ビジュアルは精細なドット絵で構成されている。そんな『スターレネゲード』の注目要素はなんと言っても「ランダム要素のないバトルシステム」だろう。もっと言ってしまえば、各スキルが与えるダメージ値が固定化されており、ターンの開始時に敵の次の行動含めてすべて確認できる。つまり、「頭を使えば勝てる」ゲームになっているのだ。「詰将棋」と表現するにふさわしいバトルシステムだろう。


だからと言って、ゲームの攻略が簡単になっているというわけではない。バトルシステム自体は詰将棋のようなものだが、HPとなる「ライフ」以外に「アーマー」、「シールド」という概念が存在し、単純にライフとダメージ値がトレードオフにはなっていない。詳しい説明は省略するが、「アーマー」の数値がダメージを肩代わりするため、パワーでゴリ押すか、先に「アーマー」を削り切るかという戦略性もバトルを通して問われる。


戦闘において、プレイヤーは状況に応じてスキルを選択する必要がある。スキルごとに発動時間が異なっており、ダメージが大きいスキルや、強力な効果を持つスキルは発動に時間がかかる。また敵の攻撃発動を遅らせる効果付きのスキルも存在し、敵の行動順を遅らせている間に連撃を食らわせるといった戦い方も可能。先攻や後攻という概念はなく、敵味方が一つのターンの中でスキルを発動し合う中で、最適解をパズルのように組み上げていく必要があるのだ。

豊富なキャラクターの選択肢も魅力の一つ

戦闘における最適解も一つではなく複数存在する。というのも、プレイヤーは13のクラスから数体をパーティーとして選択する必要があり、このパーティーの組み合わせが無数に存在するのだ。もちろん数学的には有限だが、それでもゲームの攻略を考えると膨大な数の選択肢があるのは事実だ。このクラスもすべてが異なる役割を持っているため、プレイヤーはお気に入りの戦法で戦えるキャラクターを選択したり、敵の弱点を撃つことができるキャラクターで固めたりといった戦術を取ることができる。


敵を倒したり、夜の時間を過ごすキャンプでアイテムを使用したりすることでキャラクター同士の親睦値が上がると、キャラクター専用のさまざまなアビリティがアンロックされる。また、親交が深いキャラクター同士は恋愛関係に発展することもある。キャラクターの背景がしっかりと用意されていることも、本作の優れた要素の一つである。

また、味方と同様に「敵が成長する」のも本作における注目ポイントだ。帝国軍は複数のベヒーモス(ボス格)および将校で構成されており、大ボスとなるオーバーロードを倒すには、先にベヒーモスを倒さなければならない。また将校クラスの敵は、通常の敵よりも強いものの、戦って勝利すれば強力なアイテムが得られる。逆に将校に敗北した場合、将校が戦闘のデータを記憶し能力が強化される。つまりプレイヤーが将校に負ければ負けるほど将校が成長・昇格して強くなるということだ。戦闘システムにランダム要素がない分、通常のRPGだと変更されることがない敵の仕様に変化を加えているのが面白いところだ。


マップギミックも注目

本作では複数の惑星を訪れることになる。各惑星のマップは、複数のマップブロックに分かれており、ブロックを移動する際に接敵して戦闘が発生する仕様となっている。ブロックには敵のほかに、キャンプで使用できるカードが手に入る「フードディスペンサー」や、キャラクターのレベルアップに必要なDNAが採取できる「DNAのタンク」、ランダムに武器が入手できる「帝国のテクノロジー」などが用意されている。

また、1日の行動回数が決められており、新しいブロックに侵入する回数が制限されている。一定日数が経つか、ボスエリアに突入すると、ベヒーモスとの戦闘が始まる。限られた行動回数内で、どのブロックを通り、どのアイテムを回収していくのか吟味しながら進めていくのだ。なお惑星を探索していると、ダンジョンが見つかる場合もある。ダンジョン内のマップは、いくつか道が枝分かれしており、一度通過した部屋には戻れない仕様。次の部屋で何が待ち構えているのかは事前にわかるため、ほしいアイテム、避けたい敵などを考慮しながら、攻略していくのだ。

癒し(?)要素もあり

物語は序盤からクライマックスかのような展開で始まり、BGMもマイナー進行のものが多く、なかなかに不安な雰囲気が漂うが、本作にはちょっとした癒し(?)要素がある。ゲームオーバーを迎えるとプレイヤーは酒場でリスポーンする。酒場では解放済みのキャラクター同士の他愛のない会話が見られるほか、インタラクト可能な対象として“犬”が存在する。この犬は他のキャラクターと異なりマウスポインタを合わせると「犬をなでる」という表示が出現し、そして一度だけでなく何度もなでることが可能になっている。そしてなでるたびに「犬が喋る」のだが、このセリフがなかなかに面白い。プレイヤーと犬、この両者の間だけで物語を一つ完成させるこだわりに感服した。この要素ばかりは実際に本作をプレイして確認してもらいたい。

「触るな」と言われたら触りたくなるのが人間なのだ


慣れないとなかなか難しいバトル

本作を遊んでいてまず感じたのは、チュートリアルがかなりしっかり作り込まれていることだ。戦闘の流れのなかで説明が入るのだが、かなりの文量で戦闘の基本を学ぶことができる。説明もテキストだけではなく画像付きのため直感的に理解しやすく、初心者にとっては非常にありがたい仕様。ただ、本作のチュートリアルはぜひともターン制RPGやタクティカルRPGの猛者にもしっかりとこなしてもらいたい。というのも、本作の戦闘仕様が特殊で、かつ作り込まれているからだ。筆者は初見の攻略時に、最初のマップのボスすら倒せなかった。その程度の難易度にはなっている。

敗北時にスコアが表示される


総評として、完成度の非常に高いターン制タクティカルRPGであると言えるだろう。似た系統の作品はごまんとあれど、その作品群の中で埋もれないだけの個性がある。「パズルのよう」「詰将棋のよう」と評すに相応しい戦闘システムは人を選ぶうえに慣れも必要だが、その慣れの山場を越えれば、長期間楽しめるゲームだと言える。今まで似たようなゲームジャンルに触れてこなかった方はもちろん、幾度となく触れてきた方にとっても、なかなか楽しめるゲームになっているのではないだろうか。

タクティカルRPG『スターレネゲード』の日本語版はPC(DMM GAMES)/PlayStation 4/Nintendo Switch向けに4月28日発売予定だ。