スクエニがおくる異星ハクスラARPG『アウトライダーズ』試遊レポート。超人的スキルを駆使して戦うダークSFシューター
『OUTRIDERS(アウトライダーズ)』は、スクウェア・エニックスの海外タイトル専用レーベル「SQUARE ENIX EXTREME EDGES」から発売される、TPSとRPGを融合させたCOOPシューティングゲームだ。開発は『Gears of War: Judgment』や『Bulletstorm』の開発経験を持つPeople Can Flyが担う。オンライン開催となったTGS2020に合わせ、万全の感染症対策の中で行われたメディア向け体験会で、一足先に試遊をすることができたので、本作の魅力をお伝えしていく。
*日本発売決定アナウンスメントトレーラー
本作は、最大3人のCOOPプレイが可能で、『ディビジョン』や『Destiny』シリーズに近いルートシューターシステムと、超人的なスキルを駆使したアクションを組み合わせたプレイスタイルが大きな特徴だ。PC(Steam)/PS4/Xbox Oneだけでなく次世代機(PS5/Xbox Series X|S)版の発売も決定している。日本においても今冬発売予定。
今回のPS4を用いた試遊では、プロローグ直後を起点とし、30分程度プレイすることができた。キャラクター作成後、クラスを選び(筆者はパイロマンサーを選択した)、実戦を伴うチュートリアルを兼ねたようなステージを抜け、最初の街でいくつかのカットシーンを経て、最初のステージの途中まで進んだところでタイムアップ。操作方法は、他のTPSのように覗き込み(L2)や近接攻撃(R3)といった馴染み深いものだが、L1/R1/L1+R1の3つに後述のスキルが割り当てられているのが特徴的だ。
※本記事で使用している画像・動画は開発中のものであるため、日本の製品版とは表現に差異がある可能性がございます
ダークSFとユニークなクラス
荒廃した地球を後にし、新たな新天地を求め人類が降り立った惑星「エノク」。ところが時空の歪みや頻発する電磁波により状況は一転、精密機器は使えず、謎の能力に目覚める者もいる中、僅かに残った資源を巡って、人間同士の争いが続いている。そうした絶望的な世界が、本作の舞台だ。試遊の中で歩いた街(拠点)でも、漂う陰鬱とした空気や、人々の苛立ちといった混沌が伝わってきた。
そんな中で主人公は、30年間のコールドスリープから目覚め、目の前の状況に困惑するところからスタートする。プレイヤーと同じように、主人公も暗中模索の状態のため、ハードなSFの世界に対しても抵抗なく入り込めるだろう。また、収集要素として、地球滅亡に至る背景を描いたデータログをドキュメント形式で集めることもできる。
キャラクター作成は、肌の色や髪型、髭など、オーソドックスながら個性を出すには十分な要素が用意されている。カットシーンでは装備している武器や防具も含め、キャラクターの見た目が反映される。キャラクター作成後は、以下の4つのクラスから1つ選択することになる。なお、1度作成したキャラクターのクラス変更は不可だが、キャラクター間で装備は共有可能となり、最大6キャラクターまで作成することができる。
超人的スキルによる高いアクション性
本作について何よりお伝えしたいのは、このゲームはルートシューターではあるものの、同ジャンルの他作品とは違い、シューティングを最大の軸として捉えていないということだ。本作のバトルは、銃・スキル・近接攻撃の3つが上手く同居している。基本的な攻撃は銃で行うものの、スキルと近接攻撃の存在感はかなり大きい。
それぞれのクラスは最終的に8つのスキルを取得し、そのうちの3つを、プレイヤーが自由に割り当てることができる。筆者が選択したパイロマンサーは、4つのクラスの中でも特に攻撃的なクラスで、炎柱を前方範囲に繰り出すスキルや、炎をまとった近接攻撃、更にはダッシュ中に近接攻撃ボタンを押すと、地面を殴り衝撃波で炎波を放つ強力な範囲攻撃へと繋がるアクションが用意されている。
これらを駆使し、弱った敵を銃で倒したり、逆に銃で削った敵を近接攻撃で消し炭にしたりと、ただ銃を撃つことに留まらないアクション性は大きな見どころだ。ちなみに、三人称視点で銃を撃つ感覚や、遮蔽物へのカバーリング、腰にくるようなズッシリとした射撃音は、同スタジオの過去作を想起させる。
*パイロマンサーの初期スキル使用例。炎をまとった強力な攻撃
そのアクション性を大きく底上げしてくれるのが、独特の回復システムだろう。本作には回復アイテムが存在しない。クラスごとに回復手段は異なり、パイロマンサーの場合、炎状態になった敵を倒すことで体力が回復する。物陰に隠れて撃ち合うだけではなく、積極的にスキルや近接攻撃を当てていくことが、攻略の要となってくる。攻撃による直接的な回復は、アグレッシブなバトルが楽しい、同スタジオの過去作を思い起こさせるものがあるだろう。
なお、体力の3分の1までは自動回復があるので、本当にピンチになった場合はカバー(遮蔽物の側で×ボタン)すれば良い。ただ、プレイヤーに向かって突っ込んでくるタイプの敵もいるので油断は禁物だ。ちなみに、防御に特化したクラス「デバステーター」は、近距離にいる敵を倒すと体力が回復するという。このようなシューティングゲームだと、敵陣に突っ込むことが御法度とされることが多いが、デバステーターであれば、ガンガン前に出て戦うのが最適解だろう。
また、プレイヤーと同様にスキルを放ってくる敵もいる。敵キャラのスキルは詠唱ゲージが頭上に表示され、その隙を狙って攻撃すると、詠唱を中断させることができ、難易度の高いボスの場合、攻略の大きな鍵になるだろう。
難易度は15段階、ルートシューター的側面
本作には「World Tiers」と呼ばれる、15段階の難易度が用意されている。これは敵を倒したり物語を進めたりすることによって上がっていき、高ければ高いほど、良いアイテムがドロップするという、わかりやすいシステムだ。Tier 2でも油断すると簡単にピンチになったので、それなりに歯ごたえのあるバトルになりそうだ。Tierは自由に設定することができ、カジュアルに遊ぶことも可能なので安心してほしい。ドロップするアイテムは武器と防具(頭・腕・胴・足・靴の5つ)。マルチプレイの際はプレイヤーごとにアイテムがドロップするため、プレイヤー間の奪い合いは発生しない。
また、レベルアップで得られるクラスポイントを消費して、スキルツリーを拡張していく要素もある。武器のブレ抑制やスキルのクールダウンなど、バトルに関わるものが用意されていて、プレイスタイルに合わせた自分だけのキャラクターを作成することができる。ポイントの割り振りをリセット可能なのも嬉しいところ。
クリアまでの想定プレイ時間は30~40時間。サイドミッションまで含めると50〜60時間程度とのこと。同ジャンルの中では物語クリアまでのボリュームは多いと言える。クリア後に気になるエンドコンテンツについては、高World Tierの攻略のほか、エンドコンテンツ専用のサイドミッションが用意されているそうだ。
短い試遊時間の中ではあったが、従来のルートシューターに比べ、アクション性が高く、プレイの幅が広がっていること。また、近未来を舞台にしつつも、最初のうちは最新鋭の機器が使えないといった独特の世界観が魅力的にゲームに落とし込まれている印象を受けた。これから日本向けの情報発信が進んでいくということで、今後の情報も要チェックだ。『アウトライダーズ』は、PS5/PS4/Xbox One/Xbox Series X|S//PC(Steam)向けに、今冬発売予定だ。