DMM GAMESは、『Atomicrops(アトミクロップス)』を国内向けに9月17日に発売する。対応プラットフォームはPS4/Nintendo Switch/PC。価格は税抜2980円。本作は畑を耕し、作物を育てて売却。農業を共にするパートナーを見つけ、自身の農園を拡張していく2Dアクションゲームだ。「農業」と聞くと、ほのぼのしたスローライフをイメージするかもしれない。しかしながら本作では、スピードと効率を追求する“ファーストライフ”が求められるのだ。本稿では、DMM GAMESより先んじて提供いただいたPC版をプレイのもと、その全貌に触れていきたい。
『アトミクロップス』の舞台は、文明が滅びたポストアポカリプスな世界。都会から田舎に移住し、のんびりと農業生活をはじめようとしたプレイヤーだったが、突如辺りが大爆発。廃れた荒野で 運よく生き残ったプレイヤーは、叔父が残してくれた農園周囲を開拓して汚染された種子を入手。畑で奇妙な作物を育てて生き残った人々に提供していく。荒廃した世界には、貴重な作物を狙うミュータントたちが蔓延っている。クワでなく、銃器を片手に邪魔者を殲滅することも不可欠だ。
本作の大目標は、春から冬までの1年間を生き延びる事。季節は3日間で移り変わり、日中と夜でもゲームサイクルが切り替わる。日が沈むまでの2分間は、畑を耕して作物を育て、新たな種やアイテムを得るために周囲を探索していく。夜になるとミュータントの活動が活発に。入手した種を撒きつつ、わらわらと襲撃してくる邪魔者を蹴散らしていく。無事夜が明ければ、迎えのヘリに乗って町へ戻ろう。育てた作物を売却して得た資金で物資を調達。その後ヘリに乗って農園へと戻り、眠ることなくせわしない1日をスタートさせる。
ゲームを開始したら、まずはチュートリアルモードに触れるのがおすすめだ。作物を育てるためには「雑草を刈る」「畑を耕す」「種まき」「水やり」のアクションを行う。すべてのアクションはワンボタンで行えるため、操作方法に悩むことはないだろう。育てられる作物の種子は、大きく分けて種と苗木の2種類。種から育てた作物の収穫は一度きり。苗木から成る実は、樹木が消失するまで何度でも収穫できる。種子の入手方法は町で購入するほか、探索で入手したり、収穫時に入手できたりとさまざま。種にはレアリティも存在し、高値で売ることができる収穫物の目安となる。運営資金を豊かにするためには、レアリティの高い種や苗木を入手していきたい。
種を植える際に心がけたいのが、同じ種類の種はできるかぎり隣接して植えるべきであるという点だ。具体的には正方形の2×2マスに種を植えた後、ミュータントが落とす臭い肥料を与えることで汚染された作物が集結。巨大サイズの顔付き作物が誕生する。ピョンピョンと飛び跳ねる、細やかなピクセルアートで描かれたちょっぴり奇妙な姿は見た目としても楽しい。この巨大作物は、通常サイズのものよりも高値で売却できるのだ。同種類の種と肥料をかき集めて巨大作物の収穫も狙っていこう。
なお、連続して農作業をした場合に画面下部の青ゲージが溜まっていく。青ゲージが最大まで溜まると「ハッスル状態」に。ハッスル状態になると、農作業のスピードが大きく上昇するので覚えておこう。
種子の入手や作業効率の向上を図るためには、農園周囲の探索が欠かせない。農園の東部には森林エリア、西部には砂漠エリアがあり、初日から探索に出かけられる。各エリア内には多くのミュータントが巣食っており、プレイヤーを見つけると容赦ない攻撃を浴びせてくる。こちらも銃撃で応戦することになり、敵味方の銃弾が飛び交う弾幕の厚いツインスティックシューターが楽しめる。操作キャラクターには体力となるハートが割り振られており、敵の攻撃を受けるとハートが1つ減少する。体力回復アイテムは用意されているものの、取得できる機会は少ない。また体力が最大の場合に回復アイテムを複数回取得すると、体力上限が上昇する。よって、できる限り被弾しないような立ち回りを心がけたい。
探索エリア内には多数の敵キャンプが点在。各キャンプの敵をすべて一掃することで、さまざまなアイテムが入手できる。種子をはじめ、騎乗することで移動速度が上がる馬や、作物に水やりをしてくれる牛などの家畜。雑草を刈る速度が上がる草刈り機や、水やりの速度が上がる水鉄砲などのパワーアップアイテム。すべての作物に肥料をやるブラッドモンスーンや、耕作できる畑を広げて耕すアースクエイクなどの強力なスキルを発動できる消失アイテムの巻物。そして、広いエリア内の作物すべてに水をやるスプリンクラートラクターや、敵を引きつぶして肥料に変える粉砕トラクターといったトラクターが用意されている。
本作では多くの種類のアイテムが存在しており、何を入手できるかはランダム。キャンプによっては複数アイテムから報酬を選択できる場合もあり、好きな能力を伸ばすことが可能。これらのアイテムによって、バランスよく能力を伸ばす、戦闘に特化させる、農作業に特化させるといったように、好みのキャラクタービルドに近づけていこう。
日が沈んで夜になると、ウェーブ制の防衛パートに移行。日中はポツポツと農園周りに出現するキモかわいいミュータントたちが、作物を狙ってわらわらと押し寄せてくる。もしそのタイミングで探索をしている場合も、急いで農園に戻りたい。遠出する際は農園へ戻る時間も考慮しておこう。探索エリア内には瞬時に農園に戻れるワープ穴も存在するため、見かけた場合は活用したい。
ゲームスタート時の季節となる春には、直線状に弾を放つウサギや作物を狙って這うスライムがやって来る。数は多いが、飛んでくる弾はまばら。しっかり避ければノーダメージで防衛も可能だろう。季節最終日の3日目になると、怪しげなメロディとともにボスもやって来る。攻撃を集中させ、大量の肥料を手に入れよう。なお、防衛中も作物を育てることは忘れずに。
敵のウェーブは季節の移り変わりによって激化する。スナイパーライフルや爆弾を持ったウサギ、群れを成してやって来る虫が現れ、弾幕が激しくなる。初期武器では対処しづらくなってくるため、武器の強化も重要だ。インターバルとなる町には、白ニンジンライフルや肉屋のナイフ、弾の代わりにリスが飛び出す銃器など、バリエーション豊かな武器のなかから2種類が日替わりで並ぶ。作物の売却資金で武器を購入し、資金に余裕があればアップグレードすることもできる。ただし、武器は1日で壊れてしまうので計画的に行いたい。
季節の最終日に町を訪れた際、町長から今期の収穫が評価される。高評価を得ると、回復アイテムや探索範囲を広げる橋修理キット、バラや豊饒のツノが貰える。バラは街の住人とのアイテム交換に使用する。種を入手すれば畑から収穫することもでき、街の住人に渡していくことで好感度が上がっていく。親交を深めることで、結婚することも可能だ。パートナーになれば、農作業を手伝ってくれたり、一緒に探索に出かけることもできる。共同作業になれば、おのずと作業効率がグンとアップする。
豊饒のツノは、引き継ぎ要素を解放していくためのアイテムだ。本作はパーマデス方式になっており、途中で力尽きればプレイ内容がスコア形式で評価された後、最初からやり直しとなる。引継ぎ要素は追加の種を持ってスタートしたり、ハッスル状態になるための作業数が減るものなどがある。どうしても途中で力尽きてしまう場合でも、要素を解放していくことでクリアが目指せるだろう。また本作のプレイキャラクターは、初期状態はラベンダーのみが選択可能だが、ゲームを進めることで3人のキャラクターが選べるようになる。それぞれ能力ボーナスに差異があるため、得意な戦略にあったキャラクターを見つけてみよう。なお一度クリアした後には、段階的に構成される高難度モードにチャレンジすることも可能だ。
以上のように、本作は農業・探索・防衛の3要素によるゲームサイクルで形成されている。のどかな農業をテーマとする他作品とは異なり、少々不気味ながらも可愛らしいビジュアルで描かれる独特な世界観と、タスク管理が重視されるファーストライフな作風は非常に独創的といえる。キャラクターの能力ボーナスや出現アイテムのランダム性によって、繰り返しプレイする度に異なる経験が得られる。ハイスコアを目指していく本作の醍醐味も見えてくるだろう。
『Atomicrops(アトミクロップス)』は、PS4/Nintendo Switch/PCにて9月17日に国内発売予定だ。