ワンコインで遊べるローグライク風の2D脱衣アクション『Dragon Knight』早期アクセス版を紹介
ワンコインで2Dハクスラアクション、ローグライク風のゲームプレイ、そして女性キャラの脱衣。この3つに対する欲求を満たしたい。そんな願いを叶えようとしているのが『Dragon Knight』である。とはいえ、現時点ではその全てに成功しているとは言い切れない。小規模デベロッパーのSakura Gameにとって初のアクションタイトルということもあり、荒っぽさは目立つ。それでも398円という価格設定(早期アクセス中に限る)と、今後予定されているコンテンツの追加量を踏まえると、ポテンシャル採用したくなるだけの魅力があるのだ。
端的にいうと、本作は「ハクスラ x ローグライク」系タイトルに脱衣要素を付け足した2Dアクションゲームである。プレイヤーが操作するのは巨乳の見習い竜騎士。一人前の竜騎士(ドラゴンナイト)になるため「試練の道」へと旅立つ。初期装備の時点ですでに露出度が高い彼女は、一定のダメージを受けると胸元がピンポイントではだける。他の部位も破れはするのだが、胸元だけ綺麗さっぱり布が吹き飛ぶのだ。まるでモンスター側もその一点に狙い澄まして攻撃しているかのようである。そうしてあらわになったバストを揺らし、頰を赤らめながら『モンスターハンター』シリーズにインスパイアされたというモンスターたちを蹴散らしていく。
脱衣アクション、『モンスターハンター』から影響を受けたモンスターデザイン、さらには「おにぎり」「寿司」「ラーメン」というレトロな和製2Dアクションを連想させる回復アイテム。このように『Dragon Knight』は和ゲーへの愛情がいびつに絡み合った作品なのである。ひとつひとつの要素に目新しさはないが、その組み合わせ方からほんのりとした独自性が生まれている。ちなみに、お色気要素はあれど美少女RPGの名作『ドラゴンナイト』との関連性はない。このままタイトルを変更せずに正式リリースまで持ち込むのか気になるところではある。
おもえば国産タイトルに限らず多くの韓国産MMORPGでも見られるように、ハクスラとお色気というのは相性が良い。「ハクスラ x ローグライク」に脱衣を組み合わせるというのは合理的な判断だろう。ローグライク要素としては、マップの組み合わせや、敵・アイテムの配置がランダム生成となっている。武器・防具のステータスもランダムだ。1エリアにつき、ザコ敵の群れと戦うステージが7つから8つあり、エリアの最後には大型ボスが待ち構えている。道中で息絶えた場合はコンティニューできず、スタート地点からやり直しとなる。ゲームオーバーになれば集めた消費アイテム、武器、防具、お金を失い、経験値(ドラゴンソウル)だけが手元に残る。こうしたゲームプレイの基本部分については2Dアクション『Rampage Knight』『Lost Castle』から影響を受けたという。
基本操作は通常攻撃、特殊攻撃、ジャンプ、横ダッシュ、スキル発動、アイテム使用の6つ。ダッシュ攻撃、ジャンプしてからの振り下ろし攻撃もある。プレイヤー側の攻撃でよろけない敵に対しては、背後に回るための横ダッシュを多用することになるだろう。キャラクターの動きについては、2Dイラストを関節単位で動かす形式のスプライトアニメーションとなっている。紙人形のようで少々動きがぎこちないものの、攻撃時のビジュアル・サウンドエフェクトによりカバーされている。操作のレスポンス自体はよいので戦闘がストレスフルにはならない。どちらかというと、武器のモーションやモンスターの攻撃パターンに限りがあり、戦闘が単調になりがちなことが気になる。これについては正式リリースまでに装備品が200種、モンスターが40種にまで増える予定だ。期待はできる。また本作はキーボード/コントローラに対応しているが、ボタンレイアウトを変更できない点は不便に感じるかもしれない。
おもなゲームプレイのループとしては、敵を倒し宝箱を開け、装備を整えてボスに挑む。それを全エリアをクリアするか死亡するまでリピートする。ゲームオーバー後は敵を倒して得たドラゴンソウルを消費することで各種スキルを強化し、再度試練に挑むという流れである。全体的なアクションの難易度は低めだが、大型ボスに関しては攻撃パターンを観察した上でカウンターする必要がある。なお『モンスターハンター』というワードに惹かれた方は注意が必要だ。影響を受けたのはあくまで一部のデザインであり、ゲームプレイの本質は大きく異なるからである。素材を集めて武器・防具を強化するといった収集・クラフト要素はない。
武器・防具のステータス値は体力、攻撃力、防御力、移動速度、クリティカル率、特殊スキルのクールダウン速度の6つ。いずれもランダムで決まるが、レアな武器・防具ほど高ステータスが期待できる。レア度が高ければ、それだけデザインも派手になる。特殊スキルについては、武器であれば「竜巻」「ファイアボール」「バリア」といった必殺技、防具であれば「状態異常耐性」や「アイテム発見率」といったパッシブ効果が付与されている。武器の種類は片手剣、大剣、双刀、ハンマーなどに分かれており、それぞれ攻撃モーションが異なる。武器の入手元である宝箱や鍛冶屋NPCは頻繁に登場するため、好みの系統の武器を手にいれるのは難しくない。
プレイ回数を重ねながらプレイヤーキャラクターを強化し、よりダンジョンの奥深くへと進めるようになるのはローグライク系の醍醐味でもある。本作ではドラゴンソウルの消費によりレベルアップしていくスキルツリーがその役割を担っている。スキルには基礎ステータス値の強化、コンボ時のダメージ増、脱衣後の攻撃力アップ、販売アイテムの価格ダウン、宝箱内のアイテム増などクリアを容易にするスキルが計24個用意されている。ただしアンロック要素はスキルツリーしかない。スタート時の初期装備も選べず、RPGとしては寂しい。
また脱衣要素の雑さも指摘しておきたい。『閃乱カグラ』『一騎当千』といった脱衣の美学とアクション性を兼ね備えた近年の国産タイトルに触れてきた方ならば尚更だろう。本作では服が徐々に破れていくのではなく、「ゼロか百か」なのである。他作品の脱衣KOで見られるような絶妙な露出具合はなく、胸元だけがポロリと全開になる。実にからっとしたエロスなのだ。
このように早期アクセス版には不満に思う点も多い。だが開発者は数週間ごとの定期アップデートを約束しており、徐々にコンテンツが増えつつある。ジャンプ後の振り下ろし攻撃やダッシュ攻撃といったコマンドも早期アクセス開始後に追加されたものであり、アクションの磨き上げも並行して進んでいることが分かる。現時点では大型ボスが2体と少ないが、正式リリース時には計12体を予定している。先述の通り装備品・ザコ敵の種類も増えるということで、「ハクスラ x ローグライク」系タイトルとして重要なリプレイ性は高まっていくだろう。低予算タイトルだからといって無下にはできないポテンシャルを秘めているのだ。
なおゲーム内のテキストや定期アップデート情報は日本語でも提供されている。翻訳ソフトを使っているためか和訳は完璧ではないが、内容を理解するには十分だ。