『PUBG』には「100人のバタフライ・エフェクト」がある。独自の“観る楽しさ”を国内唯一のカスタムサーバー管理者ShoboSuke氏に聞く

今回はTwichを活動拠点にしており、なおかつ現状日本で唯一カスタムサーバー権を所有、さらにユーザー大会「DONKATSU CUP」を主催しているライブストリーマーShoboSukeさんをお迎えし、全『PUBG』プレイヤーの目標である「ドン勝」を食しながら、『PUBG』の持つさまざまな魅力、特に『PUBG』を観る楽しさについてお話を伺った。

Steam早期アクセスを通じて3月に発売されて以降、実売、知名度、接続人数において多くのゲーマーを驚かせ続けている『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、『PUBG』)。発売から16日間で100万セールスを記録、さらには9週間で300万セールスを達成したことがアナウンスされ、同時接続人数は20万人を記録した。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いバトル・ロワイアル(以下、バトロワ)系ゲーム『PUBG』。今回はTwichを活動拠点にしており、なおかつ現状日本で唯一カスタムサーバー権を所有、さらにユーザー大会「DONKATSU CUP」を主催しているライブストリーマーShoboSukeさんをお迎えし、全『PUBG』プレイヤーの目標である「ドン勝」を食しながら、『PUBG』の持つさまざまな魅力、特に『PUBG』を観る楽しさについてお話を伺った。

ライブストリーマーのShoboSuke氏と会食。ドン勝とは、ゲームで最後まで生き残った際に表示されるメッセージ「勝った!勝った!夕飯はドン勝だ」というメッセージから。今回は開発スタジオBlueholeの拠点である韓国に従い、韓国風の薄い「Donkatsu」とエナジードリンクを用意

 

バトロワゲーム・ラブな配信者

――ShoboSukeさんが配信を始めたのはいつごろからですか。

ShoboSukeさん
配信を始めたのは8年前ですね。その当時はTwitchはまだ無くて、ニコニコ生放送が始まったばかりでした。ちょうど実況者の人たちが動画をアップし始めたころで、僕はしゃべることとゲームをすることしか取り柄がなかったので、これしかないと思って始めたのがきっかけです。その頃に動画をアップしていた配信者や実況者は、みんな今では大学に行ったり社会人になったりしているなか、僕はなぜかずっと今も配信を続けているという感じですね。父が外国人と仲良くなるのが得意な人で、その姿をずっと見続けてきた影響で、自分も外国人の方と交流したいなと思って2015年ぐらいにTwitchを始めました。半年ぐらいでTwitchパートナー(※)になっています。

※Twitchパートナー: Twitchとパートナープログラムを結んだ配信者のこと。申請して受理されると、Twitch上で広告収益などが認められるが、ある程度の視聴者数や配信頻度が求められる。

――今現在、『PUBG』のカスタムサーバー権を国内で持っているのは、ShoboSukeさんだけですよね(編集部注釈: 2017年6月現在、『PUBG』ではカスタムサーバーの管理権は一部のプレイヤーにしか与えられていない)。

ShoboSukeさん
そうですね。『H1Z1: King of the Kill』という別のバトロワゲームがあるんですけど、Steam早期アクセスの販売が始まった日に買ってからずっとやり続けて、その半年後ぐらいから勝手にユーザー主催の大会を開いてました。それを続けていたら、『H1Z1』のカスタムサーバーを貸してあげるよという話が運営の方から来たんです。カスタムサーバーを借りることができたので、もっと大きい大会を開いていたら、「『H1Z1』の大会をやってるということは、日本のバトロワ系ゲームのコミュニティーリーダーでしょう」という認識をいろんな人からしていただいたんです。その流れで、『PUBG』のクローズドアルファをあげるから遊んでみてって言われて、キーを10本ぐらいもらって。それを友達にあげて遊びながら、その感想をフィードバックしていたんです。春ぐらいになったら、カスタムマッチを作れるカスタムサーバーがあるんだけど、欲しいんだったらあげるよという話をいただきました。

――開発側から話をいただいていたんですね。

ShoboSukeさん
そうですね。とにかくバトロワゲーが本当に好きで、『H1Z1』で大会を開いてなければこういう結果にはならなかったと思います。僕が初めてバトロワゲーム始めたのは、『Minecraft』のなかの「Hunger Games(現Hardcore Games)」なんです。『Minecraft』のPvPマルチプレイサーバーの1つで、150人ぐらいが1つのマップに集まって1人になるまで殺し合う。もちろん「Hunger Games」には『Minecraft』の要素がいろいろあるんですけど、一人だけが最後に残るラストマン・スタンディング形式というコンセプトは『PUBG』と同じですね。2012年から2013年の当時、これがとても面白くて、僕は自分で「HungerGameMixer」っていうサーバーを作ったんです。PVも作ったんですよ。

ハンガーゲームズミキサー ~HungerGamesMixer~ PV

ShoboSukeさん
僕はみんなに好きなものを知って欲しい、やって欲しいという気持ちがすごく強い。だから、やっと今みんながバトロワゲームの面白さを知ってくれてうれしいです。

 

100人から最後の1人を目指す『PUBG』

――ゲーマー層では流行している『PUBG』ですが、一般認知度はまだまだ高くないと思いますし、ゲームを動作させるための要求スペックも高いです。「やりたいけどできない」「良く知らない」という方に向けて、あらためて『PUBG』がどんなゲームなのか説明していただけますか。

ShoboSukeさん
簡単に言うと、100人のプレイヤーが逃げられない島に一緒に降ろされて、最後の1人になるまで生き残るゲームです。それぞれ降りた場所でアイテムを回収したり互いに戦ったりして、徐々に狭まっていく行動範囲の中で動いていく。最後の1人になるまでは隠れてもいいし、敵を倒してもいい。限られた時間とリソースの中で隠れるか、やり過ごすか、人を減らすかという選択肢に迫られながら生き残っていくわけです。最後の1人のみが優勝で、倒された場合は最初から100人でやり直し。ある意味では、ローグライク的な要素も入っていますね。毎回マップは同じですけど、アイテムの配置は全部違いますし、もちろん敵は人間なんで毎回違う行動を取る。パルスによって制限されるエリアも違いますし、事前に予測も立てられない。なので、ゲーム内では流動的に「ここが強い場所だろう」とか「この動きが効率的だろう」とか考えながら動いていく。

開発者である「PLAYERUNKNOWN」氏が映画「バトル・ロワイアル」の大ファンということで、ゲーム内の壁に書いてある日本語は映画の台詞が多く使われている。

――同じマップなのに、毎回すべてが違いますよね。

ShoboSukeさん
はい。町中が最終地点になると、激しい市街戦になります。平原だったら何も遮蔽物が無いので、みんな這いつくばって微妙な角度の稜線(りょうせん)でじわじわと戦うことになります。麦畑が最後のエリアになったら、全員麦畑で隠れているなか、先に音を出した方が負ける状況になることもあります。セーフゾーンは最終的にはなくなるので、最後は必ず1人になる仕様になってます。

――結果的には逃げ場はない上に、時間切れも狙えない。

ShoboSukeさん
伏せているだけだとどうしようもないので、どこかのタイミングで動かないけどいけない。マップのどこかで常に駆け引きが起きていて、同じことの繰り返しに見えて、展開がぜんぜん違います。最終的なセーフゾーンの場所が違うだけでも、もう違うマップみたいなものなので。

それと、手が震えるほどの緊張感が味わえます。それこそ人生で経験したことのないほどの緊張感が襲ってくる。最初なんてすぐ死ぬんで、死んでやり直して死んでやり直してと緊張せずにプレイできるんです。でも最後の方まで生き残ると、ローグライクゲームの最終局面に近い緊張感があります。たとえば「何十戦して、最後までやっと残った。残った相手は5人。でもその中で1人にならないと、またやり直し」という状況ですね。1位しか価値がいないので、1位じゃないと意味がない。2位じゃダメなんですよ。1位じゃないと。

――2位じゃダメ。

ShoboSukeさん
1位じゃないとWinのカウントが記録されないので、2位だと先に死んだ人たちと同じLoseになってしまうんですよね。試合が終盤に差し掛かるにつれて、どんどんストレスが溜まっていく。「死にたくない、なんでこんなとこにいるんだ、やばいやばいやばい」って状況のなか、なんとか勝つことができると、そのストレスや緊張感から全て解放される。それがエクスタシーになるみたいな。失敗を多く経験しているからこそ、成功した時の喜びがすごい。1回でもドン勝を経験すると、ドン勝から逃げられなくなる。

――確かに。100人で1人しか嬉しくない仕様って、一見すると不親切ですけど、リトライの軽さがあればそれが中毒性になるポイントですよね。

ShoboSukeさん
死んだら戻ってスタートを押すだけ、リトライ性の良さは非常に大事ですよね。今のはソロの話なんですけど、デュオとスクワッド(2人、4人チーム戦)はまた違うんですよ。ほかの人が言っていた表現なんですけど、毎回が修学旅行みたいなもので、遺跡に行って観光しながら、敵が出たら戦いが始まる。修学旅行の枕投げに近いですよね。終盤になってパルスのサークルが縮まってくると、先生が部屋に見回りにくるような緊張感があって。毎試合が修学旅行で、いろんなとこ行ったりとか助け合ったりとか、そういった感覚に近い。

あと対戦ゲームって、いくら気にしなくてもいいよというのがあっても、すぐ死ぬ人には「なんでコイツはすぐ死ぬんだよ、足引っ張るなよ」みたいな感情が出てきがちですよね。でもこのゲームって、死ぬ時はわりと理不尽に死ぬんですね。普通に戦っている時に車が突っ込んできて死んだとか、たまたまタイミングが悪くて後ろから撃たれたりとか。だから、死んでもお互いにこれはしょうがないとなる。「まあそういうゲームだから」みたいな空気があって、悪いストレスが溜まりづらい。

――デュオやスクワッドといえば、『PUBG』は野良でも面白いですよね。

ShoboSukeさん
野良で外国の方と遊ぶと、それはそれで面白さがありますね。面白さの方向性が大きく違う、会話とかコミニュケーションが楽しいんですよね。『H1Z1』ですが、野良で外国の方と交流して、最後まで生き残った時はとても面白かったです。

――デュオやスクワッドだと、戦略性はどう変わってくるといえるでしょうか。

ShoboSukeさん
デュオとスクワッドでは蘇生という機能があるので、かなり変わってきますね。殺されても気絶状態になるので、味方を蘇生することができる。それがソロと1番違うところですね。何回でも生き返ることができるので、ちゃんと味方がカバーに入れば、1対3とかになっても勝てたり。そういうこともあります。

 

「100人のバタフライ・エフェクト」を観る楽しさ

――先日のShoboSukeさん主催の「PUBG DONCUP]スクワッド大会は、同時視聴者数が1万8000人を超えたと聞きいています。見る『PUBG』の楽しみは、どこにあるでしょうか。

ShoboSukeさん
ルールが一言で済むのが1つありますね。100人いて生き残った1人が勝ちだよって、単純じゃないですか。YouTubeとかニコニコを見ている人って、「これってどんなゲームですか?」って聞く人が多いんですが、そういう時に『Overwatch』みたいなゲームだと説明が必要ですよね。このキャラクターはこういう特性があって、こういった組み合わせが大事で、このルールでは車を運んでゴールまで行けば勝ちなんだよみたいな説明をしなきゃいけない。でも『PUBG』なら「100人のなかで最後まで残れば勝ち」だよと言えば済む。とにかく入り口が本当に広いですよね。画面を見れば、あと何人が残っているのか、自分がどこにいるのかもすぐわかる。

あと『PUBG』は、配信者によって配信の雰囲気が全然違うゲームなんですよね。常に怖がりながらホラーゲームみたいに遊ぶ人もいれば、雑談配信の片手間にゲームしてますみたいな人も、ガチでやりながら実況というスタイルでやっている人もいます。プレイヤーによって楽しみ方が違うので、もし配信を見るなら、まずはその人がどういうスタンスでゲームをやってるのかを知るのが1番いいと思いますね。その点では『Minecraft』にも似ていて、建築だけをやってる人もいれば、冒険をメインでやってる人もいますし、海外のサーバーで交流する人もいる。それに近いと思いますね。プレイ中に起こるハプニングもプレイヤーによって反応が違うんです。冷静に対応をする人もいれば、ビビって逃げちゃう人もいるんで。僕はネタ勢とガチ勢の真ん中ぐらいな感じで、ゲーム的な面白さを出来る限り見せたいと思ってやってます。その十人十色さが『PUBG』をみる魅力だと思います。

それと、リスナーもずっと見てると、配信者の緊張感が画面越しに伝わってくるんです。序盤はゆるい時間が流れていたのに、終盤になったら緊張感が共有できる。優勝すると配信者と同じように喜べる。その感情の伝わり方が他のゲームと全然違います。他人がやってるゲームを見ているというよりは、一緒に映画を見ているみたいに楽しめる。毎回ドラマチックですし、そして配信者ごとにキャラクターが違う。それは映画の主人公がそれぞれ違うみたいなもので、終盤になるほど、配信者の人間性がすごく投影されるんです。

――ShoboSukeさんはカスタムサーバーを持っていますが、そちらではどういった配信が見れるんでしょうか。

ShoboSukeさん
カスタムサーバーを使った観戦では、99人同時に見れるのが面白いですね。99人いると、どこかで何かが必ず起きているんですよね。99人のストーリーがあるんで、流動的に物事が絡まっていて、最終的に勝者が決まる。それぞれの場面で戦いが起きてるわけで。

――録画して何回も見れば、この行為がここにつながったというのがあるわけですね。

ShoboSukeさん
大会があると参加者が配信してるんですけど、その録画を見るとそれぞれ全然違う展開になっていて、面白いですね。「今車で通り過ぎだ人」がいて、「伏せていたらその車にひかれた人」がいて、車でひいた人は「誰かをひいた」って言ってるんですけど、ひかれた人は「なんでこんなところを車が通ってるんだよ?」って言ってる。ひいた人が車に乗らなければ、あるいはひかれた人がそこで伏せなければ起きなかった。そんな奇跡的な状況を同じタイミングで配信している。その配信を同時に見たら、面白いに決まってますよね。

――相互に干渉しあってる様子を生でみれる。

ShoboSukeさん
本当に「100人のバタフライエフェクト」を体感できるわけですよ。上位30人までが勝ち抜けの大会が以前あったんですが、そこでさっき説明したようなハプニングがあって。それがすべて偶然と偶然の積み重ねで発生している。99人それぞれのプレイ映像を見れば、ぜんぶ面白いと思います。将来的には、試合毎に各人がどう動いたかのログが出せるようになるとロードマップには乗ってます。

――さまざまな偶然で起きたハプニングをどう切り抜けるのかっていうのは、『PUBG』でみんなが面白いと思うポイントの1つですよね。

ShoboSukeさん
あとそもそも、天下一武道会みたいな最強を決める戦いっていうのが、みんな好きですよね。最後まで残れば最強っていうのが、単純でわかりやすい。さっき言ったように100人いれば100人の物語があって、見る人もゲーム実況として見るというよりは、操作しているキャラクターを配信者そのものをみている感じの人もかなり多いです。生放送の外配信(※室内ではなく外で撮影する配信のこと)みたいな感じで。

――突然死ぬかもしれない外配信ですね。

ShoboSukeさん
だからこそカジュアル層もわかりやすく見ることができる。あとは実況者同士がコラボしやすいってのはあります。全然会ったことない面識のない人たちが、『PUBG』を一緒にやろうみたいなことになりやすい。すると、いきなり殺し合いのなかに2人で放り出されるわけですから、絶対に助け合わなきゃいけないし、嫌でも仲良くなります。吊り橋効果ですよね。ライブストリーミングという文化に非常に近いゲームとして、時代にマッチしてるのかなという気がします。コラボしやすかったりとか、100人いたら100人が全員配信者ということもできる。先日開催されたBluehole主催のチャリティ大会は、全員生配信者でしたね。全員が配信していて、それぞれのリスナーのファンが見ているわけですから、その発信力は力強いですよね。

――ほかにも、カスタムサーバー独自の要素はありますか。

ShoboSukeさん
まず最大で8人までの分隊が組めます(編集部注釈: 公式サーバーでは最大4人まで)。細かな武器のスポーン確率やパルスの速さ、あと車の量が変更できますね。プレイヤー全員が近接武器しか装備できない上に全員裸の8人分隊対戦とかも設定できます。後は5人の1チームだけが武器を使用できて、残りの95人が近接攻撃だけで襲ってくる、通称ゾンビモードもありますね。

ShoboSukeさん
カスタムマッチはまだ製作途中らしくて、こういうのを設定したいというフィードバックをすると対応してくれます。僕は今パルスの場所を限定したいっていう要望を出しています。街中だけでやりたい。本当にもう、マルチプレイヤーのシューターみたいな感じになりますね。

――戦況を自由に設定できる、「シューターツクール」みたいな感じなりますよね。

ShoboSukeさん
それに近いものがありますね。『PUBG』は今後、「何でもできるゲーム」として、またシンプルなシューターの集大成として発展していくんじゃないかなと思ってます。基本的に初めてシューターをするんだったら、まずこれみたいな。隠れることや立ち回りの大事さがわかるし、視点も三人称視点と一人称視点、両方が選択できるので、入門として最適ですよね。その上、リコイルなどの要素もしっかりしてる。このゲームをプレイしたあとなら、逆に比較的リコイルの弱い『Call of Duty』とかは楽だと思います。

今後は大会とかも増えていくと思いますし、今は僕はキル数を考慮しない大会開いてますけど、キル数だけを考慮する大会が開かれるかもしれないです。ポイント制にしてシーズン制の長期ランキングを作ってやっていけば、「この人が一番強い」というのも分かっていくんじゃないかと思います。

 

国内でも流行する『PUBG』

――日本でも『PUBG』が人気になったのは、どういった理由が考えられるでしょうか?

ShoboSukeさん
なぜ『PUBG』がこんなに流行ったのか、理由は大まかにいくつかあるんですけど、1つ目が「日本語化されていること」。これは本当に大きいと思います。「Hanger Games」は『Minecraft』のおまけみたいなもんですし、『H1Z1』もずっと英語のゲームだったし、『Arma 3』にもバトロワModあったんですけど、それもおまけみたいなものでした。バトロワが中心のゲームで、しかも日本語に対応しているってだけでも、非常に大きい。あとは、『H1Z1』って結構スピード感があるというかスポーツ寄りのゲームなんですけど、『PUBG』はもっとゆったりとしたリアリスティックなサバイバルゲームみたいなところがあるので、そこが受けてるんじゃないかと思ってます。

それとさっき言ったみたいに、インフルエンサーの人が広めていますよね。これ面白いよって誰かが言えば、そのリスナーやフォロワーがやって、それでまた別の人に『PUBG』の存在が伝わっていく。ゲーム自体が面白いので、どんなゲームジャンルが好きな配信者でも入りやすい。さらに視聴者数も取れるということになると、普段ゲームをプレイしない配信者でもやる。普段ゲームをやらない配信者もやるっていう事は、普段ゲームを見ない人もやるっていうことなので、それがどんどん広まっていきますよね。あとは『H1Z1』などとは違って、サバゲーをやったりする人が面白いとか、軍事系オタクの人が面白いとか思ってくれています。

――サバゲーや軍事系オタクの人が好きというのもわかります。ほとんど接敵しなかった時間が続いたかと思うと、屋内戦で『レインボーシックス』みたいになったりしますよね。

ShoboSukeさん
ゆったりした時間の時は雑談する余裕があっても、突如何が起きるか分からない。車がぶっ飛んでいったりとか、みんなが伏せて芋虫みたいになったりとか、笑えるバカゲーのゆるい部分もある。でもミリタリーゲームとしてのスリリングな戦闘もあって、それが奇妙なバランスで融合している。実際、男くさいゲームなのにもかかわらず、普段ゲームをやらない女の子がやっても全然不思議じゃない、絶妙なバランスなんですよね。

もう1つ人気がある要素を挙げるなら、「どんな人でも勝てる」ですよ。もちろん本当にゲームが上手い人は優勝はしやすいですけども、普段ゲームをやらないような、パソコンゲームを初めてやりましたっていう人でも勝てる。最後まで隠れて最後に瀕死の相手が残っていれば、それをショットガンでポンと撃っただけでも勝てる。どんか形で手に入れたドン勝でも、それは同じドン勝なわけですよ。どんな人でもそのマッチでは王者になれるチャンスがある。だからこそ止められない。絶対に無理だよね、とはならないですよね。

―― 一発も撃たないでドン勝を食べたという勝利報告もありましたよね。

ShoboSukeさん
僕の開いた大会だと、車で一回ひき殺しただけで優勝したっていうのがありましたね。つい先日のソロ大会の予選試合の配信なんですけど。やっぱり腕がある人は勝率も高くて、うまい人は10に1回ドン勝を食べてるとか、そういったことはもちろんあります。ただ、基本的にはエイムよりも立ち回りなんで、いかにセーフゾーンで強いポジションを取るかということの方が大事になりますね。

――最後に、これからの『PUBG』に期待することを教えてください。

ShoboSukeさん
いまスマホゲーが凄い流行っている中で、これだけパソコンゲームが燃えてるってのは、異例の事態だと思うんですね。これをきっかけにパソコンを買うっていってる人もすごくいて、このゲームを機にパソコンゲームを買うと、ほかのパソコンゲームも目につくわけですよ。しかもこのゲームをやるには、それなりに高いスペックのパソコンが必要で、それがあれば今あるパソコンゲームはほとんどプレイ可能になります。そうするとパソコンゲーム業界が盛り上がるかもしれないですよね。日本のゲーム業界に革命が起こる可能性がありますよね。カジュアルゲーマーがコアゲーマーになる爆弾になって欲しいなと思います。

僕としては、今後もバトロワゲームを面白くしていきたいですし、盛り上げていきたいですね。面白い実況をやりたいです。パソコンゲームとバトロワゲーが盛り上がっていくために、自分にできることはやっていきたいと思ってます。バトロワゲーを通じてたくさん友達作りたいですね。

――ありがとうございました。

[聞き手・編集・撮影 Shuji Ishimoto]
[聞き手・執筆 Nobuhiko Nakanishi]

Nobuhiko Nakanishi
Nobuhiko Nakanishi

大学時代4年間で累計ゲーセン滞在時間がトリプルスコア程度学校滞在時間を上回っていた重度のゲーセンゲーマーでした。
喜ばしいことに今はCS中心にほぼどんなゲームでも美味しく味わえる大人に成長、特にプレイヤーの資質を試すような難易度の高いゲームが好物です。

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