フリーゲーム『天翔のマーキナリエ』公開中。機兵技師と機械人形の少女が、願望を叶えるため秘宝を探すフルボイスアクションRPG

フリー作曲家のけんせい氏は6月20日、フリーゲーム『天翔のマーキナリエ 』を公開した。現在はRPGアツマールのみで公開されており、ブラウザからプレイできる。『天翔のマーキナリエ』は、アクションRPG。

フリー作曲家のけんせい氏は6月20日、フリーゲーム『天翔のマーキナリエ 』を公開した。現在はRPGアツマールのみで公開されており、ブラウザからプレイできる。

『天翔のマーキナリエ』は、少女が自身の願いと向き合う見下ろし視点のアクションRPGである。本作の舞台は、願いを叶える秘宝が眠るという絶海の孤島。主人公は、秘宝を求めてやってきた機兵技師のマリアと、彼女に従う機械人形のアイリスだ。

アイリスは、機械人形の中でも自我を持ったマーキナリエと呼ばれる特別な個体であり、本来高い性能を有しているのだが、チューニングが不十分なために力を発揮できていなかった。彼女の力を引き出せていないのは、自分の技術が未熟なせいだとマリアは考える。そこで、マリアは秘宝によって世界一の機兵技師となり、アイリスを最強にしようと発想。かくして、一対の機兵技師とマーキナリエは、絶海の孤島へ足を踏み入れる。

孤島では、マリアと因縁のある機兵技師のメルや、彼女に従うマーキナリエのオーキスといったキャラクターたちも登場。戦いを繰り返し、島の探索を進めるうちに、願望機にまつわる真実が明らかとなっていく。

願いを叶えるため島へやってきたアイリスとマリアだが、秘宝の眠る塔が見当たらないため、まずは5つのダンジョンを巡ることになる。プレイヤーはアイリスを操作し、剣を振るってカニやサソリ、ドラゴンといったモンスターたちと戦闘。ジャンプやダッシュも駆使して進んでいくと、各ダンジョンの最奥にはボスが待ち受けている。

ボスはそれぞれ固有のパターンと膨大なHPを持っており、それなりに苦戦を強いられるが、ボスを倒すとコアが手に入り、各属性のスキルが使用可能に。戦闘を繰り返すことで経験値やソウルクリスタルも入手でき、少しずつアイリスが本来の性能を発揮していく。また、ダンジョンは好きな順番で攻略できるようになっており、進行に合わせてモンスターたちも強くなる。


綺麗なメインキャラクターの立ち絵を除くと、決して悪いことではないのだが、本作の画面からはかなりの“RPGツクール感”が漂う。しかし、前述のように本作はRPGではなくアクションRPG。画面の印象とは裏腹に、アイリスはプレイヤーの思ったとおりに動き、レスポンスよく敵と戦ってくれる。アクションRPGとして堅実な印象で、気持ちのいいアクションが展開される点が本作の魅力の一つだろう。フィールドに生えた草が刈れるほか、アクションを遊びたいプレイヤーへ向けたおまけも搭載されている。

またメインキャラクターたちの声は、民安ともえさんなどプロの声優たちが担当。アクション中の掛け声はもちろん、会話シーンもフルボイスで表現されている。プロの声優の起用には、開発者けんせい氏の本業が生かされているそうだが、それ以上に同氏の本領が発揮されているのはBGMだ。本作には、作曲家である同氏が描き下ろした多数の楽曲が使用されており、穏やかな日常の一幕から激しいバトルシーンまで、シチュエーションにあわせた旋律が情景を盛り上げる。商業作品さながらの、プロの声優陣が繰り広げる会話劇や、雰囲気を作り上げるBGMの豪華さも本作の特徴である。なお、参考までにクリアまでの所要時間は4時間程度だった。

開発者のけんせい氏は、ゲーム楽曲などを手がけるフリーランスの作曲家。「RPGツクール」を趣味で嗜んでいるといい、本作同様に「RPGツクールMV」を採用して作られたアクションRPG『英雄一家の冒険 〜聖なる杖と空の国〜』など複数のフリーゲーム作品が公開されている。同氏にとってゲーム制作は、ゲームにのせることで音楽を聴いてもらうことも目的だったという。また、『天翔のマーキナリエ』用に書き下ろされたBGM全31曲とME2曲を収録したサウンドトラックが、1650円でDLsiteにて販売中されている。『天翔のマーキナリエ 』は、RPGアツマールにてブラウザからプレイ可能だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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