『アークナイツ:エンドフィールド』ベータ2を『アークナイツ』プレイヤーが遊んだら、驚くほど「萌え」を感じられるゲームになっていた。その「萌え」の正体とは?

『エンドフィールド』というゲームが変化していく姿を見ることができた。その中でもとくに今回のテストで印象に残った部分を一言で表すと『萌え』になる。

GRYPHLINEは『アークナイツ:エンドフィールド』(以下、『エンドフィールド』のベータテストIIを11月28日から12月29日まで開催した。筆者は2024年1月に行われたテクニカルテストおよび、2025年1月に行われたベータテストにも参加していたため、『エンドフィールド』というゲームが変化していく姿を見ることができた。その中でもとくに今回のテストで印象に残った部分を一言で表すと『萌え』になる。

突然何を言い出したのかと思われているかもしれないが『アークナイツ』をプレイしている身からするとここは非常に特徴的な部分だと思ったのだ。突然「萌え」とか言い出した割には硬めの文体になってしまうが、「なぜ自分が萌えとしか言いようがない感情を抱いたのか?」その対象について語ってみたい。

ロッシというキャラクター 視線が語る感情に「萌え」る

まずは最初のマップである四号谷地に登場するロッシ。ウルフガードというプレイヤーキャラクターの妹として登場するこのキャラクター、非常にキャッチーなビジュアルであり、エンドフィールドのムービーに登場していた赤い頭巾の少女を目にしていた人も多いのではないだろうか。初登場シーンでは彼女のキャラクター性を非常に分かりやすく見ることができる。

かわいい外見に似合わず非常に強く、自分の強さにも自信がありある種高飛車な言動を取るが、それは一瞬のものである。親しい人間には相応の対応を取り、誰にでも尖った対応をするわけではない。しかも管理人に対してはリスペクトの姿勢を強く持って接してくる。憧れていた伝説の存在、という感じだが、顔を赤らめて恥ずかしがる姿が大変愛らしい。このあたりの描写を表情の変化や視線の動きで表しているのが『エンドフィールド』の特徴である。

敵を倒した後、ペリカに寄ってきて親しげな表情を見せる。そしてそこに憧れの管理人が存在しているとわかると頬を染め、狼狽する。この記事を書くために何度か登場シーンを見返していたのだが、感情の動きが頬を染めたり声の演技で表されるだけではなく、動揺したかのように視線をあちこちににさまよわせているところまで表現しているのを見てうならされてしまった。そんな細かいキャラクターの描写を見ていると「ところでこのキャラはいつプレイアブルキャラとして実装されますか?」と聞きたくなるのは筆者だけではないだろう。

連続したシーンでロッシの表情はこれだけ変化する

武陵で出会ったゾアン これはデートイベントでは?

別のマップである武陵のストーリーはベータテストIIではじめて実装されたものとなり、キャラクターたちもすべて初登場となる。その中で強く印象に残ったのはゾアン・ファンイという女性だ。こちらは武陵城の天師というトップクラスに偉い人だけに、落ち着いた大人である印象が強い。

このゾアン、記憶を失う前の管理人と付き合いがあったことがストーリー中で判明する。たまたま空き時間ができたたということで武陵城を案内してくれるのだが、その際、咲き誇る梨の花を見るイベントが発生する。そこで過去に管理人が「武陵に梨の花を咲かせたい」と語ったことを聞き、それを自分がやり遂げたのだと語るところを見せられる。プレイしながら「これはデートイベントなのでは?」と思わされるシーンであった。

その後も部下に呼ばれたゾアンが思わず管理人の手を引いて走ってしまうなど「やはりこれはデートイベントなのでは?」と思わされるシーンが多々ある。これだけ書いてしまうとネタバレではないかと叱られそうだがここで語らせていただいたのはごく一部なのでご容赦いただきたい。なお、普段のゾアンの表情と管理人を前にして思い出を語る際のゾアン、「管理人は過去の記憶がない」と言われたときのゾアンもしっかり表情の演技がついている。βテストでは武陵のイベントに日本語ボイスがなかったため、本番でどのようなボイスがつくのかとても楽しみである。

管理人の記憶喪失について聞いた後の表情変化が印象深い

2人に共通する「好意」と萌えの正体

ここまで紹介した2名からは、明らかに管理人への好意のようなものを感じられる。このあたりの「もしかしてこの子は俺のことが好きなのでは?」と勘違いさせてくれそうな部分に筆者は「萌え」を見出してしまったのである。かわいいとか好ましいとかではない、もっと強い感情を動かそうとしてくる何かを感じたのだ。

それは「エンドフィールド」というゲームの背景設定にも関係してくる。『アークナイツ』の世界には鉱石病という不治の病があり、それによって差別される人たちがいた。そのため、個人的にはキャラクターに対して「かわいい」とか「萌え」とかいう余裕があまりなかったのだ。鉱石病の人間が人を助けようと手を差し伸べても「汚い!」と言わんばかりに手を振り払われる世界でキャラクターの愛らしさにほだされる心の余裕がないのである

一方「エンドフィールド」の世界では鉱石病への差別は薄まっている。不治の病ではあるものの病状の進行は止めることが出来、対策がより進歩しているためだ。人々もそんな病や種族差を気にせず明るく前向きに物事に立ち向かっていく印象がある。そんな中で管理人=自分への思い入れが強いキャラクターが出てきたら、その思いに答えたくなるのが道理というもの。消極的な理由ながらも、好意を抱くには余裕がいる、というのは切実にあるのではないだろうか。シビアではない世界観は人を安心して萌えさせてくれるのだな、と再認識した次第である。

加えて『エンドフィールド』では3Dのキャラクターが動き、表情だけではなく視線までも計算された細かい演技でこちらに物語を見せてくれる。これらの演出によりキャラクターの魅力は2倍にも3倍にもなっている。グラフィックの向上は美麗さだけではなく、このような細部へのこだわりとしても現れるのだなと思わされた。つまり、キャラ描写のほか高い技術でも萌えが描かれているといえる。

管理人は目が見えないが口元だけの演技が絶妙

以上、少々変わった観点から『エンドフィールド』ベータテストIIの印象を語ってきた。本作が印象的だったのは、物語や設定そのものだけではなく、キャラクターの視線や一瞬の表情といった「言葉にならない部分」でこちらの感情を動かしてきた点にある。かつての『アークナイツ』が、厳しい世界の中で人の善意や尊厳を描いてきた作品だとすれば、『エンドフィールド』はその先で、誰かに好意を向けられること、そしてそれに心を揺らされることを、ようやく許してくれる作品なのかもしれない。

安心できる世界観と、緻密に計算された演出が重なったとき、人は自然と「萌え」としか言いようのない感情を抱いてしまう。正式リリースの際には、ぜひその感情が生まれる瞬間を、自分自身の目で確かめてほしい。

『アークナイツ:エンドフィールド』は、2026年1月22日に全世界同時リリース予定。PC/PS5/iOS/Androidでは事前登録受付およびウィッシュリスト登録受付中だ。

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怪しい隣人
怪しい隣人

主にスマホゲームを中心に、サービス終了したゲームの情報を収集したり、開始早々ダメなことになっているゲームの情報を紹介するのが趣味です。サービス終了ゲーム死亡リストは1500件を超えました。年々ゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。

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