ゲームのやりすぎで嫁と喧嘩しない方法

以前よりゲームと我々は、「ゲームばかりするものではない」という圧力にさらされてきました。社会学に属するよう小難しいものは今回の主題ではない 上に、筆者自身も市井のいちゲーマーであるため、とりあえず忘れましょう。

以前よりゲームと我々は、「ゲームばかりするものではない」という圧力にさらされてきました。社会学に属するよう小難しいものは今回の主題ではない 上に、筆者自身も市井のいちゲーマーであるため、とりあえず忘れましょう。本稿の主題は、古くはファミコンの  AC  アダプタを抜かれることから、チャンネル戦争、何時までゲームしてるんだ問題など、身に覚えのある方も多いと思われる、家庭内ゲーム闘争です。

 

本稿のターゲットは、「ゲームをする」という我々ゲーマーにとってなくてはならない行為に対して、「家庭を持つ」という環境の変化が迫ってきた、も しくはその渦中にある方です。ちなみに、人によって家庭を持つのが早かったり遅かったりするのは当然ですが、筆者の周囲では30代前半で結婚する方が多い ように思います。

勿論好きで結婚したんです。筆者含め殆どの人はそうでしょう。しかし、結婚するまでは好き放題ゲームしていたけれど、結婚してからゲームにあまり時 間を割けていない、平日は仕事が帰ってくるのが遅くて1~2時間しかプレイできない、休日も夜遅くまでゲームをしていると妻から不評を買ってしまうなど、 もうちょっとゲームしたいなと思うような環境に身を置いているのは、既婚者ゲーマーであれば、ある程度一般的なケースではないでしょうか。

そのような環境下では、時間を自由に使える友人とのプレイスタイルがかなり異なったものになります。一回のプレイ時間の短いタイトルや、プレイの区 切りがはっきりしたタイトルのほうが安心してプレイできるようになります。また、プレイ時間が能力に直結するようなゲーム、例えば MMORPG 等は、やはり尻込みしてしまいます。平日1~2時間、休日は長くて半日ぐらいのプレイ時間でプレイしていると、1ヶ月どころか1週間で目に見えた進行度の 差が出てきます。しかし、少しでも差を埋めようと毎日シャワーだけ浴びて食事は PC の前でゲームしながらなどという行動を毎日取ろうものなら、それはもう結果が見えています。とはえ大型タイトルでどうしても、という時は「ご相談」するこ とによって、短い期間そのようなことが可能になることもあるでしょう。

 


見聞きした事例

 

あ、はい。
あ、はい。

 

ここからが本題です。「家庭とゲームを両立する方法はないだろうか?」もちろん、上の画像のような手段をとるわけにはいきません。現実的な手法で あったり、落とし所であったりする必要があります。また、ゲームなどもってのほかといった感じの、取り付く島もないようなケースの場合、まずはそこから変 えていくことが必要でしょう。一方、ある程度ゲームは許容されてはいるものの、配偶者の方がゲームをあまりプレイしたことがない。つまり、相手の趣味がよ くわからない状態となっている、そんな方もいるかと思います。

また、交友関係にも関わってきます。先日各所で記事になったような某大作 MMO ネタのような「まずは仕事をやめてもらいます」ではありませんが、時間の制約があることを許容してくれる仲間かどうか。多少プレイ時間が不安定で腕をみが く時間が取れなくても、何となく合わせてくれるようなゲーム仲間は素晴らしいです。

家庭を持てば必ず腕前が落ちるということはありません。育児のかたわらで、素晴らしいゲームプレイを魅せてくれる方もいらっしゃるでしょう。しか し、筆者含め大多数は、そうそう上手くいかない方がほとんどではないでしょうか。また、ある友人は、ゲームプレイ時のボイスチャットが気になるからどうに かしてくれ、と言われたことがあるそうです。よくよく話を聞いてみると、 PC を置いているのが同じ部屋だったとのことです。話している本人はあまり気になりませんが、いくらボイスチャットといえ、知らない人とプライベートな空間で 延々話されているのは、大多数の方にとって気持ちよいことではないでしょう。ゲームの場合加熱することもあるのでなおさらです。筆者も同様の経験がありま す。

上記のようなトラブルをふまえると、結局のところ、結論として行き着く先は、趣味の強度と相手の理解度にかかってくるのではないかと思います。自己 の価値観と照らしあわせて、生活に与える影響が強すぎる趣味を受け入れてくれる方は、なかなかいないでしょう。とはいえ、「趣味なのだから」を引き出すに は、最低限相手に趣味を理解してもらうことが必要となります。理解がともなわなければ、その傾向はより強くなります。

ではどのように理解してもらうか。やはり、お互いに理解を深めるしかないのではないでしょうか。結婚とは、必ず他人と他人が家族となるものですか ら、大なり小なり、お互いのそれまでの生活から生まれるすれ違いというのは発生します。生活上の習慣、バスタオルの運用をどうしよう、などはどちらかが折 れるなり、その環境の中で最適なものを探せば済むものです。しかし、趣味の場合は、お互いに相手を理解する姿勢こそが大事なのではないでしょうか。

また、趣味でどのような姿勢を取ろうとも、ある程度家庭に対してコミットすることは確実に必要でしょう。家事丸投げでゲームというのは、基本的にい い顔をされませんし、子供ができようものなら、その負担は確実に時間という形でのしかかってくるでしょう。知人に出産されたばかりの、夫婦共ゲームが好き な女性がいらっしゃいますが、ゲームをプレイするのは構わないし仕事の大変さも理解しているが、もう一歩踏み込んだ形で家事を手伝ったり、ゲームをする際 も子供に対しての注意を向けてほしい旨の話を伺ったことがあります。

 


対話の重要さ

 

家庭にコミットしない父親の極端な例
家庭にコミットしない父親の極端な例

筆者の周りでの話になりますが、配偶者が理解ある方の場合が多く、ゲームをプレイすること自体かなり許容されているようです。ゲームを全くプレイで きない、結婚したから完全に足を洗ったという方に至っては皆無です。配偶者の方もゲームを少々、という方もいらっしゃいますし、筆者の家庭もその一つで す。しかし、理解があるといっても、時間を取ってのめり込むタイプのプレイをする場合、どこかでトラブルが発生することもあります。これはゲームに限ら ず、どの趣味でも起こりうることです。

趣味は主として余暇でするものですが、時間は有限です。アウトドアの趣味であれば、家から出てある程度の時間を取ることになります (とはいえ、上記画像のような時間の取りかたはおそらく歓迎されないでしょう)。しかし、ゲームは主に家庭内でするものです。そこには配偶者の目があり、 生活があります。たとえ交渉で全力プレイする時間を手に入れたとしても、やはりある程度の配慮は必要です。先ほども挙げましたが、寝室付近で夜遅くまでボ イスチャットで叫んでいれば、怒られるのは当然です。それがたとえ金曜の夜であってもです。

どの程度理解を求めれば問題ないかというのは、やはり家庭や環境によります。いくつか例をあげるとすれば、マンション暮らしの場合は最終時間を決め て音に配慮する、プレイ中でもどうにか切りをつけて洗濯物を干すぐらいは手伝う、食事は一緒にしよう、などです。とはいえ、この事例だからこうだと論じて しまうと、むしろ硬直化してしまって、そこから起因するトラブルを招く結果となってしまいます。趣味に限りませんが、「こう決めただろう」を盾に押し通す ことは、あまりいい夫婦関係とは言えないのではないかと思います。

しかし、それはゲームをしたいという交渉を受ける側でも同様のことです。相手が何をしているのか、どのよう状況なのか。ロビーでマッチング中という のはどのような状態なのか、そしてそれは急にキャンセルできる状況なのか。お互いに一言二言、会話する意思と姿勢が重要です。「今はダメ」と多少邪険にさ れるのはある程度仕方ありません。今その時は、集中し真剣なのです。ただ、そのような状況があったとしても、その後区切りをつけてお互いに応えることが必 要ではないでしょうか。

結婚してしまうと、こういった立ち回りかたを現実優先にする必要がでてきます。筆者の経験から、結婚する前に同棲するのは、お互いの生活スタイルや、どのような立ち回りかたかを知るために非常に有用です。

そして、その後家庭が至るであろう、子供に対しての影響については、筆者自身まだ親になったことがない上に、お子さんを持たれている友人知人もまだ 少ないため、今回は言及することを控えようかと思います。しかし、夫婦という間柄であるからこそ、対話や負担の調整を行うべきではないでしょうか。一緒に 生活するという近い距離だからこそわかるものも多いですが、近いからこそ見えないものも多いです。また、そういったネガティブなものは、積み重なって大き くなってしまうこともあります。

結論としては、夫婦お互いの理解を深め、その過程と結果で「何故今週はゲームを死ぬほどやりたいのか」が、「よくわからないもの」から、「本人に とってそれだけの価値があるもの」へと変わってくるのではないでしょうか。もちろん一方通行では事態の好転は見込めないでしょう。家事をやってから新作を 手につける。大型パッチや DLC に没頭してもいいけれど、それはどの程度続くのか、判断する材料を提示する。一週間没頭したいのであれば、その一週間のお返しはどこでするか、そんな気遣 いと理解が必要ではないでしょうか。

最後に、この原稿を妻に見せるか最後まで悩みましたが、今回は控えることにします。 FF14 にログインできたようなので。

Hirokazu Saito
Hirokazu Saito

アルコール・お茶・コーヒーなど、飲むのに面倒な飲み物全般に強い興味があります。30代前半、既婚。都内から電車で1時間ちょっとの僻地住まい。メガネの女の子が好きですが妻はメガネをかけてくれません。

最近ようやく足を洗い始めましたが、オンラインゲームで時間を消滅させていました。激しく動く系のゲームは酷使した目がついていかないのであまり得意ではありません。30台から感じる老化です。

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