24時間・1週間連続タイムアタックイベント『Awesome Games Done Quick 2014』開催中、12日まで

 

丸一日ほぼ休みなく、しかも7日間の長きにわたって続けられるタイムアタック(Speerdrun)イベント Awesome Games Done Quick 2014 が現在開催中です。公式サイト Twitch で常時ゲーム画面と会場を映したカメラが配信されており、ハイレベルなプレイングを堪能できます。150タイトルほどがほぼ間断なく、そしてよどみなく攻略されていく様はまさに圧巻の一言。

主催は Speed Demos Archive。国内外問わずタイムアタックファンにはおなじみ、ゲームを速くクリアできた修羅たちの殿堂です。ただしイベントはおそらく原則非営利であり、常時募金をつのっています。集まった資金はイベント協賛者ならびにPrevent Cancer Foundation へ寄付されるとのこと。パートナーとしてクレジットがあるのは GamespotThe Yetee。癌への対抗意識はおもにナレーターによりときおり差しはさまれます。

寄付について興味深いのは、単純な募金履歴の羅列やランキングだけでなく「一定額以上集まったら特殊なプレイをする」という設定がある点。アイテム縛りや難度変更のほか、キャラクター選択権や命名権なども与えられます。情報元 APM in the hole によると、昨年度は『Final Fantasy 7』のティファの名前変更で死闘が繰り広げられたそうです。

プレイングとしてはほぼすべてリセットなしの一発挑戦であり、記録を目指すというよりはアベレージの安定したものが主流です。それでも世界最高峰の 演舞であることには間違いなく、中には目を疑うようなものもあります。個人的に印象に残ったのは『ヨッシーアイランド』。プレイヤーの手元に向けられたカ メラは、SFC/SNESコントローラと人間に眠る可能性を映しだしていました。モンハン持ちなんて目じゃありません。すべてのタイトルに予定クリア時間(Estimated Time)が見積もられていますので、そちらもどうぞ。だいたい戦慄ものです。

放送としても洗練されており、国内でいうところのいわゆる「実況プレイ」の域にはとどまっておらず、走者とコメンテーターを分けているケースが多数派です。文字通りの意味での実況が成立しているといえます。

あらためて採用タイトルを眺めてみると、和製作品の多さが目立ちます。また、多くが SNES ではなく SFC で(つまり日本版、ゆえにゲーム内のテキストも日本語で)プレイされており、かつて日本のゲームが世界を席巻していたことを改めて思い知らされる形です。 20年前、データム・ポリスターは自社作品がワールドワイドで攻略されることになるとは予想だにしなかったでしょう。

スケジュール通りならば、本記事掲載時点でアタックされているのは『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』か『ゼルダの伝説 夢を見る島DX』あたり(ただし記事執筆段階ではやや押し気味)。プレイ経験の有無なんて瑣末な事柄です。ゲーマーならばプレイ済みであろうとなかろうと 脳を揺さぶられる e-Sports の一側面がそこにあります。イベント終了の12日まで、目を離す余地はありません。

(via APM in the hole )
採用タイトル一覧の日本語化をなさっています。昨年度記事にはイベント要旨の説明もあります。