『ゼルダの伝説』の青沼英二氏、「夢をみる島」リメイクの存在を3年前に海外メディアにこっそり明かしていた。流石に誰も気付けず

 

『ゼルダの伝説』シリーズのプロデューサーを務める青沼英二氏が、来月発売される『夢をみる島』がリメイクされることを、3年前の時点で海外インタビューにてこっそり明かしていたと告白している。歴史あるゲーム雑誌Edgeの今月号(336)に登場した青沼氏は、2016年の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』をメイントピックとした同誌のインタビューの中で、人気作のリメイクが進行していることを示唆していたと最近になり認めた。Nintendo Insiderが報じている。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の開発が真っ只中の2016年。新作について問われた氏は以下のように答えていた:

「会社(任天堂)からは新しいIPを作ってはどうかと言われていますし、一方で新作の『ゼルダの伝説』を作ってくれとも言われています。」「(新作については)あまり多く共有できませんよ。何を言うことも許されていませんからね。ただ、“泥棒(thief)”として生きるゲームというアイデアが好きとだけ言っておきます。それが僕の言えることのすべてです。」

盗賊として生きるゲーム。それだけを聞けばステルスゲームなどを想像することだろう。しかしこのヒントは、意味がわかれば重要な示唆ともいえる。なぜなら『ゼルダの伝説 夢をみる島』は“どろぼー”が代名詞ともいえる作品であるからだ。というのも、同作ではゲーム内ショップでの万引きが可能なのだ。メーベ村のショップは、ほかのシリーズのように話しかけてアイテムを購入するのではなく、持ち上げて店主のところに運び、ルピーを支払う形式。通常はそのまま持ち去ろうとすると引き止められるが、後ろから回り店主がこちらを向いてない時に店の商品を持ったまま外に出れば、そのまま万引きすることができる。

※ 該当シーンは2分22秒~(ネタバレ注意)

しかし、万引きに成功すると名前が強制的に「どろぼー」になってしまうほか、ショップに戻ると、憤った店長から攻撃を受けゲームオーバーになってしまう。名前についても傷跡が残るほか、ゲームオーバーも本作ではひとつ重要な要素ということで、ゲーム内の悪行をしてしまったプレイヤーに手痛い仕打ちを与える。それゆえに、「どろぼー」は『夢をみる島』の代名詞ともいえる存在だ。thief(泥棒)になるというのは、『夢をみる島』の主人公になると示唆されていたわけだ。

任天堂といえば、情報管理が厳しい会社であるが、青沼氏は『ゼルダの伝説』を統括する身ながら、メディアおよびファン対応が良いことで有名。もちろん責任ある立場ということで情報漏えいなどはしないが、朗らかでサービス精神旺盛。しばしばユーモアや茶目っ気をまじえてインタビューにも答える。「thiefとして生きるゲームが好き」というコメントは、そんな青沼氏が考えた精一杯の新作情報のヒントだったのかもしれない。当然、このヒントについては誰も気付くことができなかったようだ(USgamer)。短く曖昧なヒントであるが、確証を得た今思い返すとなかなか核心に迫るコメントといえるかもしれない。この発言を受けて、青沼氏の示唆的なコメントは今後、メディアから激しく食いつかれていきそうだ。

リメイク版『ゼルダの伝説 夢をみる島』は9月20日発売予定。ゲームは新たなビジュアルで美しく蘇るほか、「パネルダンジョン」といった追加要素も存在するので、旧作ファンもそうでない方も、「どろぼー」要素の有無を含めて発売を楽しみにしておくといいだろう。