『ファイナルファンタジーVIII』リマスターにて、長年いじられ続けた「君が一番カッコいいね」ネットミームに終止符を打つ
『ファイナルファンタジーVIII』リマスターでは、悪名高きネットミームに終止符が打たれるようだ。いじられ続けてきたのは、リノアとスコールが出会う序盤のシーン。スコールの実地試験を経て、SeeD就任パーティにて初めて顔を合わせたふたり。リノアがスコールに親密なコミュニケーションを試みる過程で、ヒロインの積極的な側面が見られるということで、記憶に残っているユーザーも多いだろう。なんといっても、スコールに話しかけるセリフが「君が一番カッコいいね」であるからだ。
そこからリノアは踊ることを誘うが、渋るスコールを見て「好きな子としか踊らないんだ」と勝手に早合点。そしてかの有名な「私のことが……好きにな~る、好きにな~る」のセリフが飛び出し、スコールと踊るムービーシーンに移行するわけだ。日本では、このリノアの相手を突然好きにならせようとする突飛な行動が注目されているが、海外ではその会話のきっかけとなる「君が一番カッコいいね(You’re the best looking guy here.)」に引っかかったユーザーが多かったようだ。
というのも、『ファイナルファンタジーVIII』は当時としては優れたポリゴンで作られていたが、とはいえ、当該のシーンでのスコールの顔については、技術の問題もあってか緻密には描かれていない。端的にいうと、ポリゴン数や解像度、テクスチャといった関係もあり、顔が潰れているのだ。顔が潰れたスコールに対しリノアが「君が一番カッコいいね(You’re the best looking guy here.)」と話すシーンはなんともシュールであるとし、このセリフ自体が半ばネットミーム化されていた。PS1の作品ということで、顔潰れなどは致し方ないのだが、リノアが投げかけたセリフが甘すぎるということで、そのギャップをいじられているのだろう。
そして8月14日、スクウェア・エニックスは『ファイナルファンタジー』海外Twitter公式にて、『ファイナルファンタジーVIII』リマスターでのリノアとスコールの出会いのシーンを投稿。そこにはくっきりと顔が映し出されたスコールの姿があった。海外スクウェア・エニックス側もこの“顔潰れ”ネットミームを認識しており、そこにうまく被せる投稿をしたとして、1万以上のRTを獲得。海外ユーザーは、当該投稿のきれいなスコールの顔に“オリジナル”の潰れた顔をコラージュしたりするなど反響も多く、かなりウケているようだ。一方で顔が潰れないことに寂しさを見せるユーザーも。
😍😍😍 pic.twitter.com/7e0cNgOeZg
— FINAL FANTASY (@FinalFantasy) August 13, 2019
https://twitter.com/RedMakuzawa/status/1161417897840742401
スコールの顔がくっきり映っているのは、『ファイナルファンタジー VIII』リマスターにおいて、モデリングなどにも手が加えられているからだろう(公式サイト)。今回のリマスターでは『ファイナルファンタジーVII』のPC版移植なども担当したDotEmuと協力し、解像度の向上だけでなくキャラモデルの置き換えにも取り組まれている。今回の投稿で映し出される「君が一番カッコいいね」のワンシーンには、そうしたリマスターにおけるこだわりが反映されているわけだ。
ユーザーそれぞれに好みはあるだろうが、たしかにモデルの置き換えによってスコールは“カッコいい”と見られやすくなったのではないだろうか。出会いのシーンだけでなく、そのほかの場面でもその凛々しさを堪能できるかもしれない。リノアとスコールの関係の進展についても、容姿が端麗になったことで、より理解を深められるかもしれない。『FINAL FANTASY VIII Remastered』は2019年中にPC(Steam)/PS4/Xbox One/Nintendo Switch向けに発売予定だ。