『VA-11 Hall-A』開発元Sukeban Gamesに、ファンアートを描いてきた「日本人」スタッフ加入。キャラへの理解の深さなどが評価される

インディースタジオSukeban Gamesは7月28日、同スタジオに新たなスタッフを迎えると発表した。ベネズエラ系の新進気鋭のスタジオに加わったのは、なんと日本人である。

インディースタジオSukeban Gamesは7月28日、同スタジオに新たなスタッフを迎えると発表した。ベネズエラ系の新進気鋭のスタジオに加わったのは、なんと日本人。SNSなどで活動するバンブー氏をイラストレーターとして迎えたという。バンブー氏ご自身からお聞きした話を踏まえて、今回の加入の経緯を振り返ろう。

バンブー氏は、イラストレーターである。普段は一次、二次を問わず好きな作品の創作活動をしているという。海外ではIDからメレンゲという名前でも知られているとのこと。氏はもともとSukeban Gamesと交友関係があったわけではなかったそうだ。出会いのきっかけとなったのは、もちろん『VA-11 Hall-A』のリリースだ。

実は氏は、最初は自身で『VA-11 Hall-A』を買った訳ではなかったという。2017年のサマーセールで友人が購入しSteamのライブラリシェアで見かけて、タイトルとビジュアルに惹かれて何となくプレイを始めたそうだ。シェアプレイを楽しんでいたが、相手がゲームしている最中だと氏がプレイ出来なくなってしまうのがもどかしく、ゲーム内での三日目にして自身でゲームを購入したそうだ。

最初はいちファンであったバンブー氏。ゲーム中のリザルト画面で、必ず理由を付けてジルにボーナスを渡してくれるデイナ店長に惚れ惚れし、イラストを描き上げるなど、熱心な創作活動をしていたという。ファンアートを描きTwitterに投稿したり、それをSukeban GamesにRTされる関係だったが、東京ゲームショウ2017で距離が一気に縮まる。バンブー氏が『VA-11 Hall-A』ブースの前でSukeban Gamesのふたりと出会い、イベントが終わった後に話がしたいと誘いを受けた。後日個人的にふたりと会い、そこで改めて互いを知り合ったそうだ。

その後は仕事を一緒にするようになり、PS Vita版『VA-11 Hall-A』のシークレットカバーやゲームの立ち絵提供など、Sukeban Gamesとバンブー氏は商業面でも協力。そして今回、Sukeban Gamesの一員になったようだ。一員になる提案についても、Sukeban Gamesの2人からされたようで、「貴方の描くデイナは私たちの解釈とピッタリ一致しているので、見ているととても嬉しくなる」と口説かれたといい、忘れられないほど感銘を受けたそうだ。そんなやりとりを経て、「意見が一致する仲間として是非一緒に仕事をしてみたい」との正式なオファーを提案されたという。

エイプリルフール企画『VA-11 HALL-A KIDS』でも氏のイラストは確認できる

ちなみにバンブー氏は大のデイナ好き。Sukeban Gamesの描く世界観そのものやLGBTに関しての理解も気に入っていたが、何よりもデイナと、二人が書くデイナのスタイルが好きで仕方なかったようだ。ただありふれたベタな女の子じゃない、しかも、またベタな強い女大将でもない。そんな立体的なデイナ。そんなデイナを愛するバンブー氏の愛がSukeban Gamesの心を動かしたのかもしれない。

なお、バンブー氏とほかのSukeban Gamesスタッフのコミュニケーション手段は英語だそうだ。文面ではスムーズに会話できるものの、対面や映像を介した場合は、氏の英語とSukeban Games側の日本語。そして、お互いの精いっぱいのボディーランゲージでなんとか会話しているとのこと。

https://twitter.com/Merenge_doll/status/1155440260622381057

なおバンブー氏が今後同スタジオにおいてどういう立ち位置になるのかなどは、のちにSukeban Gamesとして正式な発表があるとのこと。日本を愛するベネズエラ人らによるスタジオに、新たに日本人イラストレーターが加わったということで、今後のスタジオとしての展開がさらに楽しみになりそうだ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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