もう1人の自分を踏み台にする『Braid』風パズルアクション『Another Perspective』

毎週 Kickstarter や Steam Greenlight から誰かの心にヒットするかもしれないインディーゲームを紹介する「Indie of the Week(IotW)」。今週は11月13日付けで Steam Greenlight へと登録され、現在 Steam での配信を目指している2Dパズルアクション『Another Perspective』をご紹介します。

毎週 Kickstarter や Steam Greenlight から誰かの心にヒットするかもしれないインディーゲームを紹介する「Indie of the Week(IotW)」。今週は11月13日付けで Steam Greenlight へと登録され、現在 Steam での配信を目指している2Dパズルアクション『Another Perspective』をご紹介します。

本作の開発を担当しているのは海外デベロッパー Shaun Spalding 氏。同氏は YouTube 上でゲーム開発用ソフトウェア Game Maker のチュートリアル映像を公開したり、『ストリートファイター』シリーズのトーナメントやイベントの主催を行ったりとゲーム分野で幅広い活動をしている人物。また Number None の名作パズルアクション『Braid』 のスピードランに挑戦しているプレイヤー。今回紹介する『Another Perspective』も「鍵を取って扉を開く」という根幹のデザインから始まり、捻りの効いたパズル難度やどこか狂気を孕んだ空気感など 『Braid』の要素がそこかしこから感じられる作品となっています。

ちなみに『Another Perspective』は2012年に Spalding 氏がリリースした『Perspective』の完全版とも呼べるタイトル。Game Maker の開発とWebサイト運営を担う YoYo Games による2013年のコンペティションでは、新規ゲーム部門の受賞と共に1位の座を勝ち取っています。

 

 

『Another Perspective』は、自分の正体さえもわからない茶髪の男性キャラクターが、延々と続く謎の空間をさまよい歩いて行くパズルアクションゲーム。プ レイヤーは「一体俺は誰なんだ?ここはどこなんだ?」といった主人公の独白を聞きつつ彼を操作し、部屋の中にある鍵を取得して扉を開き次の部屋へと進んで いくことになります。

本作最大の特徴は部屋の中に”他の自分”が居るという点で、プレイヤーは Shift ボタンを押すことで操作する自分を変更することが可能。また操作中のキャラクターは灰色で表示される操作していない”他の自分”と同じ場所に居ることが出 来ない、つまり障害物のように触れることができるので、例えばもう1人の自分を足場にして高所へたどり着くなど、ゲーム中は彼らを上手く連携させつつゴー ルを目指すこととなります。

序盤では簡単なパズルもゲーム後半では取る必要のある鍵の数が増えたり、鍵を取得すると出現あるいは消去されてしまうブロックが登場したり、”他の 自分”がそれぞれ全く異なるマップ上に存在したりとより難解なものに。それに伴い巨大化した自分が登場したり独白が鬼気迫るものになったりと、後半になる ほどゲームプレイだけでなく物語も盛り上がっていくこととなります。

なお『Another Perspective』は各種ストアに て11月8よりすでに販売が開始されているため、『Braid』のパズルや物語が好きな人は Steam Greenlight の「いいね」ボタンを押しつつ購入してみるのも良いでしょう。主人公の謎がついに解き明かされるエンディングに関しては唯一好みが分かれそうですが、価格 5ドルながらもパズルもストーリーも捻りの効いた良作となっています。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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