『スーパーマリオメーカー 2』のコース制作に、一部ゲーム開発者が参戦中。『Celeste』開発者はすでに7コース投稿
『スーパーマリオメーカー 2』が発売されて以来、多くのコースが投稿されている。手強いコースからギミックにあふれるコース、そして“全自動マリオ”系コースなどバラエティ豊かであるが、プロのゲームクリエイターらもコースづくりを楽しんでいるようだ。具体的には『Celeste』開発者であるMatt Thorson氏が、すでに7コースを投稿している。
『Celeste』は、2018年1月に発売された横スクロールアクションゲーム。プレイヤーは訳アリ少女マデレンとなり、遥か高くそびえる山頂にたどり着くことを目指す。さまざまな出会いと別れ、そして葛藤に苦しみながらも、山登りを介して自分自身と向き合っていく。道中には穴やトゲが大量に設置されており難易度は高いが、プレイを続ければ上達して乗り越えていけるという、優れたレベルデザインが高い評価を獲得。The Game Awards 2018のベストインディーゲームに輝いた。
そんな2Dアクションとして高い評価を獲得した作品の開発者は今『スーパーマリオメーカー 2』にお熱のようだ。投稿されたステージはすでに7個に及ぶ。「Banzai Bounce(Q43-GXB-WHG)」「Desert of Despair(H8K-3B9-WDG)」「Starlight Shells(PHP-GYT-VJG)」「Shrine of the Sacred Stiletto(5YG-7DN-PGG)」「MurderTime : Piranha Pruning(5RF-QKY-WYF)」「Versus: Swamp Circuit(RNW-6S8-KPF)」「SkyTower Demolition Crew(0BV-3WX-1JG)」。後ろに併記しているのはコースIDだ。
「Banzai Bounce」は、巨大キラーと対峙しながら下へ抜けていくステージ。絶妙なタイミングでのジャンプと、繊細な操作が要求される。『Celeste』の某ステージを彷彿とさせる作品だ。「Desert of Despair」は、一定時間ごとに生えてくるトゲの足場を渡っていくという高難度ステージ。「Starlight Shells」「Shrine of the Sacred Stiletto」「MurderTime : Piranha Pruning」はさらに難易度が跳ね上がっており、一瞬の気の緩みも許されないクリア率1%台の凶悪ステージである。いずれのコースも氏の巧みな調整が光る“らしい”デザインになっている。
一転して「Versus: Swamp Circuit」「SkyTower Demolition Crew」はクリア率20%台。道中は長く、ステージの中での工夫やひねりが目立つ探索型ステージとなっている。なおThorson氏は、id Softwareの共同設立者であり『DOOM』のクリエイティブディレクターを務めたTom Hall氏から「すばらしいコースだけど、もっと難易度を易しくしてくれたらコースの本質の良さがわかるのに(笑)」とフィードバックを受けた際には、「易しくしようとしてるけど、知らぬうちに最終的に難しくなっているんです」と返信している。発売日からハイペースで力の入ったコースを投稿し続けており、かなりハマっている様子。また氏は、同作のSEとして収録されているおならの音が気に入っているようだ。
なお前出のHall氏もお手製のコース(BKR-Y5P-TSG)を投稿している。高難度アクション『kuso』や『LOVE』手がけたFred Wood氏もコース作成に励んでいる。まだ情報が集積されきっていないが、数々のゲーム開発者が『スーパーマリオメーカー 2』を楽しんでいる様子。Thorson氏のコースが楽しければ『Celeste』もおそらく楽しめるということで、ファンにとって嬉しいだけでなく、ある種の体験版としても機能するかもしれない。
なお、プロの開発者が手がけているわけではないが、他タイトルを似せたステージも作られつつある。死にゲーとしても知られている『Super Meat Boy Forever』風のギロチンだらけのステージや、もっぴん氏による井戸アクション『Downwell』風の落下アクションなどが登場しており、模倣的にステージを作る試みも存在するようだ。多くのギミックやメカニズムが導入されたことで、より幅広い2Dアクションゲームが作れるようになった本作。プレイヤー達が作るアイデア豊かなコースも楽しいが、本業の職人たちが作るコースを遊んでみるのも楽しい。Thorson氏のコースでいえば、「Banzai Bounce」がほどよい難しさと楽しさがあり、オススメである。