『ゴーストリコン ブレイクポイント』新要素ひとまとめ。ソロ時にはAIチームメイト無し、敵地に残されたノマドの孤独な戦いが待ち受ける

『ゴーストリコン ブレイクポイント』のソロプレイ時にはAIチームメイト無し。本稿では、疲労や損傷の概念があり、カモフラージュやカバーアクションが追加され、タクティカル要素が強化された本作の新要素をひとまとめ。『ゴーストリコン ブレイクポイント』は10月4日発売予定だ。

Ubisoftは5月10日、『Tom Clancy’s Ghost Recon Breakpoint(ゴーストリコン ブレイクポイント)』を正式発表した(関連記事)。対応プラットフォームはPlayStation 4/Xbox One/PC(Ubisoft Store/Epic Gamesストア)、発売日は10月4日を予定している。

「Breakpoint」は軍事用語で、部隊が本来の戦闘力を発揮できなくなる時点のことを指す。前作までのような計画に沿った任務遂行ではなく、本作では敵地で孤立したノマドの戦いが描かれる。新作の開発にあたっては、軍事コンサルタントや退役軍人など専門家の力を借りつつ、軍事サバイバル要素の導入が目指されている。敵地に取り残された不安やストレスを抱えながら戦う、没入感あるタクティカルシューター体験を目標とした『ゴーストリコン ブレイクポイント』。本稿ではそんな本作について、現時点で判明している新要素を紹介していく。

まず悪役となるのは、俳優ジョン・バーンサル演じるゴースト部隊の元リーダー「コール・デンホルム・ウォーカー」。前作『ゴーストリコン ワイルドランズ』の「オラクル作戦」アップデートにて今月5月にその姿を披露。ゴースト部隊と行動を共にした。新作では、一度は同胞として共に戦ったウォーカーがなぜゴースト部隊を裏切り、反旗を翻したのか明かされていく。

※『ゴーストリコン ワイルドランズ』「オラクル作戦」のトレイラー

現実世界のロケーションをもとにしていた前作までとは異なり、新作の舞台となるのはアウロアと呼ばれるフィクション上の群島。太平洋に浮かぶ自然豊かな群島であるが、そこには米国のテック企業Skell Technology(スケルテクノロジー)の本社および研究施設があり、最新の自律型ドローンやハイテク装甲車が開発されている。だがスケルテクノロジー社の施設はウォーカー率いる「The Wolves」が占拠。そこでゴースト部隊が出動するわけだが、現地に出向いた際にヘリコプターが墜落してしまう。

 

ソロではノマドひとりで戦う

The Wolvesは元米兵が集うエリート部隊。なお車両のハンドリングに関しては前作から大幅に改善されているという

主人公は『ゴーストリコン ワイルドランズ』と同じノマドであり、墜落したヘリコプターからの唯一の生存者である。つまり前作のようなAIチームメイトはいない。Co-opでは通常どおり4人協力プレイに対応しているが、ソロではノマドひとりの孤独な戦いが待っている。孤立したノマドにはミッションブリーフィングや細かな目標指示はなく、マップマーカーも目的地をピンポイントで教えてくれるわけではない。情報を収集し、地図を覚え、標的を探し出し、自力で目標を達成せねばならない。

では前作のような、仲間とタイミングを合わせて複数の敵兵を同時に排除するシンクショットは無くなるのかというと、そうではない。最大3機の小型ドローンを発動してシンクショットを行うことができる。Co-op時にも、各自小型ドローンを発動できるため、最大でなんとターゲット16体に対するシンクショットが可能となる。前作ではAIチームメイトがなかなかシンクショットを決められる位置に移動してくれない場合があったが、ドローンであればスムーズにシンクショットを決められるようになるのではないだろうか。

 

疲労と負傷

冒頭に挿入したゲームプレイ映像は、本作の新要素を紹介する内容となっている。まず真っ先に描かれているのは「疲労と負傷」の概念である。画面下部にスタミナゲージが表示されており、スタミナが切れると移動速度が遅くなる。また本作では坂を滑降することができるが、その間もスタミナは消費されていき、スタミナが切れると転げ落ちてしまう。すると敵に音を聞きつけられる恐れがあるほか、怪我にもつながる。負傷した場合、治療するまでエイムや移動速度、視界などに悪影響が出る。動画でも、足をひきずりながら歩き、ときおり頭をかかえ視界悪化と耳鳴りに悩まされるノマドの様子が確認できる。

 

ステルスとカバー

続いて本作では、泥や樹葉をカモフラージュとして使い、敵から身を隠すことができる。地形の利を活かしたステルス戦術だ。またプレイヤーの位置にあわせて自動的に遮蔽物に張り付くカバーアクションやエイム中のリーンも追加される。そのほかバーナーでフェンスを切断しての敵地潜入や、倒した敵が他の敵兵に発見されないよう身体を担いで隠す行為が可能となる。Co-op時にはダウンした仲間を担ぎ、安全地帯へと避難させてから治療することもできる。

 

ゲームプレイにも影響をおよぼす多様なバイオーム

公式ブログによると、舞台となるアウロアには雪山から沼地、密林地帯から火山までさまざまなバイオームが広がっており、それぞれ異なる戦術と、独自の危険が存在する。こうした環境・地形利用も、軍事専門家への相談を進める中で磨かれていったものだという。Ubisoftのオープンワールドゲームには多様性にあふれた世界が広がっているものの、これまではそれらをゲームプレイにうまく活かせていなかったと述べられている。その点、『ゴーストリコン ブレイクポイント』ではシリーズに限らず、Ubisoftオープンワールドゲームとしての進化が期待できそうだ。

 

PvE/PvP両方でのクラス制度採用

前作ではPvEとPvPは完全に別枠であったが、今作ではソロ・Co-op・PvPいずれもゲーム進行状況やクラスランク、装備品および装備レベルを共有。クラスについてはローンチ時点で、それぞれ異なるスキルツリーや特殊ツールを有する4種類のクラスから選択可能だ。具体的には、銃器による正面突破に強いアサルト、狙撃手のシャープシューター、ステルス重視のパンサー、そしてロケットランチャーを担いだ名称未発表のクラスである。プレイスタイルや状況にあわせて、クラスだけでなくロードアウトやスキルセットもカスタマイズできる。

これらはビバークと呼ばれる一時的な野営地にて変更可能。ビバークはミッション開始前の準備を行う場所だ。怪我の治療、レーションや包帯となった消費アイテムのクラフトもここで行う。任務遂行にあたり最適な日時・天候になるまで待機することもできる。またアウロアで調達した食料や水、植物を使用することで、ノマドの能力を一時的に引き上げられる。

 

ハイテク化した敵兵

敵兵の種類も増えており、ライフル兵、工兵、重装兵など、それぞれ攻め方や装備武器が異なる。また敵兵だけでなくスケルテクノロジー社のドローンもゴースト部隊を脅かす。飛行ドローンは銃撃に弱いが狙いを定めにくく、走行型ドローンは攻撃を当てやすいが防御が固い。このようにプレイヤーにはさまざまな障害が与えられ、それらに各々の方法で対処していくこととなる。

ソロプレイ時は孤独な戦い、Co-op時は仲間との共闘。どちらの遊び方でも『ゴーストリコン ワイルドランズ』とは一味違う、リアリズムの増したシューター体験が待っているのではないだろうか。またナラティブ面では100以上のカットシーン、会話の選択肢、沢山の新しいキャラクターたちが登場するという。ドラマ「The Walking Dead」や「The Punisher」で知られるジョン・バーンサルの演技にも注目が集まることだろう。なお4対4のPvPコンテンツに関しては、発売から半年後の実装となった前作とは異なり、ローンチ時から実装される予定である。

『ゴーストリコン ブレイクポイント』は10月4日発売予定。公式サイトではベータテストの参加希望登録を受け付け中である。なおベータアクセス権は、ゲームを予約することで確定で得られる。本作のゴールドエディション特典としては3日間の製品版早期アクセス権とYear 1パスが、アルティメットエディションの特典としてはさらにサバイバーパック、センクレッド・ランドパック、オフロードパックがついてくる。Year 1パスはローンチ後に配信される新クラス3種への早期アクセス権を含むものだ。

Ubisoft Store限定の「The Wolves Collector Edition」はウォーカーの24cmフィギュア付き

ローンチ後の計画としては、4か月ごとに大型DLCとして新エピソードが追加されていく予定。シリーズ初となるレイド型コンテンツも、こうしたDLCの一部として配信される。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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