『ファイナルファンタジー15』アップデートとコンテンツ開発が一区切り。最後の生放送では、開発スタッフは謝罪と感謝の言葉並べる

スクウェア・エニックスは本日3月26日、『FINAL FANTASY XV(ファイナルファンタジー15)』の生放送プログラム「アクティブ・タイム・レポート FINAL」を放送し、同作の開発および発信に区切りをつけた。

スクウェア・エニックスは本日3月26日、『FINAL FANTASY XV(ファイナルファンタジー15)』の生放送プログラム「アクティブ・タイム・レポート FINAL」を放送し、同作の開発および発信に区切りをつけた。1夜限りの復活と銘打たれたプログラムでは、グローバルブランドプロデューサーの大藤昭夫氏を司会とし、さまざまなゲストをまじえながらアップデート情報やこれまでの道のりが振り返られた。

まず冒頭では、ノクティス役の鈴木達央氏やルナフレーナ役の北川里奈氏がビデオメッセージにて、それぞれのキャラクターに込めた想いが語られた。そして『FINAL FANTASY XIV』とのコラボレーションや「MULTIPLAYER: COMRADES」のケニー・クロウクエストをおさらいしていた。

また4月25日に発売予定の小説「小説FINAL FANTASY XV -The Dawn Of The Future-」についても紹介された。同作は、『FINAL FANTASY XV』に隠されたもう一つの結末を描くという小説であるが、その一部を北川里奈氏が朗読しながら紹介された。特装版となる「CELEBRATION BOX」に収録予定のアートブックでは、開発中止となったDLCのアラネア編に登場する武器のイラストなども封入されているようだ。

画像は、放送のキャプチャしたもの

そして、本日発売となったエピソードDLC「EPISODE ARDYN」について紹介された。アーデン役の藤原啓治氏もボイスメッセージも届けいていた。さらに「EPISODE ARDYN」プロデューサーである新小田裕二氏やディレクターの寺田武史氏を迎え、開発の苦労やこだわりが語られた。新小田氏によると、DLCの開発中止が決まり、アーデン編も出せるかどうかわからず、2周年記念もできるかわからない状況だったという。さらにDLCの開発を中止した状況で、スタッフが公に出ることが正しいことかどうかという議論も社内であったそうだ。しかしながら新小田氏は、ひとりでも多くのファンに感謝を伝えることが重要だと感じたと語った。

最後に「EPISODE ARDYN」の配信によって『FINAL FANTASY XV』コンテンツ開発およびアップデートが区切りを迎えると改めて語られた。そして、大藤氏と新小田氏と寺田氏が開発を振り返った。同作においては比較的新人だったと自身を紹介する新小田氏は、無念さを見せながらもファンに深くお辞儀し感謝を見せた。7年開発に携わり続けた寺田氏は、ここまでユーザーに愛された作品と共に歩んでこられたことが良かったと振り返った。そして長らく「アクティブ・タイム・レポート」をはじめとした『FINAL FANTASY XV』の宣伝に携わった大藤氏もまた振り返る。氏は4年半にわたりイベントや生放送に携わり続けてきたという。氏が宣伝担当になった当時、情報が出ない時期が長かった状況を見て、ユーザーのもどかしさを知る身として、情報発信を重視したとコメント。こうした姿勢を好かないユーザーがいる知りながらも、ここまで支えてきてくれたファンに支えられてきたと述べた。

画像は、放送のキャプチャしたもの

大藤氏はさらに、『FINAL FANTASY XV』のファンからの反応にも踏み込んだ。本編の出来に対して賛否両論があったことを理解していると言及、さまざまなコメントを見てきたと語る。またDLCの中止などを含め、ファンに残念な思いをさせたことについて謝罪し、あらためてファンに感謝の言葉を述べ1時間強の放送は締められた。
【UPDATE 2019/3/31 12:00】
フィードバックについての点を修正

生放送は、特にYouTubeでは厳しい言葉がスタッフたちに投げかけられていたが、スタッフたちは言葉を選びながらもそうした声に向き合っていた印象だ。『FINAL FANTASY XIII VERSUS』からタイトルが変更され、長期間にわたり開発され、そして度重なるテコ入れがはかられてきた『FINAL FANTASY XV』のコンテンツ開発はひとまず終わることになるだろう。PC向けには、レベルエディターの実装も発表されていたが続報はなく、おそらく開発中止になった可能性が高そうだ。

最終回であり、大きな発表がないながらも、張り詰めた空気が流れ続けていた「アクティブ・タイム・レポート FINAL」。同番組の空気の重さは、ナンバリング15作目のプロジェクトの複雑さが垣間見えるかも知れない。Luminous Productionsは今後も開発を続けていくようだ。この紆余曲折を踏まえた上での、素晴らしい新作のリリースを期待したい。なお、本稿で抜粋したセリフや内容はプログラムの中のごく一部。その全容を把握したい方は、自身でプログラムを見て内容を確認してほしい。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

Articles: 5173