ゴリラの大脱走バイオレンス・アクション『Ape Out』Nintendo Switch版発売。人間をぶっ飛ばしてモリヘカエル
Devolver Digitalは2月28日、2Dアクションゲーム『Ape Out』をNintendo Switch向けに発売した。価格は1500円(税込)。本作は、インディー開発者のGabe Cuzzillo氏が、“壺男”こと『Getting Over It with Bennett Foddy』の開発者Bennett Foddy氏をアート担当として、そしてMatt Boch氏を楽曲担当に迎えて開発した、ゴリラの大脱走をテーマにした作品だ。ゲーム内は日本語表示に対応している。
プレイヤーは、どこかの施設内に捕らわれたゴリラ(厳密にはApe、類人猿)である。本作はステージクリア型の見下ろし型視点のゲームとなっており、檻を破壊して脱走し、遠く離れたステージの反対側にあるゴールに向かうことが目標となる。ただし、ステージには銃などの武器を持った人間が多数配置されており、ゴリラを発見すると追跡し撃ってくる。ゴリラにはある程度の耐久力はあるが、何発も被弾したり強力な攻撃を受けると死んでしまい、ステージをやり直しとなる。そのため、敵を排除したりやり過ごしたりしながら、迷路のようなステージを駆け抜けるのだ。
ゴリラの操作は、移動と攻撃、掴みのみ。敵は出会ってもすぐには撃ってこないため、接近して突き飛ばしたり、掴んで羽交い締めにし、そこから放り投げることが可能。いずれの攻撃もそれ自体では敵を倒すことはできず、突き飛ばしたり放り投げた先に壁やほかの敵がいれば、衝突してかなりバイオレンスな表現で始末できる。また、敵を羽交い締めにすると銃を前方に撃つため、これを利用してほかの敵を倒すことも可能だ。
敵は、ライフルやショットガンといった銃の違いから、窓を蹴破って突然現れる特殊部隊や、接近すると逃げて行く臆病な者などさまざまな種類がいる。特に連射できるマシンガンや、範囲攻撃できるショットガンや爆発物などの武器を持った敵は、多くの敵を一掃できるため掴まえて上手く利用したい。また敵は銃声やガラスの割れる音、あるいは血痕に反応する者もいるようで、ステージを進むに当たっては接敵するのかやり過ごすのかの選択だけでなく、立ち回りにも工夫が求められる。
ステージによってはユニークなギミックが仕掛けられている場合もある。たとえば、警報が鳴ってエレベーターから多くの増援が駆けつけてきたり、閉ざされたドアにより行く手が塞がれ、少し時間をかけてこじ開けなければならなかったり。なお、こじ開けたドアは盾にしたり、投げつけて攻撃するために利用できる。また、停電を引き起こして真っ暗闇にできるステージもある。ここでは敵は懐中電灯を持って警戒に当たっており、その光に入ると追ってくる、通常とは少し異なるゲームプレイとなる。そうしたバリエーション豊かな各ステージを抜けて、森へと帰るのだ。
本作はシンプルながらアーティスティックなグラフィックスタイルを採用し、シンプルなゲーム性ともうまくマッチしている。飛び散る血しぶきが引き立ち、本作のゴリラの凶暴さを印象付けているとも言えるだろう。また音楽も注目である。BGMにはフリースタイルなジャズドラムを採用しているのだが、ただバックで垂れ流しているのではなく、ゴリラの攻撃に合わせて音が鳴ったり、周囲に敵がいなかったり、逆に追われていたりといった状況によって動的に調子が変化し、ゲームプレイを盛り上げる役目を果たしている。ステージ選択画面には、レコードのジャケットをイメージしたメニューが用意されており、音楽は本作にとってこだわりの要素のひとつのようだ。なお本作は、明日3月1日にはSteam版の発売も控えている。