記憶をたどり夢を叶えるADV『To the Moon』Nintendo Switch向けに発売へ。新たな翻訳を引っさげ日本上陸

パブリッシャーX.D. Networkは本日2月27日、『To the Moon』をNintendo Switch向けに発売すると発表した。『To the Moon』は、「月に行きたい」と願う病床の老人の夢を叶えるアドベンチャーゲームだ。

パブリッシャーX.D. Networkは本日2月27日、『To the Moon』をNintendo Switch向けに発売すると発表した。発売時期は2019年夏で、価格は未定。『To the Moon』は、「月に行きたい」と願う病床の老人の夢を叶える、アドベンチャーゲームだ。

『To the Moon』は、2011年に発売された作品である。主人公であるエヴァとニールは、人々に「望む夢を見させる」という仕事に就いている。依頼を受けたのち、依頼対象である人々が眠っている最中に、その人の望む夢を見させるというもの。ふたりは夢を見てもらうために機械を介して依頼人の記憶に潜り込み、「なぜ」その夢を求めており、どのような形で夢を見させるべきであるのか、突き止めなければいけない。

本作においては、ある老人が抱く「月へ行きたい」という突拍子のない願望の根源を探すところから物語が始まる。夢の願望の正体を探すためには、直近の記憶から若い頃の記憶をたどっていく、ある種の時間旅行のような体験をする。独特な設定から繰り広げられる先の見えない展開や、シナリオを手がけるKan Gao氏自らが手がける美しい音楽など、ストーリーテリングが高い評価を獲得した作品である。

『To the Moon』については、弊社アクティブゲーミングメディアもPC版をPLAYISMより日本語版が販売中。PLAYISMのみで販売されているPC版については、紆余曲折ありPLAYISM側が開発側にSteamでの日本語対応を要請していたが、さまざまな事情を理由に断念したという背景がある。 X.D. Networkは弊社のPC版とは別の、スマートフォン版をリリース。そちらは日本語の品質について賛否あったが、Nintendo Switch版については新訳されるとのこと。『ICEY』において巧みなローカライズを実現した今の同社なら、物語に没入できるような翻訳を実装してくれるだろう。

なお、『To the Moon』は昨年5月に長編アニメが作られていることがKan Gao氏より発表されていた。中国の投資会社のバックアップを得ており、「君の名は。」を上回る予算規模で、日本のトップクラスのアニメ製作会社が製作していると報告されている(関連記事)。Nintendo Switch版の発売は、こちらのアニメと同期したものかもしれない。なお『To the Moon』の関連作品としては、テキストの存在しないスピンオフ短編作品『A Bird Story』、直接的な続編『Finding Paradise』が存在している。続編『Finding Paradise』も極めて高い評価を獲得しているが、残念ながら日本語対応には至っていない。『To the Moon』が盛り上がることにより関連作品の国内展開が進むことに大きな期待を寄せたいところ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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