ローグヴァニアアクション『Dead Cells』多数のコンテンツ追加と調整を含む大規模「アップデート1.1」コンソール向けに配信開始

インディースタジオMotion Twinは2月15日、現在販売中のローグヴァニア・アクションゲーム『Dead Cells』のコンソール向け「アップデート1.1」を配信した。コンソール向け最適化に加え多数の追加・調整・修正項目が含まれる。

フランスのインディースタジオMotion Twinは2月15日、現在販売中のローグヴァニア・アクションゲーム『Dead Cells』のNintendo Switch/PlayStation 4および海外Xbox One版向け「アップデート1.1」を配信した。PC版には昨年配信されており、コンソール向け最適化に加え多数の追加・調整・修正項目が含まれる。なお、ゲームプレイの途中でアップデートした場合、再開するとエラーが出ることがある模様で、その場合は「続行」ではなく「通常モード」を選択して最初からプレイし直してみてほしいとのこと。アイテムのアンロック状況には影響はない。

「アップデート1.1」での変更点としは、まずフレームレートが60fps固定となったことがアピールされている。これは特にNintendo Switch版のパフォーマンス向上を目的としたもの。Motion Twinは以前弊誌に対して、これのためにドライバをいちから作り直していると語っており、ついに完成したようだ。もともとストレスを感じるほどのパフォーマンスではなかったが、より滑らかな描画が期待できそうだ。

そして、もっとも大きな追加要素のひとつとして「通常モード」と「カスタムモード」がメインメニューに追加されている。通常モードは、(アップデートによる仕様変更はともかく)従来と同じゲームプレイを楽しめるモードで、一方のカスタムモードは、ゲームプレイの仕様を細かく設定してプレイできるモードだ。なお、今回ゲーム内実績機能も追加されており、ゲーム開始エリアにいるNPCに話しかけることで確認可能。ただし、カスタムモードのプレイ中には実績は解除されない。

カスタムモードを選択すると、これまでにアンロックした武器・スキル・変異のうち、ゲーム内に登場させるかどうかを個別にON/OFFでき、また初期装備を設定することも可能。本作では、どのようなアイテムを入手できるのかは完全にランダムで、これが魅力のひとつである。ただ、もちろん特定の武器やスキルを使いたいと思う人もいるだろう。そのために、設計図を入手しても必要なもの以外は極力アンロックせず入手率を高め、また好みの初期装備を“引き当てる”までリスタートを繰り返すプレイヤーが多かった。カスタムモードなら、そうした手間は不要となる。

カスタムモードではゲームルールも細かく設定可能。たとえば回復薬の上限や、特殊な部屋に入った際にプレイ時間を計測するタイマーを止めるかどうか、あるいは特定の品質のアイテムの出現頻度の調整や、補正効果や変異などを無効にしたりなどがある。さらに、ステージが暗闇や霧に包まれたり、敵を殺し続けなければ死んでしまうなど、特殊ルールを設定することもできる。また、本作ではステージ構成は自動生成により毎回ランダムに組み替えられるが、ここでシード値を入力することで、特定の構造のステージを再現することも可能だ。こうした設定は、プリセットとして保存しておける。

今回のアップデートによる、ゲームプレイにおける仕様変更は多岐にわたる。まず分かりやすい要素というと、これまで一部ステージの序盤に配置されていた、ゲームスタートからの経過時間によって閉じてしまう扉は、ステージ間のエリアへと移された。この扉の先には報酬があり、いわばスピードランプレイヤーのための救済措置的な意味合いがあったため、寄り道をしなくて済むようになった形だ。また、お金を拾うのにボタン操作をしなくて済むなど、ゲームプレイの快適さに寄与する調整もおこなわれている。

ステージ間には別の扉も新たに設置されており、前のステージにてダメージを受けることなく敵を30もしくは60体連続で倒したり、あるいはボスをノーダメージで倒すことで開く。こちらも報酬として、武器やスキルなどを入手できる。そのほか、本作のステージは自動生成だと先述したが、組み合わせるパーツやアルゴリズムに手が加えられたのか、アップデート前には見られなかったステージ構成が生成されるようになったため、この点でも新鮮である。

ほとんどの装備において、被ダメージ削減効果は撤廃されている。これは基本性能を高めたことによる変更で、アイテムの品質をアップグレードさせれば、被ダメージは増加していく形となる。一部の盾などの被ダメージ削減効果を好んで利用していた方は注意されたい。また変異には全体的に調整が加えられており、たとえば体力の回復効果のある変異では、絶対値ではなく全体に対する割合に変更されたり、スキルのクールダウンが敵を倒すごとに一定時間縮まるといった形になっている。

敵の強さに関しても調整が入っている。これまではプレイヤーの装備の強化具合によって敵も順応していたが、アップデート後は難易度毎に固定。従来との比較でいうと、ボス・ステムセル0(初期難易度)ではやや易しく、1・2では同程度。3・4ではより強くなり、特に終盤のステージでは装備に入念な準備が必要だという。また、エリートタイプの敵はランダムで追加スキルを発動させるようになった。たとえば、弾を撃ってくるシューティングゲームのオプションのようなものを従えたり、触れるとダメージを受けるレーザーを周囲に張ったり、あるいはクローンを生み出し2体で襲ってきたりなど、より手こずる強敵になっている。

そして、ラスボスを倒したあと、最初の牢獄に戻るための噴水の向こうに新たに扉が追加されている。現時点ではこの扉は開けることができず牢獄に戻るしかないのだが、開発元Motion Twinは無料DLCを近く配信予定だとしており、配信後にはここから新たなステージへと進むことになるのだろう。

開発中の新ステージ画像


今回のアップデートにより、本作は劇的な変化を遂げている。特に高難易度では、より歯ごたえあるゲームプレイに挑戦できるだろう。ここに挙げた以外にも多数の調整がおこなわれているため、詳細は公式サイトのパッチノートを確認していただきたい。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

Articles: 6794