『Battlefield V』の売り上げはEAの予想を下回る。発売時期やバトルロイヤルモードの実装を後回しにした判断が影響
Electronic Artsは2月5日、2019会計年度第3四半期の決算を発表した。会見に臨んだCEOのAndrew Wilson氏はまず、ホリデーシーズンを含むこの四半期は多くの新たなコンテンツが世界中でリリースされ、ゲーム業界として引き続き拡大する結果となった一方で、非常に競争の激しい時期でもあったと述べる。そしてEAとしても大きな試練となり、結果的に想定を下回る売り上げにとどまったとした。
具体的なタイトルとして挙げられたのは『Battlefield V』だ。同作はもともと10月に発売される予定だったが、ゲームプレイのコア部分の最終調整のため11月20日へと延期された。Wilson氏は、同作は長期間にわたって運営していくことを目指しているため、そのポテンシャルを引き出すためには必要な延期であったとしながら、新発売日がホリデーシーズン真っ只中となったのは不運だったとしている。この時期は大幅な値下げがおこなわれるため、売り上げに大きく響く結果となったという。
なお、同社COO/CFOのBlake Jorgensen氏によると、『Battlefield V』の第3四半期での売り上げは730万本で、同社の当初予想よりも100万本少ない結果となった。さらに同作の発売によって、サブスクリプションサービスOrigin Access Premierへの加入者増加も見込んでいたものの期待したよりは伸びず、これも同作のローンチに影響してしまったと述べる。
また開発の優先順位付けにおいて、シュータージャンルにて大きな人気を得ているバトルロイヤルモードを後回しにし、シングルプレイのキャンペーンモードなどを発売日に間に合わせるよう優先しており、この判断もローンチと同時に同作に弾みをつけていくことを難しくしてしまったと振り返っている。その『Battlefield V』のバトルロイヤルモード「ファイアストーム」は、今年3月に実装予定。徐々に縮小していく炎の輪に囲まれた戦場にて、16チームの分隊からなる最大64人で戦い、最後の1分隊となることを目指すモードだ。戦車やビークルの使用やリッチな破壊表現など、同作らしい要素が取り入れられる予定である。
Wilson氏によると、2019会計年度には2700万人以上のプレイヤーが『バトルフィールド』シリーズのいずれかの作品をプレイしていたという。月間アクティブユーザーにすると『バトルフィールド 1』は約400万人、『バトルフィールド 4』には約200万人おり、現在EAとしては新たなゲームモードやコンテンツをもって、これらのプレイヤーを『Battlefield V』に誘導していくことに焦点を絞っているとのこと。そして、ゲームの売り上げ本数を伸ばすとともに、プレイヤーがコスメティクス要素にお金を落としてくれることを期待しているとしている。
なお、今後期待をかける新作としては、『Apex Legends』や『Anthem』『Star Wars Jedi: Fallen Order』などが言及されている。また2020会計年度内には、シューターとしての『Plants vs Zombies』や『Need for Speed』シリーズの新作を計画していることも明らかにされた。昨日リリースされた『Apex Legends』については、最初の24時間で250万人がプレイし、同時接続ユーザー数のピークは60万人だったとのこと。Wilson氏は、まだ始まったばかりではあるものの、非常に大きな反響を得ていると述べる。そして『Anthem』については、体験版が累計4000万時間以上プレイされた結果を受け、今年度は500〜600万本という予想を据え置くとした。