『キングダム ハーツIII』はとにかく尊い。『Feudal Alloy』は物足りない部分もあり。『The Swords of Ditto』は過酷。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。168回目です。
金魚の謎は結局解けず
今週は『Feudal Alloy』、ブリキロボットが暮らす世界を舞台にするメトロイドヴァニアをプレイ。絵本のような暖かいビジュアルに興味を惹かれ気になっていました。マップを探索し、新たなスキルや鍵を入手して行動範囲を広げていくという流れはこのジャンルらしい。次第に2段ジャンプや空中ダッシュが可能になり、電気のバズーカを撃てるようになったりと、当初のブリキらしいギコギコ可愛い感じは何処へやら。強力な装備に身を包めば、なんだか立派な騎士になったよう。
個人的におおむね気に入ったのですが、ボリュームの少なさは気になるところ。10時間かからずクリアでき、敵やステージのバリエーションも少なめ。せっかくユニークな世界観を持っているのに、物語要素が冒頭とエンディングだけなのはもったいない。たった2人での開発という事情もありそうですが、IPとしてのポテンシャルは感じられ、続編があるなら期待したいところです。
by Taijiro Yamanaka
世代を超えた戦い
今週は『The Swords of Ditto』をプレイしていました。旬を逃した感はありますが……。百年ごとに繰り返される魔女と勇者の戦いを描いたアクションRPGです。マップはもちろん、建物やダンジョンの配置、はては街の名前までもがプレイ毎に変化し、異なる展開を楽しめます。ただし、死亡すれば最初からやり直し。カートゥーンのような見た目に反して、ハードなゲームなのです。
本作の難易度を上げているのは、宿屋のような回復スポットがない上に、回復アイテムがおおむね有料でしか入手できない点でしょうか。主な収入源は、剣での草刈りか、モンスターを倒すこと。いずれも雀の涙ほどのお金しか手に入りません。おかげで、お金を稼いでは回復アイテムを買う日々に……。勇者とは過酷なのです。それでもなんとか4人目……つまり400年かけて魔女モルモを倒せたのですが、このゲームはどうやらここからが本番の様子。世界に秘められた謎を解き明かし、魔女の厄災を永遠に止めることはできるのか。心が折れるまで頑張りたいところです。
by Kouzou Suzuki
割と心動かされる完成度
発売された『キングダム ハーツIII』を遊んでいます。なんかもうこのゲーム、めちゃくちゃ尊いです。美しくて楽しくて、賑やかで丁寧で。ビッグタイトルはその規模の大きさゆえに、どこか歪だったりほころびがあったりするものなのですが、今作ではプレイ時間10時間を超えた時点でそういうものは全然見つかりません。むしろ圧倒的に調律されているんですよね。ゲームプレイとカットシーンのバランス。戦闘の気持ちよさと難易度のバランス。オリジナル世界とディズニー世界のバランス。エリアの広さと報酬のバランス。すべてのバランスがよく、それでいて探索の楽しさや演出が大幅強化されています。グラフィック向上によりディズニーワールドの魅力も大幅向上。歩くたびに驚きがあって、テーマパークのようです。複雑なお話をシンプルに表現しようとしている点も好感が持てますね。
それでいて、プレイヤーを楽しませる配慮も行き届いており、もうなんというか、尊いとしか表現できない作品です。シリーズの大ファンというわけではないのですが、執念ともいえる作り込みと丁寧さが両立されており、遊びながらうるうるしています。10時間ずっと「楽しい」感覚が続くゲームはそうそうないかなと。このプレイフィールがクリアまで続くかはわかりませんが、筆者はそのクオリティにとにかく心打たれているのです。
by Minoru Umise