「Project Morpheus」はゲームだけのものではない、吉田修平氏が将来的な幅広い展開に期待

PlayStationプラットフォームにおけるゲーム向けVRヘッドセットとの立ち位置が強調されている「Project Morpheus」だが、吉田氏は将来的にさらなる幅広い展開を期待しているようだ。

SCEワールドワイド・スタジオの代表取締役会長である吉田修平氏は、海外メディアPolygonの取材を通して、同スタジオのVRヘッドセット「Project Morpheus」の将来に関する考えを明らかにした。現時点ではPlayStationプラットフォームにおけるゲーム向けVRヘッドセットとの立ち位置が強調されている「Project Morpheus」だが、吉田氏は将来的にさらなる幅広い展開を期待しているようだ。

ゲームに縛られる必要ない

吉田氏は「体験は決してゲームに縛られる必要はない」とコメントした。既存のVRデバイスには、使用者がイベントの中にあたかも存在しているように感じることができるパノラマ式の映像技術が組み込まれており、決してインタラクティブである必要はないと続けている。「Project Morpheus」にはインタラクティブな要素を盛り込んだ作品やデモが多数発表されているが、昨年の東京ゲームショウ2014では、「“AKB0048”דアクエリオン”多次元スペシャルライブ」と名付けられた映像体験にフォーカスしたデモ映像が公開されていた。

また吉田氏は、VRヘッドセットを通じた体験が、ゲームにまったく興味がない人をも惹きつけるものになるとしている。世界の美しい場所を訪れる、演劇を見るといった体験があり、ゲームオーディエンスだけでなくさまざまな層の人々にリーチする可能性があると考えているようだ。

とはいえ当面はゲームを目指す

とはいえ「Project Morpheus」が早々にゲームオーディエンスを捨て去ったのかといえば、そうではない。吉田氏は「PS4ユーザーはおおむねゲーマーであり、そしてゲーマーは新しい体験を求めている。だから我々はPS4の所有者をターゲットにしている」とコメントした。確かに、E3 2015のSCEプレスカンファレンスでは、長年『Killzone』シリーズを手がけてきたGuerilla Gamesが、「Project Morpheus」ローンチタイトルとして『RIGS』を正式発表している。

吉田氏は、ゲーマーとして「Project Morpheus」が欲しいとしても、購入する際に家族を説得するために非ゲームコンテンツも必要になるだろうと軽いジョークを伝え、ゲームも含めたさまざまなコンテンツが存在することが重要であるとの考えを示した。そして最後に、これがE3 2015ではなく、GDC 2015にて多数の情報を解禁した理由だと締めくくっている。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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