リメイク版『ファイナルファンタジーVII』、実はPS4移植版の発表前から開発が続いていた

実はPS4版移植の発表前から、リメイク版『FFVII』の開発が続いていたことを野村哲也氏が明らかにしている。

海外メディアSiliconeraのリーク情報から数日後、SCEプレスカンファレンスにてリメイク版『ファイナルファンタジーVII』が正式発表を迎えた。スクウェア・エニックスは、昨年12月にPlayStation ExperienceにてPC版『FFVII』のPS4向け移植を明らかにし、ファンから単なる移植ではなくリメイクを出せと大きなバッシングを受けた経緯がある。しかし実はこのPS4版移植の発表前から、リメイク版の開発が続いていたことを野村哲也氏が明らかにしている。海外メディアEurogamerが取材し報じた。

若い世代に一任すべきかどうか

野村哲也氏は1997年にオリジナルの『FFVII』のキャラクターデザインを担当していた人物だ。野村氏によれば、スクエニ内部にてリメイク版『FFVII』については断続的に話し合いが行われてきたそうで、「時にはできると思ったし、時にはできないかもしれないと思った」と続けている。またオリジナルの開発メンバーがすでに年を取り過ぎていることを挙げ、若い世代に開発を一任すべきかどうかでも悩んでいたようだ。最終的には、オリジナルのメンバーでやりたいとの考えが通った。ディレクターは野村哲也氏、プロデューサーは北瀬佳範氏、シナリオは野島一成氏と、当時のメンバーが再集結する。

昨年の『FFVII』のPS4向け移植が発表された時、リメイク版『FFVII』の開発はすでに始動しており、水面下にて進められていた。その際に発表しなかった理由について、野村氏は「リメイクをいつ発表しようか迷っていた」と説明する。2つの『FFVII』がPS4に登場することになるが、野村氏は『World of Final Fantasy』や『キングダムハーツIII』を例に挙げ、複数のタイトルをPS4向けにリリースしていると説明し、特に移植版とリメイク版の登場に因果関係は無いとしている。

なぜこのタイミングで発表したのか

野村氏は、リメイク版『FFVII』を含む多数のタイトルがPS4向けにリリースされることで、ユーザーが行世代の家庭用ゲーム機を買う意欲が加速すると考えている。そして多数のタイトルを販売した後にリメイク版『FFVII』を発表してもインパクトが無いと考え、今回のタイミングの発表に至ったことを明らかにした。

北米市場では家庭用ゲーム機の需要は順調に成長しているが、日本国内では縮小が続いており、2014年のゲームハードおよびゲームソフトの売り上げは昨年から下落している。E3は米国にて開催されているゲーム見本市ではあるが、このタイミングで発表することにより、縮小が続く国内市場向けにもPS4の購買をアピールする意図があるのかもしれない。秋に開催される東京ゲームショウでは、恐らくさらなる最新情報で日本のユーザーたちを現行世代に惹きつけてくれるだろう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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