『Fallout 76』収納箱の容量拡張やC.A.M.P.の仕様変更などを含む12月配信予定パッチの概要を発表。Redditではユーザーへの謝罪も
『Fallout 76』の開発元Bethesda Game Studiosは11月27日、「Inside the Vault」と題した投稿を公式サイトにておこなった。同スタジオは、プレイヤーからのフィードバックに基づいて本作の定期的な改善や仕様の追加をおこない、ゲームに変更を加えていくとし、今後はこの「Inside the Vault」にて、現在何に取り組んでいるのかを公開していくとのこと。
FALLOUT 76: INSIDE THE VAULThttps://t.co/dp19XK5jCu
私たちの取り組みについてお知らせします。米国時間の12月4日及び12月11日にパッチを予定しており、皆さんからのご意見が多かった収納箱の容量増加やC.A.M.P.の仕様等にアップデートが入る見込みです。 #Fallout76 pic.twitter.com/PWLVNSzT0N
— ベセスダ日本公式 (@Bethesda_jpn) November 28, 2018
今回は、12月4日と12月11日に配信予定の2種類のパッチに含まれる特に重要な改善点について公開されており、内容は以下のとおり。なお、配信予定日についてはサーバーの安定性などの理由により変更される可能性があり、その場合は改めて公式サイトやSNSを通じて案内される。
12月4日配信予定のパッチ
・収納箱の容量を増加: 収納箱の容量に関するご要望を多くいただいたため、最大容量を400から600まで拡張します。大幅な増加ではありませんが、ゲームの安定性に悪影響を及ぼさないことが確認でき次第、さらに容量を増やすことを検討しています。
・ボスのドロップ: プレイヤーがボスを倒した後は、クリーチャーの難易度とレベルに応じて必ず2~3点のアイテムを取得することができます。
・クライオレーターの効果: クライオレーターの攻撃を受けたプレイヤーは、ヒット数に応じて凍結、冷却、氷結のいずれかの状態異常になります。また、これらの状態異常による移動スピード低下効果の持続時間も2時間から30秒に変更されます。
・重量オーバー時のリスポーン: 重量オーバー時に死亡したプレイヤーはVault 76でしかリスポーンできない現象を解消します。今後は、重量オーバーのプレイヤーは最寄りのマップマーカーでリスポーンすることができます。
・パワーアーマーが脱げない現象: プレイヤーがパワーアーマーを脱げなくなる現象に対処します。この現象が起こり得る状況は他にもいくつか存在することを確認しており、引き続き調査を進めていく予定です。
12月11日配信予定のパッチ
・PC版の仕様追加: 今回の更新により、PC版ではボイスチャットのプッシュトゥトーク設定、21:9画面解像度の対応、および視野サイズの設定が追加されます。
・S.P.E.C.I.A.L.ポイントの振り直し: レベル50以降は、新しいPERKカードを取得するか、過去に使用したS.P.E.C.I.A.L.ポイントを再度振り分けるか、選択できるようになります。
・ログイン時のC.A.M.P.の位置: サーバーへのログイン時に他のプレイヤーが自分のC.A.M.P.の位置を使用している場合に自分のC.A.M.P.が自動的に図面状態に戻るという仕様を変更します。今後は他のプレイヤーがその位置を占有しているという通知を受け取れるようになり、同じサーバー内に自分のC.A.M.P.を設置できる位置があれば、C.A.M.P.を設置した状態でそちらに移動できるようになります。C.A.M.P.の位置を変更しない場合は、その位置が空いている新しいサーバーへと切り替えられます。
・ブルドーザー: 新しいC.A.M.P.機能で小さい木、岩、その他障害物を除去することが可能となり、C.A.M.P.を好きな時に好きな場所に建造・設置することができます。ブルドーザーで周辺エリアを整え、C.A.M.P.をさらに居心地の良い場所にすることもできます。
これらのパッチでは、収納箱(スタッシュ)の容量拡張や、C.A.M.P.の仕様など、プレイヤーからの要望が多かった部分の改善に手をつける形となっている。なお、これらはあくまで概要であり、ほかにパフォーマンスおよび安定性の向上やバランス調整などもおこなわれる予定となっており、詳細なパッチノートは後日公開される。また、11月19日に配信されたパッチでは、コンソール版の場合50GB弱ものファイルのダウンロードを求められたが、今後はなるべく早くゲームを再開できるようパッチサイズを小さくしていく方針だという。
今回Bethesda Game Studiosは、Redditにも同様の投稿をおこなっているが、こちらでは「本作の現状やコミュニケーションの欠如について、皆さんがフラストレーションや怒りを抱えていることを理解しています」という書き出しから始まっている。Redditでは、本作への要望などが日々書き込まれており、同スタジオが時折返信することもあるが、フィードバックへの感謝の言葉やサポート窓口への案内の定型文を投稿することが多かった。昨日にも、ファンが本作の数々の問題点を列挙してBethesdaに説明を求めたが、ここでも同じ定型文が投稿されたことで不満が噴出し、同スタジオのアカウントはPR会社が運用しているのではないかという疑念まで呼んだ。同スタジオは、Redditアカウントは自社のコミュニティチームによって運用されており、また説明しないということはすなわち何も取り組んでいないというわけではないとしながら、ファンとの向き合い方として正しいアプローチではなかったとして謝罪している。今後は開発チームとの良い橋渡しができるよう、適切に取り組んでいくとも述べている。
個別のタイトルについて活発な議論が交わされるRedditは、メーカーにとって準公式的な位置付けで利用されることも多く、特に本作のような運営型のタイトルの場合は、透明性のあるコミュニケーションが期待される。良い内容であれ悪い報告であれ、具体的な行動を伴う率直な姿勢はファンとの信頼関係を築くことに繋がるだろう。
『Fallout 76』は、シリーズ初となるオンラインマルチプレイを前面に押し出した野心作として発売されたが、バグやクラッシュを含め数多くの問題点が指摘されており、海外レビューではシリーズの中でも最低クラスの評価となってしまっている(関連記事)。そうした事情もあってか、ブラックフライデーに合わせたものではあるものの、発売直後にもかかわらず大幅な割引セールをおこなったことも波紋を呼んだ(関連記事)。Bethesdaは本作について長期的な運営を目指しており、今回発表されたパッチのように、プレイヤーからのフィードバックをもとに本作の改善を積極的に続けていくことだろう。そういう意味では、ファンとのコミュニケーションのあり方が、本作の評価を挽回するカギとなるのかもしれない。