PS4/PC『THE QUIET MAN』オーディオを追加する解決編アップデート配信開始。言葉を得たあなたは真実を知る
スクウェア・エニックスは11月8日、PlayStation 4/Steamダウンロード専売のシネマティックアクションゲーム『THE QUIET MAN』について、無料アップデート「THE QUIET MAN—ANSWERED—」の配信を開始した。
本作は耳が聞こえない主人公デインの視点から描かれるシネマティックアクションゲーム。配信済みのゲーム本編1周目は、台詞・音がほとんど聞こえない中で物語が紡がれていく考察パートであり、今回配信された「—ANSWERED—」は音声ありの状態で本作を遊ぶ2周目/解明パートとなっている。以下のトレイラーでは、本作の重大な謎のひとつに対する答えが提示されるため、1周目未プレイの方は閲覧注意。
『THE QUIET MAN』は実写ストーリーパートとCGアクションパートに分かれており、かつ先述したように台詞・音声による情報伝達がほとんどないという独特のシネマティック体験を届けようと試みるスクウェア・エニックスの野心作。眠らない都市ニューヨークを舞台に、主人公デインが、「Club Moonrise」の歌姫の誘拐事件を受けて動き出す。謎の仮面の男からララを救出すべく、デインを知るアッシュ警部補やクラブのオーナーのテイ、ギャングSOL33のメンバーなど、さまざまな人物が絡み合う物語に飲み込まれていくのだ。
リリース時に配信されたオーディオ無しの考察パートは、実写ストーリー・CGアクションともに酷評され、レビュー集積サイトMetacriticでのメタスコアは33点、ユーザースコアは3.3/10点(11月9日時点)と低迷。リリース当初よりはスコアが伸びてはいるものの、内容を理解できないまま長時間の会話シーンが展開される点や、単調なアクションパート、カメラアングル、操作スキームなど全体的に否定的な感想が多い。
ただ、そうした批判の一部は開発陣も想定していたようだ。アップデートを記念してライブ配信された「『THE QUIET MAN』LIVE!アップデート記念放送」(動画リンク)にてプロデューサーの藤永健生氏は、本作が2周プレイ前提の物語体験となっていることに触れ、1周目を苦痛に感じるプレイヤーが出てくることは承知で、それでもなおこの2周前提の仕掛けにより届けたいことがあったと説明している。
藤永氏は本作のアクションパートについて、2周プレイした方であれば「コンバットはおまけだなっていう作り手の意図をちょっとでもわかってくれるかなという期待はあります」と回答。主人公デインの「狂暴なほどのピュアさを体感するためにバトルというものをいっぱい入れている」と答えている。
また2周前提の構造について改めて「1周目だけ遊んだ状態だとこのゲームの40%しかやっていない状態」と説明。作品全体のテーマについて「言葉を超えてわかりあえること、言葉がなくても大事なことはわかるはず」といったことを念頭に置いており、2周目で真相を知ったとき、それでもなお1周目に感じたであろう主人公デインの純粋な気持ちが大事だと感じるのか、それとも、「事実の力、言葉の力に押しつぶされるような経験」になるのか。「やっぱり言葉って偉大だな、言葉無しではやっぱり生きようがないな」と感じるのか、プレイヤーそれぞれの受け止め方で本作を楽しんで欲しいと締めくくっている。
税込1944円で約3時間の物語体験を届けるお手頃価格の『THE QUIET MAN』。1周目をプレイ済みの方は、2周目のプレイも検討してみてはいかがだろうか。