スローライフRPG『Kynseed』Steam早期アクセス配信開始。未完成ながらかわいらしさと奥深さ光る
インディースタジオPixelCount Studiosは本日11月9日、Steamにて『Kynseed』の早期アクセス配信を開始した。価格は1010円。正式リリースは1年以上先と開発は初期段階であり、コンテンツの増加にともない、価格は引き上げられるという。PixelCount Studiosは、Lionhead Studiosに所属し『Fable』シリーズに携わったクリエイター数名が設立したスタジオだ。
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『Kynseed』は、サンドボックス型のRPGだ。手っ取り早くいえば、『牧場物語』や『Stardew Valley』といったジャンルのゲームとなっている。プレイヤーは男もしくは女キャラクターを選択し、辺境の村での暮らしをおくることになる。親の手伝いをしながら平和に暮らす中で不思議な木の実「Kynseed」を手に入れることから、奇妙な出来事に巻き込まれていく。
プレイヤーは、ゲーム内の1日を自由気ままに過ごしていく。釣りをしてもいいし、ほっつき歩いてもいいし、作物を育てても、住民とコミュニケーションをしてもいい。奔放に暮らしてみてもいいが、日々のタスクをこなすのがいいかもしれない。本作では、日と週など期間にわけてのタスクが存在する。たとえば序盤は豚の餌やりを父親に頼まれており、それをこなすことで駄賃がもらえる。日々のタスクを片付けてから自由時間を満喫するというのは、“牧場ゲーム”の醍醐味。タスクを中心としたルーチンワークが組み立てられるだろう。
早速遊んでみて魅力的に感じた点としては、ゲームプレイの奥深さだ。たとえば、ひとつのオブジェクトに対しできる行動は多く、豚に対してはなでたり餌をあげたり、乗り回したり。人と会話する際もプレゼントなどができるほか、いくつか会話のトピックが選択できたりもする。そのほか、アイテムにはそれぞれ品質のようなパラメータと叙情的な説明が併記されていたり、サバイバルゲームのようなシステムも取り入れられている。
昼や夜で世界の姿が大きく変わったり、多岐にわたるイベントが用意されているなど、重要なポイントを抑えている点も評価が高い。早期アクセス配信開始直後ということで、ゲームの最大の特徴ともいえる「寿命」にあたる要素は実装されておらず、マップも限定的であるが、それでもスローライフゲームとしてのポテンシャルは感じられるだろう。その自由度からは、『Fable』シリーズのエッセンスも味わえるかもしれない。
気になる点といえば、やはりテキストが多いことだろうか。テキストが凝らされており非常に魅力ある世界観が築き上げられているが、現時点ではすべて英語。英文を読み慣れていなければ、なかなかゲームを進めるのにも苦労するところだろう。PixelCount Studiosはかねてから日本ユーザーの反応には関心があり、弊誌に対しても「その声が大きければ、日本語に対応したい」と語っている。まだ発売初日であるがセールスの出だしも上々のようなので、安価なうちにゲームを購入し、プレイしてみて気に入った際には、日本語対応を求める声を開発元に伝えてみてはいかがだろうか。
『Kynseed』は、Steamにて早期アクセス販売中だ。