改造PS4を販売していた業者が、SIEに訴えられる。「これさえあればどんな作品もコピー可能、もうゲームを買う必要はない」と悪質に宣伝
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、カリフォルニアの中央地方裁判所にて、個人販売者Eric David Scales氏を相手どり訴訟を起こしたことが明らかになった。TorrentFreakなどが報じている。Scales被告は、SIEから発売されているPlayStation 4をJailbreak(ハードウェアの仕様の脆弱性などを突き、改造する行為)し、ほかのユーザーにeBayなどを介して売りつけたとされており、デジタルミレニアム著作権法の不正取引違反などで訴えられている。訴状などはこちらから確認できる。
Scales被告がBlackcloak13というアカウントを使いeBayで出品していたPS4本体は、改造が施されたものであり、『ゴッド・オブ・ウォー』から『HELLDIVERS』、『New みんなのGOLF』など、大型タイトルからダウンロード作品を含めた60以上の作品が同梱されていたという。具体的には、定価の299ドルより200ドル高い499ドルで、63ものゲームを含んだ改造PS4がBlackcloak13というユーザーより販売されていたことも、実際に確認されている。SIEは、この業者から2つの改造されたPS4を、仲介業者を介して購入し、その中身を検査し確認したことも明かしている。Scales被告のメールアドレスは、取引時に把握したものとのこと。これだけでも多大な損害が見込まれるが、さらに問題視されているのは、Scales被告が運用していたというWebサイトだ。
黒の背景にPlayStationのボタンアイコンが光り、さらに真ん中にはガイコツのアイコンが示された“いかにも”なサイトでは、改造版PS3/PS4がユーザーに直接販売されていた。そこでは「あなたは自由を手にする」「ゲームを買うのをやめなさい」と過激な煽りフレーズが並ぶ。このサイトで改造ハードウェアを購入すれば、すべてのゲームが無料で手に入るので、ゲームを購入する必要がなくなるという言い分だろう。購入はもちろんのこと、悪質な宣伝行為もまたSIEから強く批判されている。
Scales被告のしてきた行為は、己の利益のためにハードウェアを改造してそれを売り、さらにはゲームの購入をやめるよう呼びかけるなど、どれをとっても弁解の余地はない。この訴えが認知されることによって、eBayやそのほかネット販売サイトで、違法な改造PS4が販売されることが減少していくのを望みたいところ。