『PUBG』の新たなマッチングの仕様が混乱を呼ぶ。環境の悪化や中国ユーザーとの遭遇の報告が寄せられる
PUBG Corporationは10月3日、バトルロイヤルゲーム『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)のPC版向けのライブサーバーアップデートを実施した。このアップデートでは主にゲームシステム部分に手が入れられ、大きな変更点のひとつとしては、マッチメイキングにおけるサーバーの地域(Region)の区別を撤廃したことが挙げられる。これまでは、プレイヤーは任意のサーバーを選択してプレイしていたが、アップデート後は、プレイヤーがいる地域に応じてサーバーの地域が自動的に選択されるようになった。ほかの地域のプレイヤーとSQUADチームを組んでいる場合は、平均Ping値を参照し、一番低い値をもとに最善な地域のサーバーが自動選択される。
このサーバーの自動選択についてPUBG Corp.は、プレイヤーが本来属しているサーバーの地域、あるいは似たような環境のほかのサーバーの地域のプレイヤーとマッチングされるようになり、より円滑な環境を提供できるだろうと説明している。しかし結果的に、プレイヤーによっては改善が見られず、むしろ悪化したという報告が寄せられることとなってしまった。
Redditでは、今回のアップデートについて議論するスレッドがいくつか立てられている。本来であれば、地理的に近いサーバーでのPing値の低いマッチングが期待されるところであるが、Redditでは逆にPing値が高く、遠い地域のサーバーに接続されたと思しき状態でのプレイを強いられたり、マッチングされるまでより長い時間がかかるようになったなどという報告が寄せられている。日本でも、PUBG JAPAN公式Twitterアカウント宛への同様の意見が散見される。
一方で、たとえばオセアニア地域やロシアのプレイヤーからは、マッチングが改善されたという報告がある。これについては、これまで任意でサーバーを選択できたことによりプレイヤーが分散してしまっていたのが、サーバーの自動選択が正しく機能して地元のサーバーの人口が高まったのではないかという見方がある。また上述の問題の裏返しで、ほかの地域のプレイヤーも流入しているのかもしれない。
これとは別の問題として、プレイヤーに近い地域のサーバーが自動選択されているはずであるにもかかわらず、中国のプレイヤーとマッチングする機会が依然としてある、あるいは地理的に近い韓国などではむしろ増えたという報告もある。そこには地理的な距離によって発生するラグや、チーム内でのコミュニケーションの問題もあるが、最大の懸念はチーターの存在だろう。もちろん中国のプレイヤー全員がチーターというわけではないが、その人数は特に多いとされ、PUBG Corp.はテンセントと協力して中国国内でのチート開発・販売業者の取り締まりに努め、またチーターのBANを続けている(関連記事)。
こうした報告を受けてPUBG Corp.は、10月4日と5日にパッチを続けて配信。マッチングにかかる時間や、いくつかの地域でのマッチングに関するバグについて修正したという。ただプレイヤーからは、依然問題は解決されていないという報告が寄せられており、PUBG Corp.は引き続き状況をモニタリングするとしている。
PUBG Corp.は、現在取り組んでいる『PUBG』の改善点を「FIX PUBG」という専用ウェブサイトにてロードマップとして公開している。この中では、より速くより適切なマッチングを実現することも挙げられており、今回のアップデートはその一環であったと思われる。チート対策については、チートプログラムの検出およびブロック、法的措置、ハードウェアBANなどの取り組みが進行中だとしている。マッチングに関しても、まだ対応完了のステータスにはなっておらず、上述したとおり修正が続けられているが、この10月いっぱいを目処に目標を達成すると掲げているため、今後の対応が注目される。