少年少女を不思議な島の頂上に導くパズルADV『The Gardens Between』Steam/Nintendo Switch/PS4にて発売。操作するのは「時間」のみ
オーストラリアのインディースタジオThe Voxel Agentsは9月20日、パズルアドベンチャーゲーム『The Gardens Between』をPC(Steam)/Nintendo Switch/PlayStation 4向けに発売した。価格は、Steam版が2050円(9月27日までは10パーセントオフの1845円)、Nintendo Switch/PS4版が2199円(価格はいずれも税込)。言葉を必要としないゲームではあるが、架け橋ゲームズのローカライズにより、メニュー画面などは日本語に対応している。
本作の主人公は、勝気な少女Arinaと、頭の回転が速い少年Frendt。お隣さんで親友でもあるふたりはある雨の夜、近所の空き地にある木の上に作った“基地”ともいえる小屋にいたところ、突然時間が静止し、同時に小屋の中に光の珠が現れた。そして、その光に触れたふたりは、小屋ごと不思議な世界へと転送されてしまう。そこは、広い海に小さな島が点在する世界で、ふたりは小屋を船代わりにして島に上陸する。すると目に入ってきたのは、おもちゃやビニールプール、テレビゲーム機、その他の日用品など、ふたりが幼い頃に毎日触れていたモノばかり。しかし、かなり巨大化して島の中に配置されている。
プレイヤーは、ふたりを導いて島の頂上を目指す。ただし、操作するのはキャラクターではなく、時間である。本作では、時間を自由に進めたり戻したりでき、時間を進めるとArinaとFrendtは頂上へと続く道を歩き出し、時間を戻すと上陸地点の方向に巻き戻っていく。ふたりの役目としては、Arinaは冒頭で入手するランタンを持ち、一方のFrendtは島に配置されているさまざまなスイッチの操作をおこなう。道中では、花から光をランタンに取り入れることができ、その光を頂上にあるモニュメントまで届けることが各ステージの目的である。ただし、光は別の用途に使う必要があったり、失ってしまうこともある。
たとえば、道が途切れていて進めない場所でランタンの光を使うと、橋がかかって進めるようになる。そして、花の中にはランタンから光を吸い取ってしまうものがある。このように、ランタンの光を使用したり失った場合に、どのようにしてもう一度光を入手するか、あるいはどのようにして光を失わないようにして頂上までたどり着くかが、本作のパズル要素の大きな部分となっている。
Frendtが操作できるスイッチにはさまざまな種類があり、たとえば近くの花を開いたり閉じたりさせるものがある。これを使って、光を吸い取る花の場所を通る前にあらかじめ花を閉じさせておけば、光を吸い取られずに先に進むことができる。そのほかには、特定の物の時間だけを操作できるようにするスイッチもある。たとえば、何かが崩れ落ちて道を塞いでいたとする。そこでそのスイッチを操作すると、プレイヤーの時間操作の対象はその崩れた物体のみに切り替わり、時間を巻き戻すと崩れる前に戻って道が開けるというわけだ。
島内のギミックには、Arinaのランタンを預けるロボットのようなものもある。そのロボットは特定の場所の間を飛んで移動しており、おのずとふたりとは別のルートを移動する。これを利用すれば、たとえば先ほどの光を吸い取る花の場所を通る前にランタンを預け、通過した先で受け取るといったことが可能となる。また、そのロボットの飛行経路上でしか、花から光を受け取れないこともある。本作では、このように時間を操ってふたりが協力し合うよう促し、一緒に島の頂上を目指すのだ。頂上のモニュメントに光を捧げると、その島に置かれていたモノに関するふたりの思い出に触れることができ、そして次の島へと進んでいく。
『The Gardens Between』は、時間を進めるか戻すかというシンプルかつ直感的な操作で楽しむことができる。そして、どのようにして先に進む道を切り拓くのか、そしてランタンの光を頂上まで届けるのか。小さな島に仕込まれたそのパズルは、時間を動かすだけではなく止めることでも解ける場合もあり、なかなか頭を使う作品となっている。興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。