『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にて、壁をすり抜ける「盾サーフィン壁抜け」グリッチが発見される。やりこみプレイに新展開

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にて、新たなグリッチが発見され、コミュニティがざわついている。グリッチの仮称はShield Skew Clip(盾サーフィン壁抜け)。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』で壁抜けを可能にするグリッチだ。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(以下、ゼルダの伝説BotW)』にて、新たなグリッチが発見され、コミュニティをざわつかせている。グリッチの仮称はShield Skew Clip(盾サーフィン壁抜け)。このグリッチを発見したとされているのは、ニコニコ生放送などで活動するやりこみプレイヤー「とか(@tka_niconico)」氏。かいつまんで説明すると、ゲーム内に存在する“通常は通ることができない壁”を抜けられるというグリッチだ。

とか氏は8月末にヤオ・マーヨの祠にて、盾サーフィンをした際に、偶然壁抜けを経験。それをSNSで報告したことが注目を集めた。さまざまなユーザーがこのグリッチの検証を進め、Swiffy(@Swiffy22)氏がその仕組みを大まかに理解するなど、徐々に認知と理解が進んでいく。そして多くの人々により研究が進められ、日を追う事にこのグリッチの再現方法や応用方法などが充実していきている。今いちど、Shield Skew Clipを研究するゆきのさん(@yukino_san_14)にうかがった話をまじえて、このグリッチについてまとめよう。

このグリッチにはふたつのプロセスが存在する。SkewとClipだ。Skewは、リンクの位置を歪ませる技。盾サーフィンで坂道や箱、階段など安定しない場所に着地することで発生する。発生後は盾サーフィン中に盾を外すとリンクが歪むようになる。この状態になるまでが、ひとつの準備であるわけだ。なおこの歪む現象は盾で着地したり、ロードし直すと解除されるとも噂されている。

そして次に繰り出すのが、本題ともいえるShield Clipである。保存されたSkewingを利用して、壁を抜ける技だ。Skewing状態の時に壁に向かって盾サーフィンをし、リンクの体が壁にめり込んだ時に盾を外すとリンクが壁を抜ける(盾を外さなくても良いという説も)。これで、通常では抜けられなかった場所が抜けられる。これらの説明は、まだ不確定要素が多いので、参考程度にしてほしい。

仕組みとしては、リンクが平行の地面から飛び立ち盾サーフィンをし、急斜面にて盾サーフィンを終了した際に、ゲームのラグドールが特殊な性質を保存するという。盾サーフィンが中断されたことにより、リンクのモデルが歪んでしまうわけだ。壁抜けしたい方角と歪みの方角が一致すれば、壁抜けが発生するという流れのようだ(reddit)。

※ゆきの氏は、炎のカースガノンと対峙中に、Shield Skew Clipを使い逃走に成功している。通常は逃げられないが、壁抜けを使うことで外に出た

ただし、不確定要素が多く、まだ安定して繰り出される方法は確立されていない。しかしながら、壁抜けが発見された意義は大きい。すでに祠での試練をShield Skew Clipで素早くクリアするプレイヤーや、始まりの塔を起動せずに、試練の祠自体に無理やり入ったりと、時間短縮に利用されるケースが目撃されている。さまざまなミッションやストーリーイベントも、壁抜けを利用することでスキップすることができるようになる。これまで以上に大幅なショートカットが可能になるというわけだ。

スピードランナーであるZant氏が「『ゼルダの伝説BotW』は壊れた(新たな技術が生まれたことを喜ぶ意味の言葉)」と連日語っているように、やりこみプレイヤーにとってはこれまでの常識を大きく変える技であるようだ。これまでにもビタロックとオブジェクトを使ったり、回避時のスローモーション演出の性質を利用した壁/地面抜けが確認されていたが、Shield Skew Clipは条件に縛られず、どこでも素早く出せるというのが強み。実用性が高く、かつ反則的なほど便利な技であるという。

『ゼルダの伝説BotW』ではすでにビタロックを使った技は相当に研究されているほか、さまざまな分野での研究が進められている。Shield Skew Clipの安定した再現方法が確立され、ほかの技と組み合わせれば、さらに可能性は広がっていくだろう。まだまだ『ゼルダの伝説BotW』を研究し続ける有志たちによる、新たなやりこみプレイの開拓に期待したい。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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