最初にクリアした人に賞金50万円。3か月間誰にも攻略されていない海外の高難度2Dアクションゲームの開発者からプレイヤーへの挑戦状

『99Floors』という2Dアクションゲームの開発者が、最初にクリアできた人に賞金5000ドルを与えるというチャレンジを実施中。『99Floors』というタイトルどおり99フロア分のステージを制覇すればクリアとなる。途中で死亡すれば一からやり直しのシビアなゲームだ。

とあるドット絵2Dアクションゲームの開発者からプレイヤーに、「最初にクリアできた人に賞金5000ドル(約55万円)」という挑戦状が突き付けられた。海外メディアのRock Paper ShotgunInven Globalなどが報じている。対象となっているのは今年5月に発売された『99Floors』というPCゲームであり、タイトルのとおり99フロア分のステージを全て攻略すればクリアとみなされる。賞金獲得資格を得るには、証拠となるクリア動画を公式サイトから開発者宛てに送る必要がある。チートやバグ技、Modの使用、複数人による協力作業はNGだ。

本作はitch.ioのゲーム説明文にて「君は99フロアを制し、不可能を可能にすることができるかい?」と記載されているように、高難度の2Dアクションゲームである。基本操作は移動、攻撃、ジャンプの3つ。各フロアはランダム生成され、階層が進むにつれて難易度が上がっていく。ライフはハート数で表示されており、基本的には一撃死系ではないが(穴に落ちた場合は別)、ぴょんぴょん飛び掛かってくるモンスターの群れや、トゲ床・振り子のこぎり・隠し爆弾といったトラップなどが次々と立ちはだかり、ケアレスミスが命取りとなる。しかもパーマデス制なので、一度死亡すると1フロア目からやり直しだ。うまくパワーアップアイテムを集めることで、難所だらけのダンジョンを突破していこう。なおゲーム内で集めたコインを使って、全18体の操作キャラクターをアンロックできる(それぞれ武器、ライフ、攻撃力などスペックが異なる)。

開発者のLuke Powell氏いわく、本作は2018年5月16日に配信されてから3か月間、誰にもクリアされていないという(公式ブログ)。発売当初は賞金が設けられていない普通のゲームであった『99Floors』。宣伝費を1円もかけず、パブリッシャーもついていないものの、売れ行きは想定していたよりも好調(初週数百本)。しかし、それなりのプレイヤー数がいるにもかかわらず、最後までクリアするプレイヤーが一向に現れなかったことから、賞金を設定することを思いついたという。見事制覇できた者に売上の一部を還元するというわけだ。

購入者数の増加にあわせて徐々に賞金額を引き上げていき、現在の5000ドルに至ったという(5000ドルが上限であり、さらに増額する予定はないとのこと)。「クリアした人に5000ドルの賞金」というユニークな施策は注目を集めやすく、この5000ドルを宣伝費と捉えれば、長期的に見れば他の宣伝手段を使うよりも安上がりで済むとも述べている。賞金でゲーマーの興味を惹き、実際にプレイしてみようと思わせるこの施策は、宣伝効果がありながらもコスト的な負担はほとんどないというわけだ。8月2日時点の最高到達点はフロア86、8月26日時点での最高到達点はフロア90であることから、制覇される日はじわじわと近づいていると思われる。なお賞金の性質として、顧客誘引のため、取引に付随して提供する経済上の利益と言えることから、仮に同じことを国内でやれば景表法観点で懸念視されるだろう。

『99Floors』は公式サイト/itch.ioにて9.99ドルで販売中。公式サイトでは無料で遊べるブラウザ版も公開されている(真剣にゲームクリアを目指すプレイヤー向けには、ラグやフリーズの心配が少ない製品版が推奨されている)。なお9月中には大型アップデートの配信が計画されており、武器の二丁持ち機能、盾、魔法攻撃、イースターエッグなどの追加、銃を含むゲームバランスの見直しなどが含まれる予定だ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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