Nintendo Switch版『Diablo III』海外発表。移植に要した期間は9か月、海外版には日本語収録予定

『Diablo III: Eternal Collection』がNintendo Switch向けに発表された。ハック・アンド・スラッシュを楽しめるアクションRPGの移植作だ。『Diablo III: Eternal Collection』は8~9人のスタッフにより、9か月をかけて移植が進められたようだ。

Blizzard Entertainmentは8月16日、Nintendo Switch向けに『Diablo III: Eternal Collection』を発表した。発売時期は2018年秋で、価格は59.99ドル。『Diablo III』本編に加え、DLC「Reaper of Souls」と「Rise of the Necromancer」を収録。7つのクラス、5つのアクトが全て含まれている。現時点では国内向けの発表はないが、欧米のニンテンドーeショップのストアページを見ると、日本語の収録が表記されていることを確認できる。

さらに、Nintendo Switch版独占要素として『ゼルダの伝説』シリーズとのコラボ特典が用意されている。シリーズではおなじみのにわとりコッコがペットとして登場し、肖像フレームにトライフォースの紋様を刻まれたものが追加。宿敵ガノンドロフになれるコスメティックアーマーやウィッグも同梱されている。操作は、Joy-ConとProコントローラーの両方に対応。最大3人の友人と遊べるマルチプレイは、ひとつの画面(Nintendo Switch)でも、Nintendo Switchを4台持ち寄ることも、遠く離れた人々とオンラインで遊ぶこともできる。パフォーマンスとしては、携帯モードでは720p/TVモードでは960pで動くといい、ともに60fpsで動作するとのこと(Eurogamer)。

『Diablo III』は2012年に発売された、見下ろし型のアクションRPGシリーズ最新作。敵を次々と倒し、敵がドロップする優れた装備を得て、装備を見直し、さらに敵を倒すという流れを繰り返すハック・アンド・スラッシュ系アクションRPGの金字塔『Diablo II』の続編として注目され、現在も長期運営が続いているタイトルだ。最新作では、ランダムに生成されるステージ、生まれ変わり続けるワールドで次々に押し寄せるモンスター、独特なクエスト、無数に存在する装備品の組み合わせといったシリーズの魅力をそのままに、さまざまな新要素を加えている。前述したとおり、本編発売後は「Reaper of Souls」と「Rise of the Necromancer」といった拡張パックも発売されており、それらはNintendo Switch版にも収録されている。なお、Blizzardが任天堂プラットフォームにゲームを発売するのは、“クラシックアーケード”として銘打たれたゲームボーイアドバンス向けタイトル「Blackthorne」「Rock N’ Roll Racing」以来。約15年ぶりに任天堂ハードにてゲームを発売することになる。

海外メディアKotakuは今回の正式発表に先駆けて、本作のシニアプロデューサーを務めるPete Stilwell氏にインタビューを敢行している。それによると、『Diablo III: Eternal Collection』は、スムーズなフレームレートとグラフィックの最適化を実現するために、Nintendo Switch版『The Elder Scrolls V: Skyrim』の移植を担当したIron Galaxyと協力したという。8人から9人のスタッフで移植作業を進め、作業に要した時間はすべてを合わせて9か月に及んだようだ。任天堂からも、トラブル対応を含めたサポートを得て開発は進められたとのこと。Stilwell氏は、Blizzardと任天堂の関係が極めて良いことを強調し、『Diablo III: Eternal Collection』が、今後BlizzardタイトルをNintendo Switchでリリースする上での足がかりになるだろうとも話している。

なお、GameSpotから『オーバーウォッチ』の移植の可能性を問われたStilwell氏は、「可能性が無いわけではない」と回答。『オーバーウォッチ』の移植が実現するか現時点では分からないが、『オーバーウォッチ』はNintendo Switchで十分に動かせるはずだと見解を述べている。Blizzardのスタッフは過去にも『オーバーウォッチ』のNintendo Switch移植についてコメントしている。同作のゲームディレクターであるJeff Kaplan 氏はNintendo Switch向けの移植は難しい(Challenging)とコメントし、プロデューサーのMatthew Hawley氏は、経験がないハードウェアであるのであくまで検討中であるとコメントするなど、やや消極的な姿勢が見せていた。そうした中、今回Stilwell氏は『Diablo III』の移植プロジェクトがNintendo Switchついて学び、理解を深める良い機会になったと答えている。『Diablo III』の移植という前例が生まれたことで、少しずつ風向きが変わっていくかもしれない。

先日、『Diablo』シリーズのコミュニティマネージャーを務めるBrandy Camel氏が、複数の『Diablo』プロジェクトが進行していることを報告しており、年内に発表があることを告知していたが、そのうちのひとつが『Diablo III: Eternal Collection』であったようだ。大きく動き出した大型フランチャイズの今後にも注目していきたい。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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