『Fallout 76』PKを賞金首としてコンテンツ化するPvPや、カードデッキ化したパークなど「QuakeCon 2018」にて新情報公開
Bethesda Softworksは8月11日、テキサス州ダラスで開催されたQuakeCon 2018にてオンライン・オープンワールドRPG『Fallout 76』のQ&Aパネルセッションを実施。登壇したBethesda Game Studiosの開発陣より、本作のPvP、S.P.E.C.I.A.L./パークシステム、V.A.T.S.、拠点建築機能C.A.M.P.、キャラクター作成機能など、オンライン作品化するにあたり多くの人々が気になるであろうポイントについて説明された。パネルセッションに参加したのは、開発ディレクターのChris Mayer氏、プロジェクトリーダーJeff Gardner氏、そしてゲームディレクターのTodd Howard氏の三人だ。
https://www.youtube.com/watch?v=vdn0ZQ51nGI
PKをコンテンツ化するPvP
PvPの仕様については、初心者狩り・一方的なPKを抑えるよう工夫されている。まず本作ではプレイヤー両者が互いを攻撃するまで交戦状態には入らない。一方的に攻撃を与えている間は微量のダメージしか与えることができず、攻撃を受けた相手が反撃してきてから、ようやく本格的な交戦モードに入り、通常量のダメージを与えられるようになる(PvPを有効化できるのはレベル5から)。PvPへの招待がわりに軽く攻撃してみて、応戦してきたらPvPが始まるというわけだ。
PvEとPvPではキャラクター性能の曲線が別々に調整されるため、対人戦においては低レベルのプレイヤーでも高レベルのプレイヤーと十分にやりあえるとのこと。相手が高レベルであるほど報酬として手に入るキャップ(ゲーム内通貨)の量も増えるため、低レベルプレイヤーでも高レベルプレイヤーを狙うインセンティブはありそうだ。また倒されたプレイヤーは、自分を倒したプレイヤーに報復するか選択でき、見事成功すれば通常の倍の報酬が手に入る。なお死亡時のペナルティはジャンク品のロスのみで、所持していた装備品はキープした状態でリスポーンする。落としたジャンク品は、死亡地点に戻ることで回収可能。リスポーンは死亡地点の最寄りの発見済みロケーションもしくはゲームスタート地点(Vault 76)は無料、その他の発見済みロケーションでリスポーンする場合はキャップの支払いが必要となる。
先述したようにPvPに応じていないプレイヤーには微量のダメージしか与えられないが、ダメージが入ることには入るので、攻撃し続けていれば倒せる。本作では、こうした一方的なPKをコンテンツ化する試みとして賞金首システムが導入される。具体的にいうと、交戦の意思を示していない相手を一方的に倒した場合、報酬は何も得られないまま賞金首扱いになる。賞金首となったプレイヤーのおおよその現在地は、他プレイヤーのマップ上に赤星で表示され、倒した者には賞金首プレイヤーの所持キャップから報酬が支払われる。しかも賞金首になったプレイヤーのマップには他プレイヤーの位置が表示されなくなるため、不利な状態で戦うこととなる。
※6月に公開されたマルチプレイ要素のイントロダクション映像
なお内部プレイテスト中には、ミュータントやグールなど敵と交戦中のプレイヤーの射線にわざと入って流れ弾を食らい、強制的にPvPに誘いこむというケースが見られたことから、対プレイヤーへの与ダメージを無効化する(交戦状態に入らないようにする)オプションが用意されるそうだ。そのほか、特定のプレイヤーを無視するオプションもあり、無視した相手プレイヤーのマップ上には、自分の位置が表示されなくなる。
このように本作のテスターには、できる限り悪質な遊び方を試みてもらい、そこから発見された抜け道やハラスメントを潰していっているとのこと。たとえば、本作では他プレイヤーの拠点を破壊することが可能だが、これは拠点荒らしを促すためではない。当初は拠点にダメージを与えられないようにしていたが、プレイテスト中、プレイヤーの周りに壁を建てて閉じ込める集団が現れたことから、壁を壊して抜け出せるようダメージ判定をオンにしたという。
また内部テストでは、拠点機能をPvP向けに活用する方法も編み出されていったとのこと。具体例としては、楽器のクラフト・演奏機能を使ったおとり作戦が紹介された。道のど真ん中でチューバを演奏して敵をおびき寄せ、油断して攻撃を仕掛けてきた相手に、四方八方の草むらに忍ばせておいたタレットで集中砲火を浴びせるというものだ。建築した拠点は、組立用移動基地C.A.M.P.の設計図機能を使って保存・再配置が可能。このチューバ作戦のようなユニークな戦術も、場所を移しながら最適な場所を探すといった試行錯誤が手軽に行えることだろう。
パークのカードデッキ化
各プレイヤーの性能を数値化するS.P.E.C.I.A.L.は、全て「1」の状態からスタート。そこからレベルが上がるごとにどれかひとつの項目にポイントを割り振っていく(最大値15。振り分けポイントの付与はレベル50でストップ予定)。キャラクターに性能補正効果を与えるパークに関しては、デッキを組むようにカードを選択する形式となっている。カードにはそれぞれコストの概念があり、S.P.E.C.I.A.L.に割り振ったポイントがそのままコスト上限となっている。例えばカリスマに3ポイント振っている場合、選択できるカリスマパークのコスト上限は3となる。
カードはレベルアップ時にランダムで付与されるもので、その種類は数百種にも及ぶという。なおS.P.E.C.I.A.L.用のポイント付与はレベル50でストップするが、カードの付与はレベル50以降も継続。そのほか同じカードを組み合わせることで、より効果の高い(コストも増加)カードを生成できるという。カードデッキのように状況に応じてパークを組み替えられること、そしてパークの入手がランダムであること。この2点が最大の特徴だろう。
パークの内容としては、特定武器種の攻撃力増加や、特定時間帯にS.P.E.C.I.A.L.の一部をブーストするものなど、シリーズおなじみのものが確認できる。開発陣が実際にプレイしてみた感想としては、本作がオンライン・サバイバルゲームであることから、武器・弾薬の重量軽減や弾薬入手量の増加といった単純なDPS強化系ではないサバイバル生活向けのパークが重宝しているとのこと。リアルタイムとなったV.A.T.S.に関しては、パークによって強化される仕組みとなっており、ゲームスタート時は身体全体をターゲットすることになるが、パークによって部位選択が可能になる。
NPCとの交渉が生じないオンライン・タイトルということで、カリスマの使い道が気になるところ。この点については、回復アイテムを使用するとチームメイトも回復したり、チームで行動している間は獲得経験値が増加したりと、チーム全体に恩恵を与えるようなパークが揃っているとのことだ。また放射能の影響によりキャラクターが突然変異することもあり、ジャンプ力が上がるかわりに所持重量上限が下がるといった具合にメリットとデメリット効果がセットになって適用される。そしてカリスマのパークには、チームメンバーの突然変異効果を向上するものも存在する。
キャラクター作成機能・Mod対応について
キャラクター作成機能に関しては『Fallout 4』からさらに進化。しかも今作ではいつでも自由にキャラクターの外見・性別を編集できるとのこと。これまでは作成したキャラクターに納得がいかない場合は整形がアンロックされるまで我慢する必要があったが、今作では序盤から納得がいくまで再調整できるのだろう。また機能の充実したフォトモードも実装され、表情やポーズ、フィルターやコントラストなどを決めてお気に入りの一枚を撮影することが可能だ。
最後に、Mod文化が盛んな『Fallout』シリーズの新作ということで、『Fallout 76』においてもModサポートに向けた取り組みが進められているとのこと。Mod有りのプライベートサーバーとセットで、将来的なModサポートが計画されている。
『Fallout 76』はPC/PlayStation 4/Xbox One向けに11月14日発売予定(PC版は発売日時点ではSteamではなくBethesda.netでのみ販売)。予約者向けの「B.E.T.A.(Break-It Early Test Application)」、いわゆるベータテストは10月に開催される見込みとなっている(国内実施は未定)。