Valveが「フェイクアイテム」対策に乗り出す。『Dota 2』『Team Fortress 2』の高額アイテムに見せかけた偽アイテムの流通を受けて
今年7月に入り『Dota 2』および『Team Fortress 2』のゲーム内アイテムに見せかけた偽アイテムがSteamコミュニティマーケットで高額取引される事例が相次いだことを受け、Valveが対策に乗り出した。
Redditユーザーwickedplayer494氏が7月31日に報告したところによると、Steamコミュニティマーケットでアイテム取引を行う際、ユーザーがプレイしたことがない、もしくはSteamで配信されたばかりの新作のゲーム内アイテムが取引対象であった場合には、その旨がわかるような注意文言がポップアップ表示されるようになったという。
Steamでは今年7月、『Climber』というインディーゲームが、Steamコミュニティマーケットで高額取引されている『Dota 2』の「Dragonclaw Hook」に見せかけたアイテムを提供したことでストアから削除された。本物と同じイメージ・アイテム説明文が使用されていたこともあり、少なくとも1人のプレイヤーが誤ってアイテムを購入してしまったという(PCGamer)。
また同月末には『Abstractism』というゲームが、『Team Fortress 2』の高額アイテムに見せかけたアイテムを配信していたことが発覚し、同じくストアからの削除処分を受けている(関連記事)。こちらは偽アイテムの配信だけでなく、ユーザーのPCに仮想通貨のマイニングソフトを忍び込ませて強制マイニングを行っていた疑いもかけられていた(開発者自身、それを認めるコメントを一時的に公開していた)。仮想通貨の強制マイニング、Steamマーケットの活用、botを使ったファーミングと親和性の高いアイテム入手方法など、巧妙かつ悪質な収益モデルが構築されていた。
wickedplayer494氏が立てたredditスレッドでは、Valveの従業員として知られるDrunken_F00l(Tony Paloma)氏もコメントを寄せており、もうひとつの対策としてアプリ名の変更手続きを承認制に切り替えたと伝えている。本物のタイトルの本物のアイテムであるかのような名称に変更できないよう審査するためだろう。というのも、7月末には『Bitcoin Miner』というゲームがタイトルを『Team Fortress 2』に変えて偽アイテムを提供するという事例が現れ、のちにストアから削除されている(SteamDB)。Valveによる対策はこれでおしまいではなく、今後もプラットフォームの監視を続け、さらなる対策を練っていく予定とのことだ。
https://twitter.com/sinxmc/status/1024036792855670784
なおDrunken_F00l氏によると、注意喚起の追加以前に偽アイテムの被害にあったユーザーには、失ったアイテム・金額が手元に戻るよう対応するという。『Abstractism』のケースで被害にあったPoorAsianBoy氏も同スレッドに投稿しており、一連の対応について感謝の念を伝えている。通例よりもValveの対応が早かったのは自社タイトルが影響を受けているからかもしれないが、いずれにせよこのまま放置していれば被害が拡大する可能性があったため、一連の対策は朗報と言えるだろう。