『PUBG』中国にてチートツール開発者141人が逮捕される。200人以上の警察が動員し、毎日数十万円の利益を得ていた業者を一斉検挙
PUBG Corp.は7月6日、中国公式サイトにて『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS(以下、PUBG)』のチートツール開発者141名を逮捕したと発表した。これまでにも同ゲームのチートにまつわる関係者が逮捕されてきたが、今回は過去最大規模となる。逮捕された関係者は、チートツールの開発によって総額5000万元(8億4000万円)以上の利益を得ていたという。20以上の地域で逮捕者が出たことから、中国のさまざまな地域でチートに手を染める業者が存在していたようだ。
最大100人が戦場に降り立つバトルロイヤルゲーム『PUBG』では、人口増加にともないチート使用者が多数報告されている。競技性の強いゲームジャンルにおいてアンフェアな手法を用いるという点で、チートの氾濫は一般人プレイヤーへ甚大な被害をもたらす。その被害はやがて不評という形でゲームへの評価へと反映され、最終的には『PUBG』開発元にもダメージを与えていた。
PUBG Corp.は中国大手企業テンセントと協働し、今年頭からチートの検挙を実施。1月に120名の販売・開発者を逮捕し、4月には15名の業者を逮捕していた。そして今回140名を逮捕し、粛々とチートの検挙を進めている。今回の業者は『PUBG』にて使用可能な10以上のプラグインを含むツールを、オンラインを介してユーザーに販売し、毎日数万元(数十万円)以上の利益を得ていたとのこと。実は業者らは、同じようなマイニングサービスを利用しており、ブロックチェーンに共通するものがあったという。北京当局が、そうした関連性を探っていったことが、身元の特定と今回の逮捕につながったようだ。
今回の検挙は4月22日から26日にかけておこなわれ、警察200人以上が動員したという。山東省や北京、上海などさまざまな地域に住む業者から、携帯電話やPCなど物品も200以上を押収。「涉及名为冰点」「天使」「TOX」「复仇」といった人気プラグインを含んだ2万以上のツールが発見されている。ページでは逮捕者が映し出されており、彼らが犯罪をおかした容疑者として拘束されている姿が確認できる。チートツールの開発が、犯罪であることをあらためて感じさせるだろう。
4月に逮捕者が出た際には、『PUBG』の一部のチートツールには、使用者の個人情報を抜き取るウィルスが混入されていることも報告されていた(関連記事)。使用者はリモートでユーザーのコンピュータを制御したり、データスキャンをおこない、情報の抽出をされていたという。つまり、お金を出してチートツールを購入者していたユーザーが被害にあっているケースも存在するのだ。さまざまな視点から見て、危険性を持つのがチートツールであるといえる。
昨年12月にはPlayerUnknownことBrendan Greene氏が海外メディアKotakuに対し『PUBG』のチーターの99%が中国人によるものであると語っていた(関連記事)。中国はチートの温床ともいえる場所。本拠地をテンセントと共に叩くことで、チートの撲滅を狙っているわけだ。いまだにSteamフォーラムにおけるチート報告は止んでおらず、今年3月には開発元がチーターの検出を誤り、少なくない数の一般プレイヤーをBANするという不祥事も発生している。何かとネガティブなニュースが多い『PUBG』であるが、今回の検挙の報告はひとつ朗報だろう。今後もプレイヤーにとって遊びやすい環境を提供していくことを望みたい。