モバイル版『PUBG』、Royale Passの導入により売上激増。PC版イベントパスの仕様も一部改善に向かう
モバイル版『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)の6月19日アップデートにより「Royale Pass」システムが実装されてから、同作のIAP(アプリ内課金)売上が365%増加したとの推定データが、モバイルアプリ市場の調査会社SensorTowerより公開された。
モバイル版『PUBG』はプレミアムパスで売上ブースト
「Royale Pass」とは、デイリー/チャレンジミッションをクリアすることで経験値を獲得し、レベルを上げることで報酬をアンロックしていく制度である。『フォートナイト』のバトルパスと類似したものであり、「Royale Pass」にはプレイヤー全員がアクセスできるフリー版と、約1000円相当の有償ゲーム内通貨により購入可能なエリート版の2種類が存在する。報酬内容は衣類・武器・輸送機・パラシュートスキン、エモート、経験値ブーストなど。全70レベルあり、エリート版を購入することでより多くの報酬をアンロックできるようになる。ミッションをこなす時間がないプレイヤーや、いち早く報酬を入手したいプレイヤーは、有償ゲーム内通貨の消費により即座にレベルアップすることも可能だ。
※PUBG モバイル公式 Royale Pass海外ガイド動画
モバイル版『PUBG』は今年4月15日にアプリ内課金を導入したものの、売上が伸び悩んでいた。SensorTower調べによる「Royale Pass」導入前の推定売上は週平均130万ドル(約1億4000万円)。それに対し導入後の1週間では推定売上610万ドル(約6億7000万円)を記録したという。現在も1日平均70万ドル(約7700万円)と好調。あくまでも調査会社による推定値ではあるが、プレミアムパスの導入により大幅なブーストがかかったことは間違いなさそうだ。
ライバルであるモバイル版『フォートナイト』では、新しいバトルパスが追加されたシーズン開幕直後に大幅な売上増が確認されている(関連記事)。『PUBG』においても、同様のマネタイズモデルの導入は効果大だったようだ。このままプレミアムパスによる売上増をキープできれば、ルートボックスにかわる新しいトレンドとして他タイトルでの採用例が増えていくのではないだろうか。
PC版『PUBG』のイベントパスは改善に向かう
一方、「Royale Pass」と似たイベントパスなるものが実装されたPC版『PUBG』には、コミュニティやメディアから批判的な声が寄せられている(関連記事)。その中には、イベントパス未購入のプレイヤーがイベント期間中にフリー分の報酬すべてをアンロックするには、膨大な時間を費やさなければならないという指摘があった。そうしたフィードバックを受けて、6月28日に配信されたアップデートにていくつかの仕様変更が適用された(日本語公式)。
まず通常プレイから得られる経験値の上限が1日80から120に増加。イベントパス未購入ユーザーの経験値獲得ペースも5分につき2経験値から2分30秒につき1経験値に変更された。「1時間ソロでプレイ」といった時間計測系のミッションに関しては、これまで5分単位でしか進捗を追ってくれなかったが、今後は2分単位でカウントされる。また「ソロでマッチの最後まで誰もキルすることなくトップ3に到達」というミッションは、条件を満たすためには勝利を狙ってはいけないという内容によりコミュニティから難色を示された。そのため、クリア条件が「ソロでマッチの最後まで3キル以上することなくトップ3に到達」に変更されている。こうした改良により、いくらか報酬の獲得が楽になるだろう。
なおPC版『PUBG』では、6月29日18時から7月2日18時の間にログインした際、1回かぎりイベントパス経験値が400配布されるキャンペーンが実施される予定だ。報酬アンロックを狙っている方はチェックしておこう。