『スプラトゥーン2』DLCは敵AIがすごい。キッチン用品でもバトロワ『Cuisine Royale』。オープンベータ中の『ザ クルー2』。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。137回目です。E3が終わったと思いきや、すぐにSteamサマーセールが始まりました。E3で高まったゲーム買いたい欲を発散できる、巧みなタイミングです。サマーセール開催にあわせて、弊誌では数々の開発者にオススメ作品を選んでもらったので、そちらの記事もぜひ読んでみてください。
嘘から出たまこと
中華鍋やフライパンでフル武装するキッチン用品バトルロイヤル『Cuisine Royale』。第二次世界大戦MMOシューター『Enlisted』のエイプリルフールイベントとして誕生した作品です。ウケが良かったのか、このたびスタンドアロン作品としてリリースされました。おそらく『Enlisted』の宣伝を兼ねているので、武器だけはキッチン用品ではなく硬派なWWII銃器。Dagor Engineによる美麗なグラフィックや動作の軽さ含め、開発中の『Enlisted』がどういうゲームになるのかイメージを掴めるのではないでしょうか。
ちなみに装備品であるウサギスリッパ(跳躍力強化)とニーパッド(ダッシュ力強化)を組み合わせると、ミリタリーシューターから高機動シューターに早変わり。現状のマップサイズ、プレイヤー人数、移動速度だと接敵機会が限られてくるため、これらを初期装備にしてほしいくらいです。
by Ryuki Ishii
こういうのでいいんだよ
オープンベータテスト中の『ザ クルー2』をプレイ。クローズドベータテストには応募していないので、初参加となります。『ザ クルー2』はオープンワールドのレーシングゲームで、アメリカ全土を舞台とした広大なマップにて、車だけでなくバイクやボート、飛行機などにシームレスに切り替えレースやトリックを決めるのです。
前作もとにかく広いアメリカを荒々しく走破する楽しさがありましたが、今作はスケールを拡大させつつ、シンプルかつストレスフリーなつくりになっている印象です。レース中は道は広いし、オブジェクトに引っかかってスタックすることもなく。フリードライブ中にはシームレスに車やボートに切り替えることができ、制約なく自由にフィールド上をかっとばせます。そして気に入ったのは、「フォロワーを増やす」という極めてシンプルなストーリー目標です。目標はあるといいけれど、兄弟が死んだみたいな重いストーリーはちょっと……という気分だったので、単純明快かつ時代に合った目標は大変気に入っております。平日、帰ってきてちょっとプレイといった遊び方に合致する、社会人向けの気楽なゲームになるのではないでしょうか。あ、ちなみにオープンベータは25日までで、本作の発売日は今月29日となっております。
by Minoru Umise
お手軽ハッカー体験
今週は『Hacknet』をプレイしていました。死んだはずのハッカーBitから届いた一通のメール。それに従って行動するうちに隠された秘密が明らかとなり、やがてBitの死の真相へと近づくことになる…。そんな感じのミステリー仕立てなストーリーが光るアドベンチャーゲームです。コンソールへとコマンドを入力して厳重なセキュリティを次々と破っていけば、まさに凄腕ハッカーの気分。似たジャンルのゲームは数多くありますが、その中でも比較的敷居が低く、お手軽に奥深いストーリーが味わえる一本です。
本作で特に面白いのは、各サーバーに残された文章です。チャットのログであったり、独白めいたメモだったりと、直接ストーリーとは関係ないテキストが豊富に用意されています。例えば「侮辱します」「反駁します」「反駁に対する反駁をします」といった他愛ないやり取りなど、読んでいてクスッときてしまうようなものもあり、そちらもまた魅力のひとつです。公式で日本語対応されたおかげで、これらが日本語で読めるというのはありがたいところですね。フレーバーテキストは作品世界をより深く味わうには重要な部分ですし。テキストを読み漁りながら、まったりと進めていこうと思います。
by Kouzou Suzuki
イヌはかわいそうなのでスルー
サマーセール前でしたが、Steam版『Mark of the Ninja』が安くなっていたので購入し、今週はこれをプレイしていました。2Dのステルス・アクションゲームです。もう発売から6年ですか。確か当時は『Splinter Cell Conviction』にドハマリし、ステルスゲームの楽しさにようやく気がついた時期で、Xbox 360向けに発売された『Mark of the Ninja』も飛びつくように買った記憶があります。
闇に潜み、気付かれることなくひとりひとり葬っていくのがとにかく気持ち良い。基本的に敵に見つかったら負けなので(気持ち的に)、技やアイテムをアンロックし、それを使ってどうやって攻略してやろうかと考えるのが楽しい作品です。今年の秋にはリマスター版も発売予定。ビジュアルとオーディオのアップグレードのみで、追加コンテンツなどは無いそうですが、また買っちゃうだろうな。
by Taijiro Yamanaka
珠玉の敵AI「オクト・エキスパンション」
なぜか世の中には任天堂タイトルというと難易度が低いという印象を持っている方がいるようだ。『スプラトゥーン2 オクト・エキスパンション』は、そんな方にこそお勧めな情け容赦のないゲームに仕上がっている。シングルプレイTPSとしては屈指の難易度だろう。
ゲーム序盤はシューターというよりも、任天堂らしいアクションゲームになっており、それぞれ歯ごたえのあるミニゲームが楽しめる。「ヒーローモード」と比較すると難易度は高い。救済策としてステージをクリアしたことにして先に進める仕組みもあるので、進行不能になることはない。(もちろん正式クリアとはならない。)最後までゲームを進めればお判りいただけると思うが、特筆に値するのが敵のAIだ。敵であるタコゾネスのAIへのこだわりについては、過去にプログラマーの岩田健志氏が語っておられるので、そちらをご覧いただきたい。今回の敵AIはとにかく強い。最後の最後にクリアした時の達成感はなにものにも代えがたいだろう。
by Masahiro Yonehara