マインクラフト開発元の対戦カードゲーム『Caller’s Bane』PC向けに無料配布開始。開発終了した『Scrolls』を改題し、コミュニティに開放
『マインクラフト』の開発元として知られるMojangは6月20日、対戦カードゲーム『Caller’s Bane』を、Windows/Mac向けに無料で公開した。本作は、2014年に正式リリースされた『Scrolls』からタイトルを変更したもので、ゲーム内容は同一である。プレイヤーは、クリーチャー・ストラクチャ・エンチャントメント・スペルの4種類のタイプと、3段階のレア度があるスクロール(カード)でデッキを組み、フィールドに配置して対戦。そしてお互いに、5つあるアイドル(偶像)のうち3つの破壊を目指す。
『Scrolls』は、ベータテスト段階では連日数万人のプレイヤーで賑わっていたものの、正式リリースからおよそ6か月後に開発終了を宣言。それから1年を目処にサーバーも停止するとしていたが、最終的に今年2月に停止された。当時Mojangは、ユーザー自身がサーバーを立てて本作を継続して遊べるよう、サーバーソフトウェアの公開を計画している旨を明らかにしていたが、今回それが実現した形だ。
『Scrolls』あらため『Caller’s Bane』では、誰でもサーバーを立てることができ、ゲームバランスやゲームルール、トライアル(カスタムマッチのシリーズ戦)の作成などをデータベースに直接アクセスする形でおこなえる。詳しい解説はダウンロードしたパッケージ内に同梱されているが、やや複雑な手順になるという。ただ、コミュニティサイトScrolls Guideを運営しているkbasten氏が、コミュニティを代表してサーバーを立てているそうなので、こちらに接続すれば気軽に対戦を楽しめるだろう。
なお、『Caller’s Bane』ではMojangのアカウントシステムを使用しないため、ゲーム内のフレンドリスト機能は削除されている。また、『Scrolls』時代に保有していたスクロールやデッキは、技術的にコミュニティサーバーへの移行ができないため失われることになる。ただし、ホストによるサーバー設定によって、たとえばプレイヤーに全スクロールを開放したりといったことが可能であるため、コミュニティごとのルールを見て気に入ったサーバーに参加したり、あるいは自らサーバーを立てて楽しむといいだろう。
ちなみに、『Scrolls』を巡っては『The Elder Scrolls』シリーズを手がけるBethesda Softworksから商標権侵害で訴えられたことも話題となった。最終的に両社は和解し、Mojangは「Scrolls」を商標登録しないこと、そしてBethesda側は『The Elder Scrolls』シリーズと直接競合しない限り『Scrolls』について問題視しないという結論を見た。今回の無料配布にあたって、『Scrolls』から『Caller’s Bane』に改題された理由はこれに関係しているのかどうかは分からないが、MojangのMåns Olson氏は「それなりの理由がある」としつつ、「我々がScrollsという言葉の響きが気に入らなかっただけかもね」とコメントしている。