Epic Gamesが、Unreal Engine 4採用インディーゲームへの投資プログラムを発表。1プロジェクトにつき1億から5億円まで投資

Epic Gamesは5月30日、Interactive Gaming Venturesと提携し、ゲームエンジンUnreal Engine 4を採用するタイトルへの資金援助をおこなうと発表した。Interactive Gaming Venturesでは、インディーデベロッパーを2〜3チーム選ぶ。1プロジェクトにつき100万〜500万ドル(約1億1000万〜5億5000万円)の資金援助する予定であるという。

Epic Gamesは5月30日、Interactive Gaming Venturesと提携し、ゲームエンジンUnreal Engine 4を採用するタイトルへの資金援助をおこなうと発表した。Interactive Gaming Venturesは、ソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)で社長兼CEOを務めたJack Tretton氏が率いる投資会社だ。Tretton氏は、PlayStation 4のローンチを見届けた後にソニーを退社し、今年3月にInteractive Gaming Venturesの設立を発表していた。なお同社には、『ARK: Survival Evolved』の開発元Studio WildcardのCEO Doug Kennedy氏も参加している。

Interactive Gaming Venturesでは、毎年経験豊富なインディーデベロッパーを2〜3チーム選定。1プロジェクトにつき100万〜500万ドル(約1億1000万〜5億5000万円)の資金援助をし、これを今後7年間にわたっておこなう計画だという。この投資ポートフォリオに前途有望かつ望ましい基準を満たすチームを加えるために、今回Epic Gamesと提携し、Unreal Engine 4採用タイトルに的を絞ったとのことだ。コンシューマーやモバイル向けの展開も視野に入れつつ、まずはPC向けのゲームから始めるとのこと。

この投資計画に採用されたスタジオは、そのタイトルの知的財産(IP)は自ら保有し、制作過程の管理もおこなう。一方Interactive Gaming Venturesは、マイルストーンや成果物に対して上述の資金を提供し、またプロモーションや流通の管理を担当する。Tretton氏は、今年3月におこなった海外メディアGamesIndustry.bizとのインタビューの中で、IPについては投資額に応じて一定割合の権利を要求する代わりに、成功も失敗も共に分かち合う関係にするとしていたが、このIPの扱いは変更されたようだ。ただ、開発したタイトルの発売後にはプロジェクトの成功を分かち合うとしており、パートナーとの関係性には変わりはない。

Jack Tretton氏

Epic Gamesは、「デベロッパーの成功が自分達の成功である」という同社の哲学に則った考えをInteractive Gaming Venturesも持っていたことから、今回の提携に至ったという。同社はすでに、Unreal Dev Grantsという資金提供プログラムなどデベロッパーへの支援をおこなってきたが、今回の提携によりさらなる支援をできるよう協力するとしている。

インディースタジオ向けの支援は、各国・各社さまざまな形でおこなわれており、それらを利用したタイトルが多くリリースされている。たとえば日本のAREA 35が手がけた戦略シミュレーションゲーム『TINY METAL』は、Unreal Dev Grantsを通じた資金提供を受けており、弊誌とのインタビューの中では、小さなスタジオにとって大きな助けとなったことが語られている(関連記事)。Interactive Gaming Venturesが提供する資金はかなり高額で、ここからどのようなタイトルが生まれるのか興味深い。なお、投資を受けるための応募はInteractive Gaming Venturesの公式サイトにて受け付けているので、興味のある開発者の方はぜひチェックされたい。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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