ダンジョン探索+ショップ経営RPG『Moonlighter』日本語対応でSteam/Xbox One版配信開始。リソース管理に明け暮れる労働生活

パブリッシャー11 bit studiosは、SteamおよびXbox One向けに『Moonlighter』の配信を開始した。『Moonlighter』は、ダンジョン探索型RPGだ。ショップ「Moonlighter」を経営し、一方ではダンジョンに潜るという過酷な労働生活が展開される。

パブリッシャー11 bit studiosは、SteamおよびXbox One向けに『Moonlighter』の配信を開始した。価格は2050円。海外向けにはPlayStation 4版が配信されている。Nintendo Switch版については、2か月遅れで配信される。いずれのハード向けにも日本語字幕に対応している。行間など気になる点はあるものの、丁寧にローカライズされている印象だ。

『Moonlighter』は、ダンジョン探索型RPGだ。舞台となるのは、寂れ始めた辺境の地リノカ村。主人公は、白髪の青年ウィルだ。ウィルは末代まで続いたアイテムショップ「Moonlighter」を引き継げる最後のひとりとして、祖父よりショップの経営を任される。しかし当のウィルはというと、ショップ経営よりも、村のハズレの古代のゲートから行くことができるダンジョンの5番目の扉が気になって仕方がない。いずれにせよ、ショップでアイテムを売るにはゲートをくぐってアイテムを回収し、持ち帰る必要がある。ダンジョンとショップを舞台とした、ウィルの過酷な労働生活の幕が上がる。

昼はショップを開きアイテムを売ろう。お客さんは、商品の価値と価格のバランスを考えて物を買う。適切な価格を付けて、お客さんに気に入ってもらうのだ。それぞれのアイテムには適正価格が存在しており、試行錯誤しながら最適な価格設定を目指し調整していく。村には需要と供給のバランスが存在しており、同じアイテムばかりを売りつけると値が下がっていくので、さまざまなものを売りつけよう。アイテムを売って日が暮れてきたらダンジョン潜入の準備だ。入るたびに構造が変わるダンジョンを探索し、がっぽりアイテムをリュックに詰めて持ち帰ろう。

戦闘においてはウィルの動きは重めに設定してあり、敵の動きをよく見ての判断が求められる。キビキビ動くのではなく、考えての行動が必要になる印象だ。本作における戦闘の難易度のデフォルトは、ハードに指定されている。ロストと隣合わせの緊張感が、ダンジョン探索の醍醐味になっているため、ハードで遊べばドキドキの冒険が楽しめるだろう。プレイヤーはお金を消費しネックレスを使うことで、帰還することが可能。ダンジョンは時間帯によって難易度が変わるといい、日が浅いほど易しいようだ。ダンジョンに入れば時間が経過する。昼に入っていけば帰還する頃には夜になるし、夜突入すれば外は昼になっている。

お金や素材を集めたら、家やリノカ村のアップグレードをしよう。ショップの設備の充実や、村に業者を呼び込むこともできる。富によって村に活気をもたらすのだ。ウィルは戦闘によってレベルアップすることができず、冒険を円滑に進めるには、素材を使って装備を整えることが重要になる。ダンジョンから持ち帰った素材を使えば、装備の作成が可能なので、探検に向けてグレードアップしていこう。素材をショップで売るか、アイテムもしくは装備の生成に使うか。そうした判断はプレイヤー次第である。

『Moonlighter』は、アクションRPG(ダンジョン探索)とシミュレーションゲーム(ショップ経営)の2パートに分かれて進行するが、どちらのパートでもリソース管理が重要になる。いつショップをあけ、いつダンジョンに行くのかは基本的に任意なので、時間配分は意識したほうがいいだろう。さらにダンジョンから持ち帰るアイテムには制限があり、アイテムは換金することはできるものの、持ち帰るものの取捨選択が求められる。さらに、持ち帰ったアイテムを売るのか蓄えて装備にするのかいう判断にも迫られる。需要と供給を考えて、あえて時期を分けて売る必要もある。爽快感も味わえるが、色々なリソースの配分を考えて行動するキリキリ感が楽しい作品と言えるかもしれない。

本作を手がけるのは、スペインのスタジオDigital Sun Games。Unityで描かれるピクセルアートは非常に美麗で、リノカ村を中心に美しい旋律が流れる。どこか懐かしいファンタジーな世界観も本作の大きな特徴である。ゲーム内のテキストや世界設定もなかなか凝られているので、システムのコンセプトだけでなく、世界観を気に入った方も満足できる作品になるだろう。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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